• ブランド
    特設サイト
公開日 2017/09/22 20:31

モニターオーディオ「新Silverシリーズ」を聴く ー 旗艦機のDNA継承で進化したミドル級スピーカー

【特別企画】ステレオ/マルチchの音質をチェック
大橋伸太郎
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
モニターオーディオは、同社の中核となるスピーカーシリーズ「Silver」を4年ぶりに刷新。第6世代となる新Silverシリーズをこの秋から発売した。今回は大橋伸太郎氏が、Silverシリーズをステレオ/マルチchの両方でチェック。進化の度合いをチェックした。

モニターオーディオの新Silverシリーズ(Silver 6th Generation)

モニターオーディオの中核ライン「Silver」の第6世代モデルが登場

英国Monitor Audio(モニターオーディオ)のSilverシリーズが全面刷新され、9月1日から発売された。Silverシリーズは同ブランドのミドルクラスに位置付けられるが、モニターオーディオのスピーカーの中では日本国内で最も数が売れているモデルでもある。

新しいSilverシリーズに注目すべき理由は、人気モデルの全面刷新というだけではない。同社は昨年、フラグシップモデル「Platinum」を9年ぶりに刷新して「Platinum II」を発売した。今回のSilverは新フラグシップ登場後では初のレギュラーライン刷新であり、Platinum IIの開発で得た技術リソースが、この新Silverに多数投入されたのである。

2006年に最初のPlatinumが誕生し、その後に上級ライン「Gold」をはじめ同社のレギュラーラインの音質が躍進したのはご承知の通り。このような旗艦モデルからの技術継承によるレギュラーラインの飛躍的な進化が、新Silverで再現されることに期待が高まるのも当然といえよう。

フロア型モデルの最大サイズとなる「Silver 500」(価格は400,000円、ハイグロスブラックのみ430,000円/ペア・税抜)

今回のリジェネレーションでSilverはフロアスタンディング型3機種、ブックシェルフ型2機種、ダイポール型1機種、センタースピーカー2機種、サブウーファー1機種の全9機種展開となった(モデル一覧と価格)。これはモニターオーディオの全ライン中で最大の陣容だ。さらには、新Silverで最も小型のブックシェルフ型「Silver 50」はRadiusシリーズを除けば同社製品中で最小であり、最も大型の「Silver 500」はPlatinum IIをのぞけば最大サイズとシリーズ展開の幅も広い。このあたりからも、新Silverが名実ともに現在のモニターオーディオを体現していると言えるだろう。

最新フラグシップ「Platinumu II」から技術要素を継承しつつ、全面刷新を実現

Platinumu IIから継承された技術要素中心に、第6世代Silverに加えられた主な変更点を見て行こう。サブウーファーを除く全機種に共通する25mm Gold C-CAMトゥイーターは、従来ではフェライトだったマグネットをネオジウムに変更。薄型プレートのマグネットを採用することで、磁界を強力にすると同時に高域ユニット全体を小型化してミッドレンジとの近接設置を可能にした。また、トゥイーターを覆うアルミのパンチングメタルには凹凸が設けられているが、この工夫を凝らした形状がウェーブガイドの役割をして音の放射特性を最適化するのだという。

25mm Gold C-CAMトゥイーターはマグネットを改良。トゥイーターを覆うパンチングメタルのデザインも刷新された

ウーファーは、Platinumu IIのDCF(ダイナミック・カップリング・フィルター)をレギュラーラインに採用したのが目新しい。近年のスピーカーはウーファー・ユニットに強度が高くて軽い振動板を用いて、ロングストロークで高速モーションさせることでローエンドを伸ばしてきた。しかし、早く動くのはいいが止めることに難があった。Platinumu IIではそこに着眼してDCFを開発。これはバネのように動くナイロンリングで、ストロークを適度にブレーキする役割を果たす。また、DCFはボイスコイルに直結していてボイスコイルを冷却する役目も担う。

ミッド/ウーファーには「C-CAM RSTドライバー」を搭載。写真はSilver 100のミッド/ウーファー

PL100の背面部。後述するHiveポートが確認できる。スピーカー端子は全機種がバイワイヤリング対応となる

ミッドレンジには、やはりPlatinumu IIの「アンダーハング・ボイスコイル」がレギュラーラインとして初投入された。ボイスコイルがマグネットのギャップ内で常に動作することで高速かつ効率的に動作する。非常にコストがかかるため、新Silverではミッドレンジに限定して採用された。

Platinumu IIからの移植された部分は主にDCFとアンダーハングの2つだが、新Silverでは基本的にユニット、ネットワーク、エンクロージャーの全が新設計された。

「Silver 200」の内部イメージ。ミッド/ウーファーは、エンクロージャー後方から伸びた1本のテンションロッドで支持されている

モニターオーディオのスピーカーシステムの特徴の1つに、各ユニットをエンクロージャー後方から伸びた1本のテンションロッドで支持することが挙げられる。多くのスピーカーは前面バッフルにフレームをボルトで固定しているが、同社技術陣の見解では、この方法は均一なトルクで固定することが難しく、長年の動作で固定がさらに不均一になってしまう。テンションロッドの場合は、均一の圧力でバッフルに密着させることができ、ムラのない正確な動作が生まれる。

加えて、最近は磁気回路が強大になりそれを支えるバスケットもまたアルミダイカストの採用等で重くなっているので、全体を小径のビスで前面バッフルに止めれば特定の固定個所に大きなテンションがかかり、そのストレスが音質に悪影響を生む。テンションロッドで後方へ引っ張る方式ならば、均等の支持力がかかってテンションの歪みを回避することが可能になるという。

次ページ独自のアプローチで小型化したラインナップを追加

1 2 3 4 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 女子プロゴルフ「パナソニックオープンレディースゴルフトーナメント」、4/26からの放送・配信予定
2 売価アップも品薄も問題にしないアキュフェーズの強さに感服 <販売店の声・売れ筋ランキング3月>
3 ソナスの新製品スピーカー「Lumina II Amator」が鋭い立ち上がり <ハイファイオーディオ売れ筋ランキング3月>
4 Prime Video、『ゴジラ-1.0』ほかゴジラ邦画実写全30作品や、Prime独占EP配信の『岸辺露伴は動かない』第4期など5月配信
5 ゲオ、43V型で4万円を切る狭額縁デザインの4K液晶テレビ
6 Anker、最大半額セールを楽天で実施中。完全ワイヤレスイヤホンは割引でさらにポイントアップも
7 『鬼滅テレビ -柱稽古編放送直前SP-』5/4 13時25分から無料配信。公開生放送の観覧受付開始
8 KEF、「LS60 Wireless」など一部スピーカー製品を値下げ。4月25日より
9 スカパー!、スティック型ストリーミング端末「スカパー!+(プラス)ネットスティック」を新開発
10 Netflixで「ご利用世帯の登録」画面が表示された場合の対処法は?
4/26 10:36 更新
MAGAZINE
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー192号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.192
オーディオアクセサリー大全2024~2025
別冊・ケーブル大全
別冊・オーディオアクセサリー大全
最新号
2024~2025
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.21 2023 WINTER
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.21
プレミアムヘッドホンガイド Vol.31 2024 SPRING
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.31(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2024年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年冬版(電子版)
DGPイメージングアワード2023受賞製品お買い物ガイド(2023年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2023年冬版(電子版)
音元出版の雑誌 電子版 読み放題サービス
「マガジンプレミアム」お試し無料!

雑誌販売に関するお問合せ

WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX