PR 公開日 2026/02/05 06:30

FOCALヘッドホンの今。HiFiスタンダードのHADENYS/AZURYS、ワイヤレス機BATHYS MGを徹底レビュー!

フラグシップ機の技術を惜しみなく投入

ヘッドホンの市場を席巻するフランスブランド

日本でも人気のスピーカーブランドとして定着しているフランスのFOCAL(フォーカル)。コンシューマー向けのスピーカーだけでなく、スタジオモニターやカーオーディオの分野でも存在感を放っているが、近年はヘッドホンの世界でもその名を轟かせている。

特にフラグシップモデル「UTOPIA SG」は60万円台という高価格ながら、リファレンスモデルとして多くのマニアから認められる存在だ。UTOPIA SGの成功によって多くのブランドが高価格帯への製品投入を行っているが、その牙城はまだまだ崩れそうにない。

このUTOPIA SGの前身機である初代「UTOPIA」で得られたノウハウを密閉型に置き換えた“もう一つのフラグシップ”が「STELLIA」であり、オープン型と比べて数が少ない密閉型ハイエンド帯の人気モデルとして存在感を放っている。

オープン型と密閉型、それぞれのフラグシップが積み上げてきた高い技術と練り込まれたサウンドを下位機種へと落とし込み、製品展開を増やしてきたが、そのHi-Fi系スタンダードとして登場したのがオープン型の「HADENYS」(ハデニス)と密閉型の「AZURYS」(アズリス)である。

FOCAL 開放型有線ヘッドホン「HADENYS」(137,500円/税込)

FOCAL 密閉型有線ヘッドホン「AZURYS」(110,000円/税込)

このAZURYSのアコースティックな仕様と近しいBluetoothヘッドホン「BATHYS」もまた近年のフォーカルのヘッドホンの流れを象徴する一台といえよう。フォーカルHi-Fi系唯一のワイヤレスモデルにして、Bluetoothヘッドホン全体の中でもフラグシップ級であり、有線のみならず無線の分野でも最高到達点を目指した意欲的な製品だ。

本年、このBATHYSはドライバーユニットを刷新し、「BATHYS MG」へとグレードアップ。アクティブノイズキャンセル・ワイヤレスモデルとして異例の20万円オーバーというプライスとなり、前身モデル以上に注目を集めた。本稿ではこのフォーカル・ヘッドホンの新たなスタンダード及び、新たなBluetoothモデルに的を絞り、その実力、サウンド性についてレポートをお届けする。

FOCAL ワイヤレスヘッドホン「BATHYS MG」(価格:242,000円/税込)

上位モデル譲りのデザインと技術を採用

まずはスタンダードとなるHADENYS、AZURYSであるが、この2モデルとも、メイド・イン・フランスのこだわりは上位クラス同様受け継いでおり、ヘッドバンドには触り心地の良い本革を外側に設け、内側には優れた透湿性を持つファブリック素材を採用。アーム部にはマグネシウムを取り入れ、軽量さと剛性を両立している。

幾何学的な複数のハニカム通気孔を設けたフォーカルのHiFiヘッドホンからのハウジング意匠も継承し、表面の化粧には堅牢なアルミ材を使用。

イヤーパッドはともにファブリック素材を取り入れるが、様々な頭部形状とサイズに適応するよう、メモリーフォームクッション材を含めて設計された交換可能な仕様となっている。

ファブリック素材を取り入れたイヤーパッド

心臓部であるドライバーユニットはM字形の40mmアルミニウム/マグネシウムドーム振動板を採用。ドームの剛性を高めて歪みを低減させるアルミ素材のメリットに加え、マグネシウムとの合金化により、優れたダンピングも実現した。

ボイスコイルはフレームレス構造の高純度銅仕様として軽量化と優れた電磁特性も獲得している。2モデルとも感度は100dB、インピーダンスは26Ωと、DAPやスマートフォンなど、ポータブル機器に直結して使用できる鳴らしやすい設計としている点も特徴といえよう。

