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タンノイ「Westminster Royal/GR」を筆頭にハイエンドシステムを完備

デパート内に佇む本格遮音&調音室!熊本の音楽文化に貢献する「鶴屋音楽サロン」

公開日 2026/03/16 06:30 遠藤義人
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熊本の繁華街の中心に位置する鶴屋百貨店。その東館3階メンズフロアの一角には、40畳もの遮音・調音が施された視聴室がある。しかもクローズドではなく、貸し切りの予約がなければ誰でも体感できるという。その名は「鶴屋音楽サロン」だ。

大人が楽しめるゆとりの空間

鶴屋百貨店は1952年に地下1階地上3階の近代建築でオープン。現在は本館のほかにウイング館と東館を構える西日本最大級のデパートだ。めざす鶴屋音楽サロンは、東館3階メンズフロアの一角にあった。

この部屋が造られたのは2014年。現会長が本館および東館を全面リニューアルした際、東館3階をメンズフロアに改装。その一角に大人が楽しめるゆとりの空間としてあつらえた。当初はライカカメラの販売コーナーも併設していたそうだが、いまは地元のヴァイナル企画であるTATSUDA RECORDSがセレクトした上質なLPレコードがずらりと並び、販売されている。

TATSUDA RECORDSセレクトのレコードやCDが並ぶ

試聴室の入り口にはタイムテーブルがあり、日替わりにて再生するジャンルを変えているという。対応してくださったのは、尾田芳孝さん。鶴屋の生き字引ともいわれる、鶴屋百貨店のOBだ。

「熊本市内にはジャズ喫茶が何軒かあるので、それと被らないようクラシック中心にしておりますが、様々なジャンルをお楽しみいただけます」(尾田さん)

ということは、フリー試聴も可能ということでしょうか? ──「はい。基本的には外商や友の会会員向けの貸し切りサロンですが、貸し切りのご予約がなければどなたでもご試聴いただけます」(尾田さん)

パートナーが買い物に集中している間、殿方はここでのんびり音楽を愉しめばいい。素晴らしいスペースだ。

外商会員や鶴屋友の会会員は80分/1団体1,000円(税込)で貸し切り可能。もっとも、その半額は、海外へ出て活躍したいと志す若手芸術家を育成する「熊本県世界チャレンジ支援基金」に寄附される

カメラコーナーの名残。講師が熊本ライカクラブを主宰していた

オーディオショップ顔負けの超弩級ルーム&システム

28cmほどふかした防音室に重量級ドアを経て入ると、空気が一変。尾田さんとの会話すら見通しがよくなったのが手に取るようにわかる。防音に留まらず、随所にルームアコースティックが施されているのだ。訊けば、測定の上しっかりと調音されているという。

正面には85型の大型4Kモニターも壁掛けされており、オペラも楽しめる

部屋の前後には、厚いカーテンの裏側に定在波を吸収するトラップが仕込まれている

二重窓(写真左)やルートロン調光システム(写真右)などデパートの中とは思えない本格装備

椅子に腰掛けて、巨大なタンノイ「Westminster Royal/GR」の正面に座れば、朗々とした伸びやかなサウンドが体を透過していくかのよう。

「せっかくお客様に楽しんでいただくのですから、最新のハイエンドの装置で組もうということになりました。自分たちで吟味した機器を使用しております」(尾田さん)

パワーアンプはオーディオノート「ONGAKU」。「大型出力管211を使いシングルながら力強くクラシックにも向いています」と尾田さん

フォノアンプやプリアンプもオーディオノート製。オール3極管構成だ

「蓄音機を楽しむ会」から寄託された蓄音機もあり、これまた力強い音が聴ける

熊本発の文化的活動も主導

鶴屋百貨店は数年に1度、海外のオーケストラを招聘し県立劇場と共催でコンサートを企画。また「鶴屋トラベルサロン」の企画で、ウィーンフィルのニューイヤーコンサートを鑑賞するツアーを主催したことも。飛行機はビジネスクラス、ホテルは超一流だったこともあり大好評だったという。

ウィーンフィルのニューイヤーコンサートの思い出をディスプレイ

会長の趣味が高じて…かと思いきや、近年縮小されがちなメンズフロアの充実と紳士が紳士らしくあるための憩いの場として造られた、本格仕様に舌を巻いた。そして、熊本の文化芸術活動の促進をそっと担う重要な役割を果たしていたと知り、あたたかい気持ちで熊本を後にした。

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鶴屋音楽サロン

熊本市中央区手取本町6-1鶴屋百貨店 東館3階
営業時間:11時00分 - 17時00分
(鶴屋百貨店は10時00分 - 19時00分)
TEL(直通):096-327-3707
担当:古閑、尾田

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