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公開日 2006/01/08 00:45

<山之内 正のCES 2006 レポート>ディスプレイ編:今年は「大きくて美しい画」に着実な進化が見える

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松下電器が103型のプラズマテレビを出品したことで薄型テレビの大型化が話題の中心を占めているが、サイズ以上に注目すべきは画質改善度の大きさである。


松下電器のプレスカンファレンスでは103型のプラズマテレビが最大の注目を集めた

松下電器が参考出展した103型のプラズマテレビ
サイズ競争は以前から繰り広げられていたが、「画面は大きいが画質はそれなり」というケースがほとんどで、不毛な戦いと言われても仕方のない面があった。それが今年は大きくて美しい画を見せる方向に確実な進化を見せている。その事実を確認できたことが、ディスプレイ分野での大きな収穫であった。

画質が向上した理由はいろいろあるが、まず大きな要素として、画素数を増やしたフルHDパネルの表現力の高さを挙げるべきだろう。液晶だけでなく、プラズマにおいても甘さが気にならなくなり、少し近付いただけで画素が目立つこともなくなった。松下電器の103型は想像以上にディテールを精緻に映し出しているし、動解像度の高さも確保している。それに加えて自発光方式ならではの力強いコントラスト感と、黒を十分に沈めた深みがあり、スクリーンではなかなか味わえない格別なリアリティが感じられた。画素数増大には放電特性の安定化が不可欠だが、その成果が確実に映像に現れているといってよい。用意されたHD映像の美しさは十分に伝わってきたが、DVDの映像をどう見せるかのか、興味深い。


LGは102型のプラズマテレビを出品

ソニーは82型液晶テレビの試作機をブルーレイディスクプレーヤーとともに展示した
ソニーとサムスンが展示した82型の液晶パネルも高い完成度を見せていた。特にxvYCC準拠を果たしたソニーのモデルは、色彩を忠実に再現することで立体感を引き出すことに成功しており、これまでの映像とは表現力の深みが明らかに違う。適切にチューニングすることによって、LEDバックライトの長所が浮かび上がってくることがわかる。早い時期の製品化が待たれるモデルである。


パイオニアが発表したエリートシリーズの50型プラズマテレビ(PRO-HDF1)
103型や82型の大型テレビは、住環境に余裕のあるはずの米国でもさすがに簡単に導入できるものではないのだろう。「自分の家には入らない」という声が会場のあちらこちらから聞こえてきた。一方、パイオニアが発表した50型の1080pモデル、PRO-FHD1は、リビングルームの高画質テレビの現実的な選択肢として、説得力のある存在と受け止められていた。昨年のCEATECで展示していたプロトタイプを進化させたものだが、高純度クリスタル層、ピュアカラーフィルターなどの独自技術を総動員した成果が確認でき、完成度が上がっている。1080pへのアップコンバート処理に不自然さがなく、動解像度が高いことも特筆できる。1万ドルという価格はハイエンド級だが、かなりの売れ行きを示すのではないだろうか。


パイオニアは自社パネルの変遷を展示してPDPの新旧比較を行った
パイオニアは1998年から2005年まで、自社の歴代プラズマテレビを展示して実際に映像を映し出していたが、それを見ると進化の過程が一目瞭然である。画質に自信がないとこういう見せ方はなかなかできないものだ。


東芝のSED専用視聴ブースには長い行列が絶えない
今回も参考出品にとどまってはいたが、東芝とキヤノンが出展したSEDはプラズマや液晶とは別の意味で強い関心を集めていた。展示モデルは今回も36型だが、北イタリアでのロケ映像を含む新たに製作されたデモ用ソースが秀逸で、SEDの長所が従来以上に実感できる内容であった。コントラストや階調表現、動解像度のチェックを意図した一般的には非常に再現の難しい映像が多く、どちらかというとプロの映像製作者を意識した場面が並ぶ。実際に、来場者のなかに映像の専門家が占める割合はかなり高かったのではないだろうか。画質はそうした厳しい要求に応えるもので、少なくとも前述の3つの比較ポイントで既存薄型テレビはいずれも敵ではない。まさに、その場で持ち帰りたくなるような、ほかでは置き換えられない表現力と美しさがある。フルサイズのパネルの完成が待ち遠しい。

(山之内 正)

[ces2006]

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