トップページへ戻る

レビュー

HOME > レビュー > レビュー記事一覧

公開日 2017/03/22 09:00
海上忍のラズパイ・オーディオ通信(26)

ラズパイオーディオ、ワンボードオーディオ・コンソーシアムは「ソフトウェア」をどう定義する?

海上 忍

前のページ 1 2 次のページ

前回(関連記事)、書きたくても書けなかった点が「ソフトウェア」についてです。LinuxはARMアーキテクチャをサポートしており、動作実績も豊富にありますから、基礎部分はそれを利用するにしても、ユーザが触れるフロントエンドとそこに近い部分(再生/デコード関連)は検討していかねばなりません。

具体的な内容について言及する前に、ここでいう「Linux」について整理しておきましょう。狭義のLinuxはカーネル(プロセスやメモリ領域の管理などを行うOSの中核に位置するプログラム)ですが、実際にはハードウェアを制御する「(デバイス)ドライバ」、汎用的な機能を集めて不特定のプログラムから再利用可能にした「ライブラリ」など、多くのプログラムが寄せ集められて「オペレーションシステム(OS)」が構成されます。

Raspberry Piなど、ワンボードコンピュータでLinuxを使用するという時には、そのようなOSとしての体裁が整った状態を言います。つまり、「カーネル+ドライバ+ライブラリ+α」が現実的な姿のLinuxであり、それを強調するために「Linux OS」や「Linuxディストリビューション」といった表現を用います。


Moode Audio 3.1に収録の「MPD」が対応するコーデックを表示したところ。DRMのない楽曲ならばほぼすべて再生できます
オーディオ用途として見た場合、Linux OSにはサウンドデバイスを駆動させるための基本プログラム(サウンドライブラリ)と、その機能を使い曲の再生/デコードを行うプログラムが最低限必要です。前者についていえば、Linux OSには「ALSA(Advanced Linux Sound Architecture)」というサウンドライブラリがあり、20年近い開発歴のなかで高い安定性を獲得しています。後者についても、多くのオープンソースソフトウェアがありますから、残るは「品質」の問題ともいえそうです。

品質についても、過剰な心配は無用です。身の回りのAV機器をチェックしてください。薄型テレビ、ビデオレコーダ、ネットワークプレイヤーなど…スマートフォンのハイレゾ再生ソフトでもかまいません。設定画面かどこかにひっそりと情報欄があり、そのAV機器が対応していればの話ですが、FLACやOgg Vorbisといった(オープンソースの)コーデックを使用している旨の記載があるはずです。LinuxやBSDなどカーネルは異なるにしても、ファイル再生/デコードを行うオープンソースソフトウェアは共通で、すでに市販製品で盛んに活用されています。

ハイレゾ再生アプリの設定画面を隅々まで調べると、オープンソースのコーデックを使用している旨の記載を発見できるはずです

言い換えれば、Linuxやその上で動作するオープンソースソフトウェアの活用はAV機器においてもはや日常風景、Raspberry Piなどワンボードコンピュータではそれが起動ディスク(microSDカード)という目につきやすいところ/ユーザの手の届く部分にあるに過ぎません。

さて、もう少し具体的な話に入りましょう。コンソーシアムで何を決めるかですが、一つは「どのLinux OS(ディストリビューション)で動くか」という動作保証についてです。

コンソーシアムで定義する基本的なソフトウェア要件とは

前のページ 1 2 次のページ

関連リンク

新着クローズアップ

クローズアップ

アクセスランキング RANKING
1 伝統と革新の融合、デノン最新のアナログプレーヤー「DP-500BT」レビュー。優秀な内蔵フォノEQにも注目
2 ADONN、DSPコントローラー機能搭載の車載USBプレーヤー「DSD-Z100」
3 レグザ、重低音立体音響システムを搭載したスタンダード4K Mini LED液晶テレビ「E770S」
4 まさに「これが、次の色。」!RGB MiniLEDテレビの先駆者、ハイセンス「RGB UXS」の画質真価に迫る
5 <HIGH END>ラックスマン100周年記念パワーアンプ「B-100 CENNTENIAL」披露&サエクのロングアームに注目
6 水月雨、S.M.S.LとコラボしたDAC内蔵ヘッドホンアンプ「DHA15」。平面磁界ヘッドホンも駆動するパワフル設計
7 ARCAM、回路刷新でノイズ低減、音質を高めたプリメインアンプ「A15+/A5+」
8 W杯、日本代表の次戦チュニジア戦は6/21日曜13時。日テレ・NHK BS・DAZNで生中継
9 『季刊・オーディオアクセサリー 201号』発売中!注目の新製品の魅力を掘り下げて紹介
10 <HIGH END>オーディオノート、ユニットから自社設計したブックシェルフスピーカー「菫」を初披露!
6/17 10:21 更新

WEB