HOME > レビュー > 松竹梅で違いがわかるシアタールーム完備、岡山AC2がファミリーからマニアまで的確なアクションプランを考案!

連載「遠藤義人の全国のインストーラーを訪ねて」

松竹梅で違いがわかるシアタールーム完備、岡山AC2がファミリーからマニアまで的確なアクションプランを考案!

公開日 2025/11/06 06:30 遠藤義人
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

岡山のホームシアターインストールショップといえばAC2 audio&cinema(以下、AC2)だ。スーパーカーに憧れる男性マニア向けにハイエンドオーディオシステムを提供するイメージが強いが、ことホームシアターに関しては、マニアでない一般的なファミリー層にリーズナブルで音のいいシステムを提供している。

コロナ禍を経てしばらくぶりに訪問。すると従来から変わることなく、初心者から中級、上級と徐々にステップアップしていくワクワク感を提供する姿勢に変わりはなかった。

岡山県岡山市のAC2 audio&cinemaを訪ねた

3つのシアタールーム体験で自分に合った遊び方がわかる

「当店は入ってすぐのソファにテレビのセットを置いています。まずテレビ単体の音と、ステレオスピーカーの音、サラウンドの基本となる5.1chの音を聴いていただくんです。それだけでも大きな違いに驚かれますよ」と、AC2代表の熊代氏。

AC2は従来から、(1)テレビシアター、(2)ベーシックシアター、(3)ミドルクラスシアター、(4)ハイエンドシアターに分かれた展示を行なっている。オーディオビジュアル機器がアップグレードするにつれて、再現性が高まっていくことを実感できる仕組みになっている。

お店に入ってすぐ、ホワイエにあるテレビシアター。ここでテレビの内蔵スピーカーのみ/2chステレオ/5.1chサラウンドの違いを一気に体験させる

「ご興味を持って来店される方は、すぐ5.1chに飛び込まれますよ。Dolby Atmosでの再生は、ご視聴なさる部屋しだいで設置環境やご予算に応じて組み合わせればいい。テレビシアターなど、センタースピーカーを置きたくない場合は、なしにすることも簡単にできる。そういったことをお伝えし、実際にご体感いただきます」(熊代氏)

家族でホームシアターを始めたいと来店する場合、住宅を新築するタイミングが多いが、新築自体が減ってきた昨今は、既存のテレビの音をよくしたいという動機で来店するパターンが増えているという。

ベーシックシアターの様子。KEFのエントリーライン「Qシリーズ」を中心に組んだ7.1.2chシステムで、スクリーンサイズは100型

ベーシックシアター視聴位置後方の様子

「最近では、ひとりで楽しまれる女性の方も多いんですよ。ライブなど、音楽ものの映像コンテンツを楽しまれるようです。男性よりも女性の方が思い切った投資をなさる印象があります」とは店長の石原氏。いわゆる “推し活” だ。

これまでもひとりで楽しむ趣味としてホームシアターを捉える愛好家は一定数おり、その数は変わらないまでも構成は変化しつつあるという。趣味を育てるうちに、使用機材が不調になったり、常に最新のものがいいと買い換えたり、その際にはAC2に立ち寄る。

「定番のシリーズがバージョンアップすると、値段が高くなっても、たしかに画や音はよくなっている。それをご理解くださる若い方が増えた気がします」(石原氏)

ミドルクラスシアターの様子。ミドルラインのBowers & Wilkins「700シリーズ」を中心に組んだ7.1.4chシステムにグレードアップ。センターはKEF「LS50」をデュアル使いし、センタースピーカーの重要性を理解してもらう仕掛け

ミドルクラスシアター後方の様子。デモ用の機器はラックにまとめて設置。プロジェクターはビクター「DLA-Z7」を採用

住宅環境の向上でホームシアターは導入しやすくなっている

スマートフォンやタブレットで動画を見るのが一般的になってきた昨今。しかしAC2では、店頭でのデモンストレーションはすべてディスク再生にしている。いまなお “娯楽の王様” であり続ける映画にキチンと向き合うなら、専用の部屋でディスク再生をしたいと筆者も思う。映画館に行くような特別感を味わいたいからだ。スマートフォンやタブレットでは特別感がない。

「岡山のイオンシネマは当初Dolby Atmosに対応するよう作ったんです。でも一昨年、その部屋がIMAX(DTS:X)になりました。せっかく当店ではDolby Atmosでシアターを組んでいるのにって思いもありましたよ。でも逆に、ホームシアターがあれば、家でDolby Atmosがいつでも再生できますよとアピールすることにしました」と熊代氏は笑う。