HADENYSは自然への原点回帰をテーマに、約46億年前の地球創生時代“ハデアン”からインスピレーションを得たという、アースカラーであるブラウンを基調としたカラーリングを採用。

一方AZURYSは古代から装飾品や絵の具の顔料として用いられてきた宝石“アズライト”にインスパイアされた淡い藍色をキーカラーに取り入れたという。

カラーリングを合わせた専用のケースも用意される

オープン型か密閉型か、そしてカラーリングの違い以外の仕様面での違いとしては付属ケーブルが挙げられる。いずれも片出し方式で、両端3.5mmステレオミニプラグ仕様だが、オープン型のHADENYSはケーブル長が1.8mとなり、6.3mm変換プラグが同梱。

密閉型のAZURYSはケーブル長が1.2m、変換プラグは同梱せず、ケーブルの途中にリモコン/マイクが設けられた仕様となる。外出時でも音漏れの少ない密閉型の特性をより前面に押し出したもので、スマートフォン直結での活用を前提とした仕様といえるだろう。

伸び良く華やかなAZURYS、空間の広がりを感じるHADENYS

先にこのHADENYSとAZURYSのサウンドについてレビューしていく。試聴にはハイレゾDAP、Astell&Kern「SP3000」を用意し、それぞれを直結して確認。最後に駆動力のあるヘッドホンアンプ、ラックスマン「P-100 CENTENNIAL(以下、P-100)」と繋いでのサウンドも確認してみた。

まずは密閉型のAZURYSだ。密閉型と感じさせないスッキリとした伸び良く華やいだサウンドで、ボーカルは適度な肉付きを持たせつつ、艶良くウェットな輪郭を持って浮き上がる。

オーケストラの管弦楽器はアタックのハリとハーモニーの厚みのバランスが良く、太鼓系の響きも打感をクリアに表現。余韻のコントロールも良く、階調性も細かく爽やかなホールトーンを楽しめた。

DAPには「SP3000」を組み合わせ

ジャズピアノやシンバルの響きは澄み切っており、低域方向のコシ、ハーモニクスの音伸びのナチュラルさも好印象。ホーンセクションは幾分細身である。

ロックのリズム隊はずっしりとした厚みがあり、キックドラムのファットさも十分に感じ取れた。高域方向にエッジが効いたディストーションギターも奥行き良く定位。スネアドラムも硬すぎず、耳当たり良いサウンドである。

P-100との接続ではより音像の輪郭の明瞭さ、アタックのクリアさが際立つ印象だ。リズム隊のアタック/リリースの明確さ、余韻の伸びも高まり、ボーカルや楽器のヌケ感も向上。音源の持つ音数の多さもより明瞭に掴み取ることができた。

ラックスマンの100周年記念ヘッドホンアンプ「P-100 CENTENNIAL」とも組み合わせ

続いてオープン型のHADENYSである。オープン型らしく、AZURYSよりは空間の広がり、余韻のさらなるシームレスな再現性が高まった印象で、キックドラムのアタックの後に続くふわりとしたリリースのニュアンスを克明に引き出す。

響きの豊かさをより実感できるサウンド傾向で、落ち着き良く穏やかなトーンは上位クラスの製品を彷彿とさせる上質さに溢れている。

響きの豊かさをより実感できるHADNEYS。オープン型らしい空間の広がりが魅力

オーケストラは分離良く、定位感も自然で、ローエンドの押し出し感、管弦楽器のキレ味も的確に描き出す。太鼓の厚みとアタックのハリ、金管パートの輝き感も見事で、ハーモニーの響きの豊かさを実感。

ボーカルはしっとりとしたナチュラルで大人びた印象であり、密度良く存在感ある描写としている。ピアノやエレキギター、シンバルの響きも爽やかな表現であり、きつさのないしなやかな音運びで、リリースもヌケ良く描く。

P-100との接続では分離感が高まるとともに、空間の緻密さ、音像の厚みとキレのコントロールの良さが際立っている。音像の重心はより低く安定感が増しており、ボーカルは表情の豊かさ、彫りの深さが高まっているようだ。

