公開日 2017/06/07 17:54

J:COM、4K・8K実用放送対応STBを発売へ。「J:COM Everywhere」でさらなる成長目指す

2017年度事業説明会を開催
編集部:小野佳希
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ジュピターテレコム(J:COM)は、2017年度の事業説明会を開催。2018年12月に開始予定の4K・8K実用放送およびHDRに対応する第3世代STBを開発中であることなど、今後の取り組みについて説明した。

会見には牧俊夫会長(左)と井村公彦社長(右)が出席。井村社長がプレゼンテーションを行った

今年4月にジュピターテレコム取締役社長に就いている井村公彦(ひろひこ)氏は、コミュニティチャンネルによる地域密着情報の発信、電力や買い物(eコマース)など、ユーザーの様々な生活に同社のサービスが寄り添う「J:COM Everywhere」という考え方を披露。ケーブルテレビ(CATV)事業だけでなく、配信や映画などのメディア事業も含めて、あらゆるシーンで必要とされる会社になっていくという理念を掲げた。

J:COM 井村氏。住友商事の取締役専務執行役員も兼務している関係で現在は代表権のない取締役社長だが住友商事での役職は6月末で退任する予定


あらゆる場面でユーザーに寄り添うサービスを提供する考えを披露

その上で昨年2016年度は「J:COM電力」での電力事業への参入、MVNO事業「J:COM MOBILE」での様々な施策などといったサービス強化や、コミュニティチャンネルでのオリンピック初放送、ジュピターショップチャンネルおよび大分ケーブルテレコムの連結子会社化などを展開。その結果、営業収益6,893億円(前年比33.0%増)、営業利益1,156億円(同22.5%増)、純利益699億円(同21.6%増)と、増収増益を達成した。

2016年度は増収増益を達成

各サービスの加入件数も順調に伸びている

これを受けて2017年度は、「足元の成長を固めつつ、グループの総合力を活かし、さらなる成長基盤を確立する」と宣言。

・モバイル、電力を加えた5サービス推進体制(※他3サービスはテレビ/ネット/固定電話)
・メディア視点での地域連携強化
・4Kの取り組み加速
・コンテンツバリューチェーンの強化
・中長期視点に立った人材育成/活用

…の5つの点を重点的に取り組んでいくという。

AVファンにとって特に関心が高い4Kへの取り組みについては、前述のように4K・8K実用放送(高度BS放送)およびHDRに対応する第3世代STBを開発していることをアナウンス。4K・8K実用放送が開始される2017年12月に発売を間に合わせたいという。

機能を強化した第3世代STBを開発中

具体的な仕様はまだ公表できる段階にはないが、放送とVODの横断検索や音声検索への対応など、4KやHDR対応のほかの面でも機能強化を図る予定。ユーザーごとの視聴履歴に基づいたレコメンド機能の搭載、外部動画配信サービスとの連携なども行うほか、「例えばリモコンにショップチャンネル専用ボタンを設けてそちらとのシナジー効果を高めるなどといったことも考えられるだろう」とした。

なおJ:COMでは4K試験放送の再配信を2016年3月から行っているが、こちらは現在約5,000世帯ほどが加入しているとのこと。「コンテンツが少ないという点はあるが、実際にご利用いただいたお客様からの評価は高い」という。

また、4Kコンテンツについては「グループにJ SPORTSを持っており、スポーツは4Kと相性がよいと思っている。将来的にはこうした面での4K化も検討していければ」とのことだった。

アスミック・エースやJ SPORTSなどグループのリソースを最大限に活用して事業を強化

そのほか、STBのセットアップなどでユーザー宅へ直接訪問する体制が整っている点が同社の強みと説明。社内大学を設立して、そうした際にユーザーごとに最適なサービスを提案・提供できる人材育成を行うなどで今後の会社の成長を図っていくとした。

ユーザーとのタッチポイントを幅広く持っていることが強みだと説明

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