公開日 2022/03/18 15:44

クラシックの国際的音楽祭「東京・春・音楽祭」が今年も開幕。ネットを通じ世界中の人と一緒に感動できる音楽祭を

長期的にライブ・ストリーミングを続けていくための方法を模索
ファイルウェブオーディ編集部・筑井真奈
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毎年春に東京・上野で開催されるクラシック音楽の祭典「東京・春・音楽祭」が今年も本日3月18日より開幕する。新型コロナウイルスの世界的な蔓延が広がる中で、2020年/21年は規模を縮小しながら継続してきたが、2022年はようやくフェスティバルらしい規模を維持した状態で開幕に漕ぎ着けることができた。今年で18回目の開催となる。

開幕に先立ち開催された記者会見で、東京・春・音楽祭の実行委員長であるIIJの鈴木幸一氏は、「18年も続けてやっていると、東日本大震災や新型コロナウイルスの蔓延、ウクライナの問題などさまざまな事件が起こりますが、人間が生きていることによって生まれる喜びや悲しみ、それを伝える音楽が、豊かな記憶として思い出になるような音楽祭を頑張っていきたい」と開催にかける意気込みをコメント。

東京・春・音楽祭実行委員長の鈴木幸一氏

事務局長の芦田尚子氏は、「コロナによる隔離期間がゼロになったことによって、海外アーティストの来日のハードルは大きく下がったが、一方でウクライナ情勢の影響でフライトの運休が相次いでおり、確実に来られるかどうかが直前まで分からない」と、気が抜けない状況が続いていると語る。しかし、アーティストサイドも日本に来ることを楽しみにしており、「平和とは何か」ということを音楽なりの形で表現できるのではないかと音楽祭の役割を強調する。

事務局長の芦田尚子氏

また、昨年も実施されたオンライン配信は、今年はさらに本格化し、全70公演をすべて有料でライブ・ストリーミングを実現する。またチケット代も1公演につき税込1,100円程度と大きく下げ、多くの音楽ファンに手軽に楽しんでもらうための試みをさらに強化している。

チケット代を下げるかわりに、配信システムを簡略化しながらも視聴者に満足のいく体験ということで、「画面の拡大」機能を新規に開発。昨年は複数台のカメラを用意し、ディレクターがスイッチングをしながら配信する形で行っていたが、今年は4Kクオリティのカメラ1台をステージ正面に据え置きで設置。スイッチングはない代わりに、視聴者は自分の見たいところ、たとえばホルンやコントラバスといった楽器奏者のところをクリックすることで、その画面が拡大して見られるようになる。

配信にかかるコストを下げることで、長期的にライブ・ストリーミングを続けていくための方法を模索していると言う。ただし、音質については、昨年の好評を受け、昨年と同等レベルの音質を実現。カメラの台数を減らしてうまく運用できるやり方を考えているという。

鈴木氏は、「クラシック音楽の配信で利益が出ることはあり得ない」と前置きしつつ、「音楽祭が世界に配信されることで、音楽祭そのものの性格も変わっていくかもしれない」と期待を寄せる。「世界中の人に一緒に感動していただけるような音楽祭にしたい」と抱負を語っていた。

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