公開日 2020/12/04 06:30

定番電源ボックスをブラッシュアップ。オヤイデ「MTS-6II」のハイファイ性能をチェック

【特別企画】オーディオアクセサリー銘機賞2021 グランプリ受賞
OCB-1シリーズで知られる老舗ブランド・オヤイデの、使い勝手と音質に優れる新たな電源ボックス「MTS-6II」。電磁波やノイズ、制振対策を入念に施したボディに、さらにパーツの吟味とワイヤリングの見直しなどを施し、より一層の音質アップを実現した。バフフィニッシュを施したコンセントや特別開発のロジウムメッキインレットを新たに採用したほか、内部配線は試聴を重ねて選定、国産パーツで細部まで丁寧に作り上げている。音のツボを押さえた高精度で確かな作りと、優れた音質性能を適価で実現させた製品として評価され、栄えあるグランプリ受賞となった。

■細部までブラッシュアップし、ハイファイ性能を一層高めた

今回、オーディオアクセサリー銘機賞2021でグランプリを受賞したオヤイデの「MTS-6II」。その先代モデルにあたるMTSシリーズは、そもそもはAV機器の用途を主眼に開発されたという。しかしその基本性能の高さ、スパイク等の交換やボディに対するセットアップなどで、より高品位な音を訴求できる性能を獲得。多くのオーディオ愛好者を満足させてきた。

オヤイデの電源ボックス「MTS-6U」オープン価格(予想実売価格33,000円、税抜)。筐体は1.6mm厚のステンレスシャーシ(非磁性のオーステナイト系SUS304)で、対振動性に加え電磁波やノイズを強力にガード

「MTS-6II」では、そのハイファイ性能を一層高めるべく丁寧にブラッシュアップを実施。受賞の理由はきちんとした安心の作り、音色感や空間表現力など音の良さ、そして値段。この3つのバランスが高次元でまとまっているからだ。

■聴けば納得の高域表現力など、オーディオ的快感を味わえる

まずその音。全体的に音の密度が高く、低域から高域まで満遍なくエネルギーが漲っている。特に低域の押し出しの良さ、弾けるような音の立ち上がり方にはダイナミックでオーディオ的な快感がある。また、その音色感には重みを感じさせる低音感があり、特有の魅力を持つ。中高域、特に高域については以前のモデルよりも強調感がなく、しっかりと高音を立てつつも、柔らかい感触や漂うような成分に対しても対応力を深めた。

インレットは、特別開発されたNC174RR(IEC320インレット)を使用。耐熱強化樹脂にガラス粉を混ぜたボディに、純銀厚肉メッキ(1.5μ)+通常の3倍厚のロジウムメッキ(0.3μ)仕上げ

サウンドステージの項目では、音像は水準的な大きさだが、音像同士の間には空間があり、これが現代的なハイレゾリューションな音源に適している。天井方向の響きの飛び方もきっちり出てくるし、左右のスピーカーを結んだ線、その奥に展開する右左の幅もいい。

こうした性能を生み出しているのは、先代から継承する1.6mm厚のステンレスシャーシの精度がさらに増している印象で、こうした手慣れた製造工程が安心の品質を生み出しているのを感じる。使われているコンセントについては、そのブレードのリン青銅無メッキには変更ないが、最終段階でバフ仕上げ処理を施している。


聴くと納得がいく高域の表現力だ。コンセントを支持するバンドの金具部分は、従来のベークドワッシャー2枚構成から、ベークドワッシャー1枚とデルリンワッシャー1枚という異種のハイブリッド仕様。また内部配線として、ホットとコールドには絶縁体に誘電率の低いポリオレフィン樹脂を使用した2mm無酸素銅単線を、アース線には精密導体"102 SSC"銅線を選択。他にもいろいろあるが、入念な開発であることを感じる。

スパイク部はダブル制振対策を施し、3点と4点支持選択可能なステンレス・スパイク仕様。オヤイデのマルチベースインシュレーター「INS-BS」(8,200円/4個・税抜)をネジ留めしてグレードアップも可能

【MTS-6Uの仕様】
●筐体:1.6mm厚オーステナイト系SUS304ステンレス●コンセント:MTS-6II専用リン青銅無メッキバフフィニッシュ●内部配線:ポリオレフィン樹脂絶縁体OFC 2mm単線/精密導体"102 SSC" 3398-14●インレット:NC174RR(厚肉銀メッキ+厚肉ロジウムメッキ)●スパイク:OSP-SS●使用ハンダ:SS-47●筐体サイズ/質量:70W×50H×385Dmm/1800g●定格:125V/15A 屋内用 E 認証品

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