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公開日 2011/12/20 11:49

あなたはどのタイプ? ケーススタディで見る“音のDAIKEN”が誇る防音/調音アイテムの実力

実例で学ぶ防音/調音ノウハウ
ファイル・ウェブ編集部
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音に対する研究を長年積み重ねてきた“音のDAIKEN”と、評論家の大橋伸太郎氏がタッグを組んで読者諸氏の防音/調音に対する悩みを解決する「防音/調音クリニック」。これまでは賃貸マンション、分譲マンション、一軒家と3パターンでのクリニックを実施してきた。今回はこれまでを振り返り、読者諸氏が持つ防音/調音に対する悩みがどのパターンに当てはまり、どのように解決できるのかを紹介しよう。

【ケース1】賃貸マンションでも設置可能な防音/調音アイテムで対策


これまでに訪問したのは、賃貸マンションのリビングルームでオーディオとホームシアターを楽しんでいるという守屋さん、分譲マンションでリビングシアターを楽しみ自分でも独自に防音対策を行っていた佐藤さん、そして自宅のリフォームを機にDAIKEN製品を使用した専用室を作ったNさんという3名のお宅。防音/調音対策を施す上でのタイプ別に見ると下記のような関係になる。


この中でまず最初に訪れたのは、賃貸マンションでのリビングシアターを展開している守屋さん宅。「賃貸のため工事が伴うような大がかりな対策は不可能」というケースで、防音(遮音/調音)については「漠然とした悩みを抱えているが何をどう改善すればいいのか検討がつかない」という状態だった。

守屋さん宅の機器配置。7.1ch環境でホームシアターを楽しんでいる

音漏れを少なくするには、重い建材を取り付ける必要があるためどうしても工事を伴ってしまう。賃貸マンションでは本格的な施工は行えないため、遮音することは困難と言える(ただし、マンションの遮音性能は一般的にD-40(※遮音等級の値。数値が大きいほど遮音性能が高い)ほどあるため、80dB(A)くらいのそれなりの音量で楽しむことは可能)。そこで、守屋邸においても遮音ではなく調音について検討し、対策することになった。

DAIKENの残響測定によると、対策前の守屋さん宅は「全体的にライブであり、特に低音域が長すぎる傾向。高音域もライブ」という状況。サラウンドシステムを楽しむために少し全体的にデッド気味に振るという方向性で対策を行った。

部屋の容量と用途による最適残響時間の関係

■測定結果データ
測定周波数(Hz)631252505001000200040008000
カーテンが在る(閉めた)場合1.671.050.470.400.480.530.530.48
カーテンがない(開けた)場合1.370.940.440.440.500.550.550.50
 (低音域)(中音域)(高音域)


この方向性に基づき使用したのが、ビス留めや接着が不要な音調吸音材「オトピタ01」と、自立式の調音ツール「アコースティックツリー」。加えて、スピーカー前には元々はペット用であるが優れた吸音性能も有する「ワンパークマット」を敷くという対策も実施。

「オトピタ01」(左)と「アコースティックツリー」(右)

「ワンパークマット」。設置にあたっては粘着テープなどを使用しないため、床面も傷つけず、貼り直しや撤去も簡単に行える

「オトピタ01」は、同梱されている型紙で位置を調整してから取付けのベースとなるフックをピンで取り付け、そのフックに本体であるパネルをはめ込むという製品。フックを設置するためのピンが小さいため、守屋さんのような賃貸マンションの部屋であっても気兼ねなく設置できる点も大きな利点だ。

スピーカー対向面の壁へ「オトピタ01」を4枚設置

「オトピタ01」の設置風景。製品には位置決めがしやすいよう型紙が同梱されている。土台となるフックの取り付け位置に穴が空いているため「設置したら傾いていた」などといったトラブルも回避できる

また、「アコースティックツリー」も土台に吸音材部分を差し込むだけと、非常に簡単な設置方法を採用。「ワンパークマット」も、設置にあたっては粘着テープなどを使用しないにも関わらず床に吸着する製品であるため床面も傷つけず、貼り直しや撤去も簡単に行える。両製品とも、オトピタ01同様に賃貸マンションでも利用しやすい点もユーザーにとって大きなポイントと言えるだろう。

DAIKENが実施した音場調整策
中高音域の改善床からの一次反射低減のためスピーカー前に「ワンパークマット」を設置
フラッターエコー対策スピーカー背面と対向面の壁に「オトピタ01」を設置
低音域の改善「アコースティクツリー」を設置してコーナー部のこもりを抑えることにより、聴感上の低音の歯切れ良さを向上
ブーミング対策視聴位置近く背後に「アコースティクツリー」を設置


製品の配置図。オトピタ01を6枚、アコースティックツリーを2本、ワンパークマットを12枚使用した

もちろん設置の簡易さだけでなく、これら製品は調音に対して大きな効果を発揮。残響測定の数値も、ややライブであった低音域と高音域が吸音され、フラットになり、DAIKENも「特に、低音域はブーミングによる音響障害によって残響時間が長くなっていましたが、この障害が大きく改善されています」とコメント。「今回の施工によって全体的に音響バランスが整い、音楽や音声がよりリアルに再現できるようになったということが、測定結果からも評価できます」と言葉を続けた。

■測定結果データ
測定周波数(Hz)631252505001000200040008000
クリニック後0.910.630.410.370.400.410.390.35
カーテンが在る(閉めた)場合1.671.050.470.400.480.530.530.48
カーテンがない(開けた)場合1.370.940.440.440.500.550.550.50
 (低音域)(中音域)(高音域)


太い黒線部分が製品設置後の測定結果。設置前よりも全体的にデッド気味へと改善されている

■1/3オクターブバンド周波数分析での残響時間測定結果の一部
 63801001251602002503154005006308001k1.25k1.6k2k
クリニック前0.730.891.120.490.450.610.410.410.430.380.410.460.550.480.470.49
クリニック後0.860.960.650.490.390.310.320.350.290.310.290.420.360.330.340.34
100Hzや200Hzなどでの残響時間が大きく改善された


各種製品設置後の音場については、大橋氏も「響きが大きく改善され、音が立体的になりました」と評価。「ベース音階は各音の音量がフラットになり、演奏に前後の立体感と楽器の実在感が生まれました」と言葉を続け、DAIKEN製品による音場改善効果を高く評価した。

製品設置後の様子

この取材を振り返り、大建工業(株)建築音響部サウンドセンターの井上氏は「賃貸なので大規模な工事ができないなどの物理的な制約があり難しい面もありましたが、自分では特に何も対策されていない方ということで劇的に変わるという効果は期待しやすかったですね」とコメント。「吸音材を少し使えばかなり効果があると判断し、実際にその通りになった取材でした」と語る。

今回はカーペットである「ワンパークマット」を使用したが、例えば畳調が良いなら表面材にナチュラル感のある紙織物を使用しラグのような立体感を持たせるなどした床材「ラグリフロアー」など、意匠性の高い様々な製品も調音のために活用できると紹介。

ラグリフロアー。ベージュ/ブラウン/ダークの3色をラインナップしている

ナチュラル感のある紙織物を使用しラグのような立体感を持たせている

そして「『賃貸だから何もできない』のではないのです。もちろん問題を全て解決できるわけではありませんが、物理的な制約があっても色々できることがあるというところを見せられたのではないでしょうか」とコメントした。

ラグリフロアーの使用イメージ。本製品のようにデザイン性に配慮したものでも防音/調音に活用可能

次ページ独自に対策するも悩みがやまないユーザーにも対処

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