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公開日 2025/04/19 20:29
トゥルーダイヤモンド振動板を搭載

final新フラグシップイヤホン「A10000」。ひと足さきに聴いたら本気で語彙力がなくなった

編集部:杉山康介

finalは、新フラグシップイヤホン「A10000」のメディア向け試聴体験会を本日4月19日に実施した。詳細については後日改めてアナウンスするとのことだが、それに先駆けて実機の簡単な試聴レビューをお届けしたい。



ダイヤモンド振動板搭載。試聴したら「良い音」しか言えなくなった


finalは2019年にフラグシップイヤホンとして「A8000」をリリースしていたが、2024年に販売を終了。A10000は、それに次ぐフラグシップ機としてティザーを公開していたモデルだ。


最大の特徴が、物性に最も優れるというダイヤモンド素材で構成された「トゥルーダイヤモンド振動板」を搭載すること。これと特殊発泡シリコンエッジ、ボビンコイルなどを組み合わせ、歪みを最小限に抑えたクリアで高精細なサウンドを実現したという。



右からダイヤモンド振動板の単品、エッジを装着したもの、ボイスコイルを装着したもの


筐体には高級腕時計などで用いられる精密切削加工「コート・ド・ジュネーブ」を実施。筐体自身や振動板の取り付けにネジを使い、修理対応できるようにしたほか、不要な共振も効果的に抑制したとのこと。


聴いてみて真っ先に感じたのが、どこまでも深いローエンドの伸びと低域のボリューム感。とはいってもいわゆる"重低音サウンド”というわけではない。現代ダンスミュージックを再生すれば腹に響くようなディープベースをしっかりと鳴らしてくれるし、反対に低域がタイトなJ-POPを聴くと鮮やかで多彩な上物を楽しませてくれる。あくまで「音源に入っているのであればどんな音でも鳴らしてあげますよ」というスタンスのようだが、その「どんな音でも」のレベルが並外れている。


また、「ダイヤモンド振動板」と聞くと硬質で中高音の鋭いサウンドになりそうなイメージもあるが、決して耳に刺さるようなことはない。誤解を恐れずに言うと、帯域バランスやサウンドキャラクターはとても“普通”だ。しかし、その“普通”が極限まで研ぎ澄まされており、ただただ「良い音」としか言いようがない。


例えるなら「熟練した空手の達人の正拳突き」とでも言おうか。長年の研鑽によって研ぎ澄まされた、基本に忠実な、ひたすらにオーセンティックな「良い音」が追求されている。メディアが発信する文章としてどうなのかとも思うが、なにか印象的なことを言おうとしても、ことごとく蛇足になってしまうのだ。


それゆえ、機材による音質の違いであったり、音源のミックスによる違いがとても分かりやすい。しかしここで言っておきたいのが、高級な機材や高音質録音盤でないと真価を発揮できないわけではなく、どんな機材、音源であっても、その良さを引き出して楽しませてくれる、ということ。


記者がこの1年で最も聴いた楽曲だと思われる月村手毬「Luna Say Maybe」は、おそらくバンドのグルーヴを重視しているのであろう、ミッドレンジに音が集中しており、各楽器の分解感はあまりない曲だ。しかしA10000で聴くと製作陣が重視した(と思われる)ロックサウンドの“熱”が強く感じられる。なおかつ今まで集中して聴き取っていたようなギターの単音も難なく描写したりと、1年経った今になって新たな視聴体験ができたことに感動してしまった。


本機を導入したら、きっと手持ちのアンプを取っ替え引っ替えしたり、いろんな音源を改めて聴いてみたくなるだろう。A10000はちょうど1週間後に開催される「春のヘッドフォン祭2025」でも出店される予定なので、ポータブルオーディオファンの方は是非とも1度体感してみてほしい。きっと「良い音としか言えない」気持ちを分かってくれることと思う。

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