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公開日 2018/04/03 11:05
<連載:折原一也の“いまシュン!”ビジュアルプロダクト>

ありそうでなかった “地震に強いテレビスタンド” 。試したら安心感がケタ違い

折原一也
国内メーカー製薄型テレビ2018年モデルとして先陣を切る形となったのが、パナソニック“VIERA”「FX750/600シリーズ」。同社ラインナップにおいてFX750はミドルハイクラス、FX600はパナソニックとしてのエントリー機となる。両者のうち、FX750が打ち出したユニークな機能が地震に強く倒れにくい“転倒防止スタンド”の搭載だ。

取材時の様子

VIERA FX750シリーズ

転倒防止スタンドは背面に吸盤のような機構を搭載し、スタンドの「吸着操作スイッチ」をパチンと操作すると、真空に近い状態をつくるというもの。テレビラックに吸盤が接着面に吸いついて、転倒しないようにする仕組みだ。

スタンドの“スイッチ”を押すと裏面の吸盤が真空状態をつくってテレビラックとの密着度を増す仕組み


地震大国日本に住む我々だけに、高価な薄型テレビが地震の際に倒れないかは、誰しも心配すること。だが、スタンドに取り付けられたこれだけの機構で、本当に効くのだろうか? 49型の「TH-43FX750」を設置して、地震のかわりに僕がグラグラと揺らしてみた。

まずは転倒防止機能を働かせない状態でテレビ台に乗せて恐る恐る揺らしてみると……ほんの少し揺らしただけでスタンドが浮く(落ちはしないがテレビ台の上での位置はこの時点でズレる)。そこからさらに少しだけ揺れを強めると、テレビラックから離れて相当ガクガクし始め、もういつ倒れるか心配で実験どころではない。

次に転倒防止機能を働かせると、まず弱めの揺れの時点でも振動への対応力はケタ違い。吸着のおかげで機体が浮き上がらず、斜めになったテレビラックに吸着する。さすがに揺れを強めるとピタリと吸着とまではいかず、それなりにスタンドは浮き上がるが、安心感がワンランクアップすることは間違いない。



画質面では、IPSパネルに高画質処理技術「ヘキサクロマドライブ」最新版を搭載。バックライトエリア制御と、信号処理によってコントラスト処理を行い明暗の表現力を高めるエリアコントラスト制御を組み合わせた「Wエリア制御」も搭載している。加えて、パナソニックの4Kアップコンバートエンジン「4Kファインリマスターエンジン」も利用可能だ。

まずは地デジ番組で画質をチェック。『ミヤネ屋』を見てみると、バランス良くできた画質といった印象だ。映像モード「スタンダード」が意外にも色温度低めの落ち着いたナチュラル系で、ほどよく画面全体のバランスを整えている。

「リビング」モードは輝度を一段落とし色温度は高めで、画面全体のフォーカス感も一段高まる。テロップ周りなどに発生するモスキートノイズの低減(画面切り替わりから数ミリ秒単位で遅れてノイズが除去されるので働きがよく分かる)もしっかり働き、見た目にも十分キレイだ。

UltraHD Blu-rayの映画の試聴は、明るい照明下で『ラ・ラ・ランド』を映像モード「シネマ」で視聴。映画的な鮮やかさと輝度のバランスも出せている。

『ダンケルク』冒頭の高精細映像もリアルだ。輸送船の沈むチャプター4後半の輸送船沈没シーンも、HDRらしい表現を発揮する。部屋を暗くして「シネマプロ」モードでの視聴においては、黒の沈みもある程度は確保し、ピークとのコントラストを巧みに表現することを確認できた。音質についてても特に声の帯域のクリアネスに優れ、聞き取りやすい。

さすがに有機EL機「EZ1000」や「EZ950」といったトップエンドモデルほどの超高画質とは言えないが、FX750は画質もなかなか良く、音質も文句なしと、順当に点を取る優等生タイプといったところだろうか。

“転倒防止スタンド”の地震対策もたしかに効果が実感できるものだし、トータルの安心を買うモデルとして、万人にオススメできる製品だと言える。

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