<HIGH END>AKM、「ICの力でもっといい音を」。オペアンプ、D級アンプ、ルーム補正DSPなど披露
ウィーン・ハイエンドには、最終プロダクトメーカーだけではなく、オーディオに関わるパーツ類を供給する部品メーカーも数多く出展している。なかでも世界市場開拓に向けて力を入れているのが、旭化成エレクトロニクス(AKM)である。
AKMの名は、特に高品位DACチップで世界に知られており、LINNやエソテリックなど、名だたるハイエンドブランドが採用している。今年は新たにオペアンプ「AK4911」(1ch)と「AK4912」(2ch)を発表した。オペアンプはこれまでテキサス・インスツルメントの評価が高く、多くのオーディオメーカーで採用されてきた。それゆえ、多くのメーカーから“新しい選択肢が広がった”と歓迎の声が寄せられているそうだ。
会場では、Wolf von Langaのブックシェルフスピーカー「WVL 11334 SERENDIPITY」を用いて、旭化成の評価ボードを用いて比較試聴できる環境が用意された。Wolf von Langaは日本ではあまり馴染みがないかもしれないが、ドイツのブランドで、毎年ハイエンドにはエアータイトと共同出展している。リリカルでスパイシー、音楽の楽しさを引き出すスピーカーと認識している。
新しいオペアンプの音質の反響も良いそうで、顔見知りのオーディオメーカーのスタッフが次々とブースを訪れ、積極的に質問を重ねているシーンをよく見かけた。
さらには、小型かつ高効率を狙ったD級アンプの試作機や、スイッチ1つでルームチューニングの効果を確認できるデモンストレーションなども実施。いずれも試作段階で、来場者に音を聴いてもらい要望のヒアリングや情報交換を目的としている。
D級アンプについては、SOULNOTEの「A-2 ver.2」(こちらはもちろんA級である)との聴き比べを実施。D級アンプは情報量の多さ、解像感の高さなどに大きな可能性を感じられて、スピーカーのリリカルな風合いをしっかり引き出してくれる。だがやはり音色の豊富さやリッチなステージングはA級に分あり。逆に言えばまだD級アンプには進化の可能性があると開発チームも考えているようだ。
また、あえて”壁寄せ”位置に設置したスピーカーについて、DSPのオンオフでルームチューニングの効果を確認できるシステムも用意。多くの自宅の環境では、左右対称の環境にスピーカーを設置できないことのほう多い。ルーム補正といえばDiracなどのソフトウェアが有名だが、旭化成ではICを活用して定位感やステレオイメージなどの改善を狙う。実際に聴き比べるとその改善効果は大きく、ホームだけではなく、カーオーディオなどへの展開の可能性も期待できそうだ。
リスニングルームの外には、デバイスの開発スタッフの顔写真とともに担当プロダクトを展示。ハイエンド・オーディオメーカーでは開発者の”顔”や人となりがブランドの信頼性にもつながっているが、デバイスサイドとしても、”音質への飽くなきこだわり”を感じさせる展示となっていた。
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