低域方向の引き締めも良く、全体的な解像度の高さを実感。よりハイエンドなアンプとの組み合わせでも粗さは見せず、本質の良さが引き立つ印象だ。

密度良くベースの存在感を押し出すワイヤレスモデル

最後にBluetoothモデル、BATHYS MGについて紹介しよう。BATHYSからの大きな進化点はM字型40mmドライバーユニットの振動板素材の刷新である。

BATHYSではAZURYSと同じアルミニウム/マグネシウムの合金だったが、BATHYS MGは型名の通り、上位モデル譲りのマグネシウム振動板を採用。軽量でダンピングが良く、優れたダイナミクスとニュートラルなバランスを両立している。

ハウジングの内側にあるハニカムグリルは、UTOPIA SGと同様、M字形状に沿った成形としており、クリアで精度の高い空間表現、周波数レスポンスを実現しているという。

アクティブノイズキャンセル機能など、基本性能はBATHYSを継承しており、高音質コーデックaptX Adaptive(48kHz/24bitまで)にも対応。3.5mmステレオミニプラグによるアナログ入力に加え、192kHz/24bitまで対応するUSB-DAC機能も受け継いでいる。

Bluetoothとの接続ボタンや、製品のオンオフ・内蔵DACとの切り替えができるスイッチも搭載

本革を用いたヘッドバンドや、メモリーフォームによる快適なフィット感をもたらす合皮製イヤーパッド、マグネシウム製アームなど、装備や意匠はAZURYSやHADENYSとも通じる仕様を共有。Bluetooth+ANC使用時は最大で約30時間駆動でき、15分の急速充電で5時間駆動も可能である。

こちらの試聴はスマートフォンを用い、aptX Adaptiveコーデックで接続。倍音表現が豊かで、広がり良く華やかなサウンド傾向である。音像は密度良くボトムの存在感があり、ベースも厚く押し出す。

スマートフォンとワイヤレス接続して試聴

オーケストラは管弦楽器のエッジをハリ良く描き、シャキシャキとした明瞭なタッチで旋律を表現。ハーモニーは滑らかかつ上品で、密閉型ではあるが、スッキリとした空間性を持たせている。

ヌケ感も自然でまとまりが良く、ボーカルはキレ良くスマートな口元を艶やかに描き出す。解像感と艶ハリのバランスも巧みで、適度な落ち着きと押し出しの良さも併せ持つ、ワイヤレスであることを忘れる上質なサウンドだ。

特にBATHYS MGの本領を垣間見れるのがUSB-DAC接続である。最大の売りであるワイヤレスではなくなってしまうが、USBケーブルでスマートフォンと繋ぎ、ハイレゾ音源を再生すると、Bluetooth接続では味わえないナチュラルで伸び良く潤いに満ちたサウンドを楽しめる。

有線接続ではさらにヘッドホンの利点が伸びる

低域の音伸びも豊かで分離の良さ、音像のキレの良さもあり、弾力良く爽やかな空間が目前に展開。弦楽器の艶やかさ、ボーカルのウェットな艶めかしさは一段と表現が高まり、BATHYS MGの持つポテンシャルの高さを堪能することができた。

フランスブランドならではの艶よく滑らかな質感

上級モデルからのテクノロジーをリーズナブルに再現したAZURYS/HADENYSと、ワイヤレス最上級を狙うBATHYS MG。

有線モデルと無線モデルという違いはあるが、その根底にある音楽の表現力、艶良く滑らかな質感の再現性は、フランスのブランドならではのエスプリに富んだものであり、価格帯を超えたサウンドを味わうことができる。

スタンダードの2モデルはフォーカルのヘッドホンが持つ音色感、表現力を的確に継承しており、初めてフォーカルの製品に触れるリスナーにとって不足のないサウンド体験をもたらすはずだ。

またワイヤレスのBATHYS MGは、有線モデル並みの密度の濃い流麗なサウンド性が特長であり、数多あるBluetoothヘッドホンでは満足できない方にこそ触れてほしい一台である。

「BATHYS MG」、外出先でも良質な音楽と共に過ごしたい 

(提供:ラックスマン)

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