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公開日 2006/04/19 16:42

国際FPD展基調講演「シャープ」 − 液晶テレビがFPD市場を牽引する

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シャープ(株)片山幹雄氏
東京ビッグサイトで開催されている「第2回 国際フラットパネルディスプレイ展」では、4月19日午前の基調講演会場にて、シャープ(株)常務取締役 液晶事業統括の片山幹雄氏が登壇し、「液晶世界No.1に向けて飛躍するシャープ液晶事業の取組み」と題した講演が催された。片山氏は液晶テレビの市場を開拓し、牽引してきた同社の液晶事業戦略を紹介した。

片山氏によれば、2005年における液晶テレビ市場は同社の予想を遙かに上回り伸長したという。市場全体の伸びに海外市場の成長が果たした役割が大きく、とりわけ欧州市場の伸びが顕著だった。


2005年における液晶テレビ需要拡大を示す資料

2006年以降もさらなる市場の成長を予測
今後は06年、07年には30インチ台の製品がさらに伸びると予測。06年上半期では同社の国内市場における販売主力がフルHD機種に移り変わり、約60%がフルHDになると期待する。同様に、フルHD化の加速は海外市場でも活発化するものと見込む。


世界のテレビ市場拡大を液晶テレビが牽引したと示唆する

06年以降は放送の多様化も進むと予測
片山氏はテレビ市場の拡大要因として「液晶化」「大画面化」「フルHD化」の3つを挙げ、「今後も同社が市場を開拓し、業界を牽引していきたい」との強い意気込みを述べた。

06年以降のテレビ市場の動向予測については、特に「放送の多様化」に着目。地上デジタル放送の普及拡大とともに、ワンセグ放送やオン・デマンドテレビ市場における開拓に注力していくことが大切、と強調する。

モバイル用途の小型テレビ関連製品については、同社は既に携帯電話や移動端末向けの製品を発売している。これらのデバイスについても、今後さらに高まる高解像度表示へのニーズに対応する準備を着実に進めているという。


液晶テレビの需要はパーソナルユースとリビングユースに分化し発展すると予測
薄型大画面テレビの今後の事業戦略については、20インチから30インチまでのパーソナルユース、2台目・2台目の薄型テレビ需要が拡大するとともに、同時にフルHD機を軸とした40インチ以上のリビング用テレビの需要が、それぞれに分化して拡大すると同社は予測する。今後、主要国では放送のデジタル化が大きく進展し、5年後には「フルHDの高解像度が標準」の時代へ突入するだろうと片山氏は語る。

来る放送の多様化の時代に備え、同社はさらに生産体制の強化を進めていく。ワンセグ対応の小型システム液晶については三重の工場でサポートする。第1・2工場では7型換算で月産530万台以上、第3工場では2型換算で月産2000万台以上の生産能力を保有するなど、供給体制の拡充を進めている。


三重工場ではモバイル用途のデバイスをサポート

亀山工場ではホームユースの大画面テレビ用デバイスを供給する
一方、亀山工場では、パーソナルユースでメインサイズと想定する32型換算で、06年3月で月産48万台のキャパシティを保有している。今後、海外市場でのニーズに対応すべく、パネルの外部調達についても海外メーカーと強力して行っていくという。国内出荷モデルについては同社の国内工場で、海外出荷モデルは外部調達も図るという方向性が示された。

本年秋には亀山第2工場を本格稼働させる。こちらではリビングユースを想定する、40〜50型に最適な“第8世代マザーガラス”の生産を中心に行われる。本工場の立ち上げ後は急速に月産規模を高め、07年末までには月産72万台が計画されている。また08年以降には新しい工場も計画されている。片山氏は液晶パネルの生産技術については、産学官で連携を図り、コスト力を付けながら生産効率を高めて行きたいとした。また、亀山第2工場で生産するパネルについては、技術的な性能の向上も図りながら、昨年発表したメガコントラスト液晶の技術についても、スタジオ用途を中心に実用化に向けた準備を進めていく。


メガコントラスト液晶の技術も実用化にむけて加速させる

10年後の大画面テレビは情報・環境ディスプレイとしても一般化するだろうと予測した
講演の最後に今後「10年後のテレビの概念」について、同社の見解を語った片山氏は、等身大サイズを超える「超大型ディスプレイ」の出現や、住環境や公共スペースと一体化した情報・環境ディスプレイの出現を予測し、それぞれの製品モデルのイメージ図を紹介した。片山氏は「今年は液晶ディスプレイにとって革命の年になるだろう。今後も世界で一番の液晶テレビメーカーとして成長したい」と抱負を語った。

(Phile-web編集部)

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