公開日 2017/08/18 10:10

【製品批評】HARBETH「SuperHL5 plus-A」 ー 潤いと温かさは特筆もの、奇をてらわないハーベスらしさ

創立40周年記念の限定スピーカーシステム
藤岡 誠
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製品批評


スピーカーシステム
HARBETH
SuperHL5 plus-A
¥380,000(1本/税抜)※40ペア限定
※専用スタンド「HSS-5W」(¥68,000/ペア・税抜)




イギリスにはBBC(イギリス放送協会)の技術研究所でオーディオ関連、特にスピーカーの振動板やシステムそのものを研究していた技術者が独立・起業したスピーカーシステムブランドが数多く存在する。ハーベス社もその一つで1997年に設立された。設立したのはH・ダッドリー・ハーウッド。彼は振動板の新素材(ベクストレーンやポリプロピレンなど)開発の一員で、いわゆる“BBCモニター”の体系を構築したメンバーの一人でもあったこともあって、設立当初はBBC向けのモニタースピーカーの生産に特化した。

10年後の1987年に会社を愛弟子のアラン・ショーに譲ってからは民生用システムにも参入。なかでも「HLCompact」は非常に高い人気と名声を集め続けている。

今回登場の「SuperHL5 plus‐A」は、2015年に発売された現行モデル(60万円ペア/税抜)が母体となっている同社の創立40周年記念モデルで、国内40ペア限定で発売をスタートさせている。

本機のリア部。キャビネットは美しいウォルナット仕上げで、端子はバイワイヤリング対応となっている

それでは本機はオリジナルとどこが違うのだろうか? 特別に強調するほどの違いはない。あえて紹介すれば、キャビネット仕上げがチェリーからウォールナットに仕様変更。スーパートゥイーターのドーム前面に保護用バーが付属。さらに内部配線材を含むネットワーク部品の上質化などを挙げることができる。電気的特性やサイズなどはまったく同一で、質量のみが1kg重い。入力は新たにWBT社製の高級端子が採用されている。

最新のWBT製入力端子を採用し、特別仕様のバイワヤリング・ケーブルを装備

要するに、本機は創立40周年記念といえども、奇をてらっていないしハッタリめいた方向性を打ち出すこともなく、いかにもハ―ベスらしい地道な流れの中の記念モデルという意味で私は高い信頼性を感じるのだ。なおこのスピーカーのウォールナットに揃えた専用スタンド「HSS‐5W」(6万8000円ペア/税抜)も用意されている。

本機の音質は現行の「SuperHL5 plus」の印象を崩すことなく、潤いと温かさを感じ、中域周辺の自然さは特筆である。声楽のスムーズさはまさにBBCモニターの流れといっていいし、40年間にわたるハーベスの普遍性そのものの音であろうと私は思う。もう少し具体的にいえば、ヴァイオリンやヴィオラは繊細でコントラバスも自然な存在感。様々な管楽器の質感、ティンパニや大太鼓の響きの違いも無難にこなしてくれる。全体的には、オーディオ的というよりも音楽的で、雑身がなく、クラシックファンにも好まれる方向性にあるだろう。

(藤岡 誠)

Specifications
●型式:3ウェイ3スピーカーフロント・バスレフ型 ●ドライバー・ユニット:中・低域=200mm RADIAL2コンポジット・コーン型、高域=25mmアルミニウム・ハードドーム型、超高域=20mmチタニウム・ハードドーム型保護バー付き ●クロスオーバー周波数:3.5kHz、12kHz(18dB/oct) ●インピーダンス:6Ω ●出力音圧レベル:86dB/W/m ●外形寸法:322W×635H×300D(最大316)mm ●質量:15.8kg ●入力端子:バナナ・プラグ対応、バイワイヤリング接続可能 ●仕上げ:ウォールナット ●取り扱い:エムプラスコンセプト


※本記事は「季刊オーディオアクセサリー」165号所収記事の一部を抜粋したものです。くわしいレビューは雑誌でご覧頂けます。購入はこちらから

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