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連載<オーディオワンショット>

【レビュー】B&W「700シリーズ」のステレオスピーカー全6機種を、藤岡誠が早速聴いた

2017/09/11 藤岡誠
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B&Wの新しいミドルクラス・スピーカー「700シリーズ」が発表された(関連ニュース)。シリーズ中のステレオスピーカー全6モデルを、藤岡誠氏が速報レポートする。

昨年50周年を迎えたB&Wから、700シリーズが登場

B&Wは、いわずと知れたイギリスのスピーカーシステム専門メーカーで創業は1966年(昭和41年)である。同国の古参メーカー「タンノイ」の1926年創業を思えば、特にオーディオのベテランたちの印象では意外なほど若いメーカー/ブランドに思えるようだが、それでも昨年に50周年を迎え、近年は創業当時からの技術力やそれを支える測定能力の高さによって業界の中でも注目度が極めて高い。独創的な「Nautilus」を最高峰に、「800 D3」「CM series2(CM S2)」「600」などが価格帯別に大きな存在感を持っている。

新700シリーズのステレオスピーカー6機種。これらを全て聴いてのファーストインプレッションをお伝えする。

そうしたB&Wが、11月から新「700シリーズ」を展開することになった。700シリーズといえば古くからのオーディオファイルの方なら記憶に残されているかも知れないが、かつての日本マランツがB&Wの輸入元だった頃の2003年に登場した700 Seriesの延長線上にあるのだろうと捉えると流れの推移を間違うことになる。

今回の新700シリーズは、2014年にスタートしたCMシリーズ第二世代「CM S2」の代替シリーズである。いや、“代替シリーズ”というよりも、明らかな“進化シリーズ”だと理解されたい。それでは以下、新700シリーズについての速報である。

新700シリーズのラインナップ

新700シリーズのラインアップは、従来からのCM S2とほとんど同じでブックシェルフ型×3、トールボーイ・フロア型×3、センター用×2が展開され、ブックシェルフ型を床から立ち上げてセットするためのスタンドが加わっている。CM S2との違いはスーパーウーファーが省かれていること。また、日本国内の展開ではサテン・ホワイト仕上げが省かれ、ローズナットとピアノ・ブラックの2仕様からの選択となっていることだ。

「何故、“CM Series3(CM S3)”ではないのか?」という疑問があるのは当然かも知れない。B&Wの答えは明白で「新700シリーズに採用したユニットは新機軸ゆえに“CM Series2”の単なる延長線上のシリーズ”と呼ぶのは好ましくない。その意味で製品構成の新しいポジションを構築するために新700シリーズとした」といっている。

全ユニットを刷新。新ユニットの特徴をまとめる

そこで採用されているユニットをチェックすると、2ウェイ・システムのミッド/ウーファー・ユニットの振動板には、上級の800 D3で初めて採用されたコンティニュアム・コーンが使われている。これはB&Wが長年にわたって採用してきたケブラーと比較してずっと柔らかな素材で、聴こえとしては音の立ち下がりが高速で付帯音が抑制されナチュラルな響きが得られるのがポイントだ。

コンティニュアム・コーンによるミッドレンジを採用

また、ユニット全体を保持するフレーム素材をアルミニウムに変更。さらにリブ構造を見直して鳴き(共鳴音)を大幅に低減している。一方、3ウェイシステムのウーファー・ユニットの振動板はエアロフォイル・プロファイル・コーンと称する、剛性を必要とする部分を厚くその必要のない部分を薄くして振動板の厚さに変化を持たせたタイプを採用している。

3ウェイ・システムはエアロフォイル・プロファイル・コーンによるウーファーを搭載

新開発されたカーボン・ドーム・トゥイーター

トゥイーターは、新開発されたφ25cmカーボン・ドーム型トゥイーターが全機種共通で採用されている。資料によると、新しいカーボン・ドーム振動板は2つの部分で構成され、前方部に主振動板(メインドーム)がある。これはアルミニウムをカーボンのPVD(物理蒸着法)と称するコーティングで硬化させた30μのドーム形状。もう一つは、この主振動板の形状に合うように中央部が切り抜かれた300μのカーボンリングが内側外周に接合されているとのことだ。結果として高域限界周波数が伸張。同時に歪みの低減が実現した。

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