ハイエンドシアター。フラグシップ級の音と映像を体感してもらうため、映像は150型のスクリーンにビクターの8Kプロジェクター「DLA-V900R」を採用

ハイエンドシアター視聴位置後方。サウンドも径38cmウーファーを使って爆音で鳴らす

一方で、リビングシアターでさまざまなコンテンツを家族みんなで共有しようというニーズもある。その場合、スピーカー選びがいちばん大切だという。

「たとえば奥様を説得する場合、『これなら置いてもいい』というように、デザインが決め手になります。流線型ならいいけれど、角張った箱型は絶対NGというご婦人も多いんです。色もコントラスト感のあるものは好まれません」(石原氏)

また、比較的若年層でホームシアターを初めて体験するお客様の方が、素直に魅力を理解してくれるという。住宅メーカーや設計士など、工事関係者とのやりとりも上手くいくことが多いと石原氏は語る。

「リビングに置くなら美しいモノがいい。小さいお子さんがいるご家庭ではアニメを見たい。普段ご家庭にいる方の満足いくあつらえにしたいと考えるのは当然です。そういったご家族の思いに応えられる、よき相談相手になれたらいいなと思っています。住宅環境がよくなったんですから、家に帰ってホームシアターを存分に楽しんでほしいですね」(石原氏)

住宅性能の向上にともない、従来よりも音漏れや空気の汚れを気にしなくて済む。いまブームになっている映画館での体験を自宅にいながら楽しめる、ホームシアターに目を向けてほしい。そして岡山とその近県にお住まいの方は、ぜひ足を運び体験してほしい。ホームシアターは、マニアだけのモノではないのだ。

AC2 audio&cinema インストール最新事例

楽器演奏も可能な専用ルーム

ピアノもある専用ルームにホームシアターを導入。スクリーンはオーエスの「ピュアマットV Cinema(WF302)」。特殊二重織と呼ばれる2種類の異なる織り方を同時に織る特殊織物のメイド・イン・ジャパンだ。

スクリーンは120型。オーエスの「ピュアマットV Cinema」(電動/ブラックパネル仕様)を採用

メインスピーカーはBowers & Wilkins 700シリーズで構成し、KEFのイネーブルドスピーカーをDolby Atmos再生用のハイトスピーカーとして設置。サブウーファーは径300mmのKEF「Kube 12 MIE」を採用する。

マランツのAVアンプ(独立基板型フルディスクリート・パワーアンプ搭載)と組み合わせ、自然な音響空間で再生するのが信条。「映画鑑賞だけでなくテレビ番組やネット動画、ゲームプレイ等も迫力のホームシアターでご堪能されています」(石原氏)

リアル4Kパネルを搭載したビクター “Vシリーズ” のプロジェクターを、メンテナンス性も抜群の専用棚板に設置する

KEFのイネーブルドスピーカーは、フロントに2基、リアに2基の計4基を壁掛けで設置

進化するリビングシアター

ステップアップを重ねた「進化する」リビングシアターの実例も。スクリーンの裏にはテレビがあり、スクリーン収納時にボックスは目立たないよう前面パネルはホワイト仕様。

スクリーンは150型。オーエスの「ピュアマットV Cinema」(4K対応生地/電動)を採用

メインスピーカーはBowers & Wilkins 700シリーズで構成。当初はセンタースピーカー無しの4.1ch構成だったが、順次グレードアップ。センタースピーカーは後から追加された。イネーブルドスピーカーをはじめ、アンプ類もアップグレードを重ねる。

ディスク再生での映画鑑賞、ネット動画はもちろん、レコーダーでの番組録画も楽しんでいるそうだ。 また音楽鑑賞も重視され、音楽再生用にアキュフェーズのプリメインアンプ、マランツのSACDプレーヤーも別途導入。

メインのフロントスピーカーを映画と音楽鑑賞いずれも活用するため、AVアンプのプリアウト機能を使用しアキュフェーズのプリメインアンプをパワーアンプとして使用している。

ソニーの4Kプロジェクターを、リア用スピーカーとともに棚板設置
Placeholder Image
センタースピーカーとして、Bowers & Wilkins 700シリーズからブックシェルフ型を2基追加
Placeholder Image
イネーブルドスピーカーは、家具屋さんでの特注台をご用意され、フロントスピーカーの上に追加設置

オーディオと共存するハイエンドシアター

ハイエンドオーディオとハイエンドシアターを共存させた超ハイエンドシアターの林邸。幾度となくお邪魔するたびに、まだ先があるのだと実感する。

この日はCDを持参し聴かせていただいた。徹底した静電除去効果がケーブルに施されており、耳に付く音が皆無で抜けがよく、スムーズでリラックスできるサウンドに進化していた。地域医療に全身全霊を注ぐ林さんにとって、なくてはならない癒やしの空間だ。

ピュアオーディオとホームシアターを共存させた実例

林邸の様子<その2>

林邸の様子<その3>

Placeholder Image

AC2 audio&cinema

岡山県岡山市北区尾上733-1
TEL:086-286-0036
営業時間:10時00分 -18時30分
定休日:火曜日、水曜日

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

関連リンク