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公開日 2020/03/06 06:40
【特別企画】調整機能で確実なコンタクトを実現

“圧着テンションの最適化”が秘訣。ゾノトーンの交換用バナナプラグ「LUGB-SLR」レビュー

生形 三郎

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人気オーディオケーブルメーカー、ゾノトーンから、画期的なケーブルアクセサリーが登場した。先端交換用・調整機能付バナナプラグ「LUGB-SLR」である。

これは、同社の先端交換式バナナプラグに取り付けが可能な、プラグ部のテンション調整機能を持った先端パーツである。これを用いることで、バナナプラグ先端部とスピーカーターミナルとの圧着テンションの最適化が可能となる。

先端交換用・調整機能付バナナプラグ「LUGB-SLR」 ¥18,000(税抜)

バナナプラグは、スピーカーケーブルの接続や取り外しが瞬時に行なえる利便性を持つ半面、使用が長くなるにつれコンタクト部分に緩みが出てきてしまうという難点がある。また、ターミナル側の穴のサイズは、ターミナルによって微妙に異なってくる。よって、コンタクトを確実にするため、そして抜き差しが容易というバナナプラグの利点を最大限活かすためにも、コンタクト部分を臨機応変にサイズ調整できるこのプラグは、実に有用なアクセサリーだと言えるだろう。

本製品は、同時発売の先端交換式バナナプラグ「LUGB-8.5ST」「LUGB-10ST」の交換用端子として使用可能なだけでなく、“LUG-5.5シリーズ”の交換用端子としても使用が可能だ。また、同社の純正完成品スピーカーケーブル「7NSP-ShupremeX」や「Grandio SP-1」(両製品ともバナナプラグ装着時のみ)の交換用端子としても使用することができる。

ゾノトーン純正スピーカーケーブル「7NSP-ShupremeX」や「Grandio SP-1」の交換用端子としても使用可能

本体は、それらの同社製プラグと同じく真鍮に高純度ロジウムメッキで構成されており、サイズは外径12.0mm、長さが17.4mmとなっている。

圧着させない状態でも全体的な明瞭度がアップし、シャープな質感に

早速その効果のほどを探ってみよう。今回、試聴用ケーブルには、同社のGrandio SP-1を使用した。このケーブルには、先端交換式バナナプラグ「LUGB-8.5ST」と同じものがあらかじめ取り付けられているため、その先端部分をLUGB-SLRに交換して試聴を実施した。

ゾノトーンのスピーカーケーブル「Grandio SP-1」のバナナプラグ先端を「LUGB-SLR」に変更して試聴を行った

まず、交換前のデフォルト状態では、アキュフェーズ製A級アンプ駆動による滑らかな肌触りを持ったトーンに、Grandio SP-1ならではのリッチな厚みや張り出しを持った楽器の音像定位が組み合わさり、充足感に満ちた聴き心地を味わわせてくれる。高純度なハイブリッド導体を立体的に組み合わせる同社独自構造のDMHCによって高い解像力やS/N感が実現され、生々しい実体感を伴った音楽が展開していくのだ。

そしてこの状態から、プラグの先端をLUGB-SLRに交換する。これは、根元のスクリュー部分を回すと、バナナプラグ内のセンタースピンが移動してバナナプラグの先端が押し拡げられ、圧着テンションが高まりプラグのコンタクトを確実にすることができる。まずはこれを、あえて緩めた状態のままで試聴してみる。

ジャズのピアノトリオでは、ピアノの音色や、ドラムスのアタックやシンバルの刻みなどの輪郭がくっきりと明瞭化した。ボーカルソースは、歌声のディテールがよりはっきりと明瞭に描き出される。オーケストラソースも、演奏ステージがやや明瞭さを増し、空間が広がった。アンサンブルの細部やその重なりもよく見えてくる。

このプラグの持ち味として、全体的な明瞭度が幾分アップし、シャープな質感が得られるようだ。プラグの素材自体は交換前の先端部と同じ真鍮+ロジウムメッキだが、プラグ自体のサイズが大きくなるのと、調整機構を持つ点で構造も異なるので、それらによって音の変化が生まれるのだろう。これだけでも、ひとつのチューンアップ要素と言える程の効果を感じた。

続いてスクリュー部分を回してコンタクト部分へ適度にテンションを掛け、先端部とターミナルとをより確実に圧着してみた。すると、実に大きな違いが現れた。

座っていた状態から浮揚したかのように躍動的に

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