公開日 2017/07/14 14:08

アクティブに0Vを作るオーディオ・アース「GROUDING NOISE REDUCER」の効果とは? 福田雅光がレポート

注目ブランドが日本上陸!
■アクティブに「0V」を生み出すバーチャルアース「GNR」

『オーディオアクセサリー』164号の『福田屋』では、バーチャルアース(仮想アース)についてそのメリットに触れた上でその製品群をテストしたが、またひとつ、このジャンルに新しい製品が上陸した。「Telos Audio Design」(以下、テロス)という台湾のブランドの「Ground Noise Reducer(GNR)」という機器である。まだまだ日本に上陸したばかりということもあって、仕組みそのものは公開されていない部分もあるが、今回、初めてそのテストを行うことになった。

TELOS「GROUDING NOISE REDUCER(GNR)」グラウンド・ジェネレーター/¥600,000(税別)

バーチャルアースといっても、一般的なそれとGNRは根本が大きく異なる。一番の特徴は電源を必要とするアクティブ・タイプであり、内蔵するDSPから基準電圧を生成するということだ。そんなことが本当にできるのかとテスト前は思いもしたが、その効果は極めて大きなものである。

GNRのリアパネル。向かって中央にIECのインレットを装備。その左右に自社オリジナルの大型アースターミナルを6系統装備する

GROUDING NOISE REDUCERの内部。向かってセンターにあるDSPで、システムの基準となる0Vを作り出し、各出力端子へ送り出す仕組みを採用。その細かな詳細は明かされていないが、使用するパーツには同社オリジナルのフューズをはじめとしたアイテムをふんだんに採用している

バーチャルアースを使用することによる効果は、主にS/Nの向上がある。ノイズ成分がアースへと流れ、まるで消滅されるような印象だ。これは結果的にそういう動作をしているということだが、そのメカニズムはまだまだ謎の部分が多い。オーディオシステムをインターコネクトケーブルで接続しない状態でCDプレーヤー、プリアンプ、パワーアンプのアース電位(E電圧)を計測すると、例えば5Vや3Vといったようにそれぞれに違いがでる。これらはインターコネクトケーブルで接続することで、アース側の線で結ばれ、例えば2V程度となる。E電圧は高い方から低い方へと流れ平均化されるので、ここにバーチャルアースを接続してもE電圧は変化しない。

GNRのシャーシ電位をテスターで計測する福田氏。GNRを接続する前は2V程度あったシャーシ電位が、接続後はなんと0.9Vにまで下がった。これは電気回路の理論的に考えても非常に理想的なもので、その効果は確実に音にあらわれている

しかし、GNRをプリアンプに接続してE電圧を計測すると、なんと0・9Vという値までガクンと下がることが確認できた。これはとても不思議なことで、どういうメカニズムで起きているのかは分からない。ただし、このことによるメリットは明らかに音となって表れてくる。これは昔から言われることだが、グラウンドと音の信号との差がそのままでてくるため、シャーシ電位は低い方が有利だということだ。電子回路の教科書どおりである。

こういうことが起きる機器というのは、とても珍しい。しかし、これをオーディオシステムに活用することは、非常に有効であることは間違いない。

積極的に共通シャーシ電位を下げることで、音質が大幅に向上

その効果も、普通のバーチャルアースとは異なるものだ。S/Nを高めてノイズ感を少なくすることや、歪感を少なくするとか、そういう質的な問題を改善する点は共通だが、テロスのGNRの場合はもっと明確に音を構成する。音の輪郭がはっきりして、高音も繊細な響きをすっきりと表出し、ヴォーカルの音像もしっかりと出す。

GNRへの接続にはテロス製のケーブルも用意される。写真はYラグタイプのもの

こちらはYラグ - RCA端子のケーブル。これにより、アース端子のない機器でも用意に接続できる。なお、接続の際は入力端子への接続が推奨されている。この他にも、XLR端子向けのケーブルがオプションで登場予定とのこと

接続ケーブルはYラグのものと、アース端子を持たない機器のためにYラグ‐RCAが用意されているが、このケーブルの変化も敏感に音に出してくる。Yラグのケーブルは非常に硬く引き締まった印象で、コントラストの表現やダイナミックレンジの表現をより高める。全体としてタイトになり、音の出かたが明快な方向となるようだ。このサウンドは、筆者が普段からレファレンスで使用しているアース線とほとんど遜色がない。その一方でYラグ‐RCAのケーブルは、RCA端子側に金メッキを施しているためかダイナミック感というよりは滑らかにS/Nを高める印象だ。リアリティの高さ等は多少弱まる傾向にあるので、筆者としてはアース端子がある場合はそちらに接続するのが好ましかった。

GNRはバーチャルアースと同じような使い方をするものだが、これはバーチャルアースというより積極的に共通シャーシ電位を下げてくるというところに特徴があるもので、もはや全くの別物と考えるべきだ。グラウンド・ジェネレーターとうたっていることには、そうした理由もあるのだろう。

GNRのような効果を発揮する製品は、少なくとも筆者の経験のなかではこれまでまったくなかったことだった。今回は愛用するラックスマンのプリアンプC‐700uのアース端子に接続して聴いている。普通、アースループの問題から、あれもこれも複数の機器に使用するよりも、ひとつの機器で使用した方が良い結果となる。しかし、テロスは一般的なバーチャルアースとは違うため、このことが当てはまるかは分からない。この点はまたいずれ実験したいところだ。

次ページもう一つの注目モデル「Quantum Acoustic Diffuser」

1 2 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 "カリスマ性"ともいうべきオーラを纏ったアキュフェーズ「E-4000」<販売店の声・売れ筋ランキング2月>
2 【インタビュー】Victorブランドは生涯にわたる音のパートナー。変化していくトレンドに“らしさ”を活かした提案を連打
3 オヤイデ/NEO製品の価格改定を実施。4/14より
4 「Sonos Play/Era 100SL」は“原点回帰”の象徴。Sonos新スピーカーのポイントを本国スタッフが語る
5 クルマで楽しむドルビーアトモス。メルセデス・ベンツ×ブルメスター×Apple Musicの新体験!
6 進化するMEMSドライバー最前線。フルレンジユニットで狙う、音質&ノイキャン性能の次なる可能性
7 フルテック、NCF配合の3P→2P変換電源アダプターに非磁性24K金メッキモデル「FI-PA NCF(G)」
8 B&W、スピーカー「803 D4」とマランツ「MODEL 10」など組み合わせた視聴イベント。4/4に青山で開催
9 カメラのキタムラ、初のヤマダデンキ出店。LABI池袋本店に買取強化店舗を3/27オープン
10 デノン、空間オーディオ機能搭載ワイヤレススピーカー「DENON HOMEシリーズ」。ブランド初のクラファン販売
3/27 10:59 更新
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー200号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.200
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
特別増刊
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
最新号
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.23 2025冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.23
プレミアムヘッドホンガイド Vol.33 2025 SUMMER
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.33(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • プレミアムヘッドホンガイド
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX