<香港ショウ>アキュフェーズやラックスマン、日本ブランドに熱い視線。アンプの出展を中心にピックアップ!
2026年8月7日〜9日の3日間、香港にてアジア最大級のオーディオ見本市である「香港高級視聴展」(香港ハイエンドオーディオ&ビジュアルショウ2026)が開催された。不肖は昨年7月、上海のオーディオショウに取材に赴いたが、香港への取材は今回が初となる。
香港オーディオショウの概要と合わせて、特に注目のブースや日本メーカーの動向を中心にレポートしよう。
日本とは大きく規模の異なるオーディオイベント
まず、イベントの概要について簡単に紹介しよう。会場となる「香港会議展覧中心」(Hong Kong Convention and Exhibition Centre)は、香港島北部、湾仔(ワンチャイ)地区に位置する超高層ビル及びコンベンション・センター、ホテル、住宅などを併せた複合施設。小部屋を設けたパシフィコ横浜のような施設と想像して頂ければよいだろう。
展示エリアは約21万6000平方フィートに上り、そこに130社以上の企業が出展。3日間で3万1000人以上の来場者を迎えている。
日本のオーディオイベントと異なる点は、入場料が必要であるという点だ。金額は、特典のハイブリッドSACD付きで100香港ドル、日本円にして2000円程度。チケットを購入すると、腕にその日のみ有効のリストバンドが渡される。そう、3日間の通し券ではないのだ。通期パスでなく、また有料にも関わらず3万人以上が来場するところに、当イベントの凄みを覚えた。
イベントでは、据え置き型のオーディオコンポーネントのみならず、ヘッドホンをはじめとするポータブル機も展示。オーディオビジュアルショウと謳っているが、ホームシアター系の展示はほとんど見かけなかった。その場で試聴ができるのはもちろんのこと、一部商品は実際に購入も可能だ。「日本のHiFiオーディオショウも、ヘッドホン系の展示もすればよいのに」と思ったのは言うまでもない。
いっぽう据え置き型のエリアに足を向けると、東京国際フォーラムよりも広い部屋に大型モデルが幾つも展示されている。1億円や2億円というモデルも多数展示されており、日本に比べ4倍以上の高い経済成長率(実質GDP)を誇る地域であることを感じさせる。
また、Bowers & Wilkinsの「800 D5シリーズ」のアジア初披露も行われ、「801 D5」から「805 D5」まで全機種が登場。マランツのフラグシップ“10シリーズ”と合わせて、デモンストレーションが行われた。部屋には立錐の余地がないほどに人が詰めかけ、その新鮮なサウンドに聴き惚れていた。
ちなみにハーマンインターナショナルグループの展示は見かけず、JBLの「K2」「Everest」といったSummitシリーズは展開されていなかった。
客層は男性が中心だが、ヘッドホンも展示されているということもあってか、年齢層はかなり幅広い。どこか20〜30年前の日本のオーディオイベントに似た熱量を感じさせた。
アキュフェーズ、ラックスマン、TADはアジアでも高評価
国産ブランドの雄、アキュフェーズのブースでは最新のデジタル・ヴォイシング・イコライザー「DG-78」の効果や、プリアンプ「C-3900S」を中心とした試聴などが行われていた。
アキュフェーズの代理店であるHMG(House of Music Group)は、他にもサエク、タオックのほか、UAレコードやステレオサウンド社のレコードの販売も行っている。香港を拠点とする代理店で、上海でも同じチームで出展していた。
ブースではオーディオ評論家の麻倉怜士氏がプロデュースした、情家みえ氏のジャズヴォーカルアルバムの販売・サイン会を行ったほか、土曜日午後にはコンサートも実施。日本の高音質盤は香港でも人気が高いようで、100人以上の来場者が彼女の歌声に耳を傾けていた。
創業100周年を迎えたラックスマンは、100周年記念モデルとなるモノラル・パワーアンプ「B-100 CENTENNIAL」を訴求。YG Acousticsの「Sonja 3.2」で美音を奏でていた。また、プリメインアンプも全機種展示しており、こちらも注目を集めていた。ラックスマンの担当者によると、香港では高級機の売れ行きが好調とのことだ。
TADは、Evolutionシリーズのスピーカー群と、Referenceラインを中心としたエレクトロニクスで訴求する。さすがに Referenceラインのスピーカーの持ち込みは諦めたかと思いきや「香港の代理店は持ち込む気満々だったが、部屋のサイズや環境などからご遠慮頂くことにした」と、日本の担当者は笑いながら答えた。
今やTADというと完成品のスピーカーとエレクトロニクスが中心に思えるが、担当者によると「香港に限らずですが、海外ではいまだにプロ向けのスピーカーユニットの需要があります。個人の方が買われますし、OEMとして使われる会社もあります」とのこと。日本では自分でスピーカーシステムを作る人は減ったが、海外ではいまだ需要があることに驚いた。
トライオード、オーディオ・ノートなど真空管ブランドも注目
真空管アンプで知られるトライオードも出展。クリプシュのスピーカーと組み合わせてデモが行われていた。イチオシは大型直熱管845を300Bでドライブするプリメインアンプ「JUNONE 845SE」。代表の山崎氏に香港市場について尋ねたところ「(これでも)お前のところの製品は安すぎる!もっと高い物を作れ、と言われます。ですので何か考えないと……」と苦笑い。日本国内と香港(≒海外)のギャップに悩まされているようにも感じた。
日本では見かけることの珍しいオーディオ・ノート(海外ではKONDO)。出力管に211を用いた大型のシングルアンプ「ONGAKU heritage」の姿を見ることができた。「ONGAKU」の回路設計をベースに現代的にアップデートしたものだそうで、音質も最終調整中とのこと。音楽の深い世界に酔いしれる人が後を絶たなかった。
フェーズメーションも人気だ。300Bのパラレルシングルアンプ「MA-3000」を中心に、フォノイコライザーやカートリッジ「PP-2200」といった主力ラインアップを披露。「MA-3000」は外観も最終となったそうで、“青海波”(せいがいは)と呼ばれる日本の伝統的紋様を天面に配置。フランスAtlantis Labのスピーカーをスイングさせていた。
香港でも日本製パワーアンプは存在感を示していた。次回は、アナログ機器を中心とするソース機器とアクセサリー類を紹介する。
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