公開日 2026/02/26 06:30

「すべてはお客様の感動から」和歌山モノリスで話して試して、憧れを形にする。50周年を迎えた信頼の老舗店

連載「遠藤義人の全国のインストーラーを訪ねて」

和歌山の紀伊にあるオーディオ&インストールショップ、サウンドラインモノリスは、2024年で創業50周年を迎えた老舗。いまは先代の妻・松崎美子さんと、2代目・松崎比呂人(ひろと)さんご夫妻で営まれている。

和歌山県 岩出市のサウンドラインモノリスを訪ねた

店の新たな顔はLINNのフラグシップ「360」

サウンドラインモノリスは、1974年に創業。もともとはレコードショップだったが、先代の岡野計一さんが再生機器としてのオーディオを販売するようになったのが始まりだ。現在はオーディオのほか、生活に溶け込む誰もが使いやすいホームシアターを「スマートシアター」と呼び推進している。

観音開きの大きなドアを開けると、いかにも趣味人らしい先代を感じさせるアバンギャルドな空間。「モノが多すぎますよね」と比呂人さんは謙遜するが、いつ来てもよく整頓されており、まるで親戚の家に来たかのように不思議と落ち着く。

ワンフロアの店内。コロナ禍を機に完全予約制に移行し、あらかじめ要望に沿ったセッティングを整えてくれる

そのメインステージにいま鎮座するのは、LINNのフラグシップスピーカー「360」である。

「昨年の創業50周年を受けて、新たなお店の顔になる製品を模索していました。そんなとき出会ったのが、360の『Triton』です。360自体は、初めて聴いたときから凄みを実感していましたが、いまひとつピンときてなかったんです。でもあのカラーリングを見て、インスピレーションが沸いてきたんです」と比呂人さん。

向こう10年お店の顔としてお客さんにお薦めできるスピーカーを考えたときに、360しか思いつかなかったのだという。

360によるステレオ再生と、7.1.4chのホームシアターが共存している

自宅から店舗まで提案の幅広さと品質の高さが強み

サウンドラインモノリスは広大なワンフロア。その提案は、本格的なオーディオから店内BGM、ネットワーク環境の整備、ホームシアターインストールまで多岐にわたる。聞けば、50周年を一区切りに、ショップ全体をリフォームする計画もあったそう。

「ぼく自身は映画も好きですし、HDMI端子が付いた一体型のネットワークプレーヤー&アンプでコンパクトなスピーカーを鳴らすホームシアターは、今後まだまだ伸びると考えています。これから始めようという20 - 30代のご夫婦ですと、リビングでも邪魔にならないようなシステムをお薦めしたいところです」(比呂人さん)

音がいいだけでなく、いまやコンパクトで洗練されたデザインでなければリビングでは受け入れられないのだという。

テレビ、LINN「SELEKT DSM」および「150」によるシンプルな2.0chシステムを提案。SELEKT DSMの3つの出力スロットにステレオパワーアンプモジュールを装着し、150スピーカーの3ウェイユニットそれぞれをAKTIV駆動している。「150はEXAKT TRI-AMP ACTIVで鳴らすとめちゃくちゃいいです」と比呂人さん

「一方で、専用ルームを作ったり本格的な2chオーディオも追究したりを思うと、やっぱり分けたい。様々なスタイル別に誂えて、お客様にもっと分かりやすく提案したいとずっと思っているんです」(比呂人さん)

現在はメインステージに120型のスクリーンを張り、両サイドにメインスピーカーである360を配置しているが、オーディオ再生するならもう少しスピーカーの間隔を狭めたいのだといった構想も熱く語る。しかし、なかなかリフォームに踏み出せなかった理由はほかにありそうだ。

接客に5時間!? お客様ファーストの姿勢を守り続ける

「現在の建物に移って36年。そろそろリフォームしてもいい。オーディオビジュアルの環境もだいぶ変わったので、こうあるべきという計画はだいぶ前からありました。でもやはり、長年お店の顔だった母の想いも大切にしたいんです」(比呂人さん)

サウンドラインモノリスは、先代から独特の接客姿勢を取ってきた。お客さんとは対面でじっくり顔を突き合わせ、要望にできるだけ応える。お客さんの滞在時間は4 - 5時間がざら。1時間で終わる場合はほぼなく、平均して3 - 4時間だというのだ。そこで、コロナ禍を機に、完全予約制に移行した。

「目的を持ってご来店くださるお客様がほとんどなので、ご要望に合わせてあらかじめ準備して差し上げたいんです。その場で入れ替えたりするとお客様のお時間を無駄にしてしまいます。長時間に亘ると体調を崩してしまうこともあったので、時間予約制にしたんです」(比呂人さん)

訪ねてくるお客さんは全国に及ぶ。YouTubeによる発信が効いているのだろう。

「基本は近畿圏ですが、ご依頼があればどこにでも行くというスタンスです。北は北海道から福島、仙台、茨城、埼玉、栃木、東京、静岡、愛知、南は九州は久留米、四国は愛媛などもあります。遠方のお客様によく電話で『雑誌で見たアレ、どうですか?』って訪ねられることも増えました。だからいち早く仕入れておいて、店で試す必要があるんですよね」(比呂人さん)

まずは感動から、家族みんなで日々の生活を豊かに

比呂人さんが20歳でこのお店を継いでからというもの、先代からのお客さんに育てられているという側面はあっただろう。そういった面影やもともとあったコンセプトは残しつつも、時代に合ったお店に仕立て直していきたいのだという。

「子どもの頃は、店に来たら音楽が流れているという環境にありながら自宅ではコンポで音楽を聴くぐらい。ですから、店を継いだ当初は、右も左も分からない状態でした。でも、自分でJBLの大きなスピーカーにプレーヤーとアンプを繋いで音を出したときの衝撃は、いまでも忘れられません。オーディオに初めて触れる若い人たちにも、この感動を味わって欲しいんです。

ぼく自身もそこから面白くなって、自分なりにどうすればもっとよくなるかをずっと追究して18年経ちました。いまなら、大きめのテレビと組み合わせて2chステレオから初めて、YouTubeやPrime Videoといった動画コンテンツだって、ゲームだって、すべてが豊かになるというお話を若いお客様にするんです」と明かしてくれた。

すると隣に座っていた妻の陽子さんが楽しそうに「先日お越しになったお子様連れのお客様なんか、ここに座って『おさるのジョージ』をずーっと見てました。可愛かったね」と語り、比呂人さんと顔を見合わせた。

家族みんなで日々の生活を豊かに。ホームシアターはここから始めたい。

サウンドラインモノリス インストール最新実例

新築を機に長年の夢を実現した奈良県の実例。100型スクリーン・シアターをプライベートルームに導入。モノリスの視聴室でどの製品を選ぶかを慎重に打ち合わせを重ね、スピーカーはPIEGAの “ACEシリーズ”、AVアンプはマランツ「CINEMA 50」を採用した5.1.4chを構築した

ダンスミュージックやEDM、R&Bなどの音楽ジャンルがお好きで、カーオーディオも楽しんでいるというオーナーのためApple TVによる空間オーディオも導入

オーナーのこだわりで、シアタールームに小さなカフェスペースを設けている/シアタールームはダイニングキッチンの奥に
Placeholder Image

サウンドラインモノリス

和歌山県岩出市紀泉台392-53
TEL:0736-63-4320
営業時間:10時00分 – 18時00分
定休日;第2・第4火曜日、水曜日、木曜日

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