• ブランド
    特設サイト
公開日 2014/06/18 13:05

日本オーディオ協会の“ハイレゾ”定義、スペック表記40kHz以下でも認める場合も

「DVDオーディオ機器もハイレゾ」
ファイル・ウェブ編集部
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
(社)日本オーディオ協会は6月12日、同協会としての“ハイレゾ”の定義とともに、オーディオ業界全体での使用を推進する統一のハイレゾロゴマークを発表した(関連ニュース)。この内容について、既に各所で様々な話題を呼んでいるが、詳細が判然としない部分もあった。そこで今回編集部は日本オーディオ協会に追加取材を行い、編集部からの質問にご回答いただいた。

オーディオ協会が発表したのは“ハイレゾ対応機器”の定義

まず、今回日本オーディオ協会が発表した「『ハイレゾ』の定義」は以下となる。そして、日本オーディオ協会会員企業製で、この性能を保証する機器には「ハイレゾ」推奨ロゴマークが付与される。


<アナログ系>
(1)録音マイクの高域周波数性能:40kHz以上が再生可能であること。
(2)アンプ高域再生性能:40kHz以上が再生可能であること。
(3)スピーカー・ヘッドホン高域再生性能:40kHz以上が再生可能であること。

<デジタル系>
(1)録音フォーマット:FLACもしくはWAV 96kHz/24bit以上が可能であること。
(2)入出力I/F:96kHz/24bit以上が可能であること。
(3)ファイル再生:FLAC/WAV 96kHz/24bit以上に対応可能であること(レコーダーはFLAC/WAVどちらかのみで可)
(4)信号処理:96kHz/24bit以上の信号処理性能が可能であること。
(5)デジタル・アナログ変換:96kHz/24bit以上の信号処理性能が可能であること。

そのほか、各社の評価基準に基づき、聴感評価を行い「ハイレゾ」に相応しい商品と最終判断されていること。






同協会が発表した資料のなかでも「『ハイレゾ』の定義」と書かれているので、音源も含めた定義と誤解しやすいが、オーディオ協会が今回発表した定義はあくまで“民生用”の“ハイレゾ対応機器”の定義となる。

ソフトがハイレゾかどうかという基準は、JEITAが今年3月に発表した「CDスペックを超えるディジタルオーディオ」という定義(関連ニュース)や、レコード会社等の判断に基本的に準じるという。ソフトの制作環境などについても特に問わない。上記の定義にある「録音マイク」とは、PCMレコーダーに内蔵されたものなど、民生機器を想定したものという。

上記のことから、オーディオ協会の基準に照らし合わせると、44.1kHz/24bit音源は“ハイレゾ”だが、44.1kHz/24bitまでしか再生できない機器は“ハイレゾ対応機器”とは認められない。また、JEITAの定義ではDSDについて詳しく定めていないが、オーディオ協会はDSD5.6MHz/2.8MHzの再生に対応する製品も“ハイレゾ対応機器”として認める。

ソフトについては日本オーディオ協会の範疇の外ということならば、気にかかるのは先日の会見で、校條会長が「DVDオーディオはハイレゾではない」と発言していた点だ。これについて尋ねると、オーディオ協会は「言葉足らずの部分があったかも知れない」と回答。96kHz/24bit以上の音源再生が可能なDVDオーディオ対応機器については「ハイレゾ対応機器」と認めるという。なお、DVDオーディオというフォーマット/ソフト自体がハイレゾがどうかについての判断は行わない。


「40kHz以上対応」というスペックの基準とは

“ハイレゾ対応機器”としての定義のなかには、アンプやスピーカー、ヘッドホン、マイクについて「40kHz以上が再生可能であること」と記されている。この「40kHz以上」という数値は、オーディオ協会が各メーカーと話し合った結果決められたという。校條会長も会見でコメントしていたように「音と言うのは感性価値。聴いて感動する、心が震えるような音をとらえようとするなら、このくらいの基準をクリアしなければいけないと思う」という考えも理由のひとつという。

ただしこの数値、詳細な条件などは設定されていない。というのは、この部分が「各社の音づくりに関わる部分であり、オーディオ協会側で一概に数値化できない」と考えているためだという。そういった理由から、条件のひとつとして「聴感評価委員会で認証されていること」を加えたとのことだ。

そして気になるのは、ハイレゾ音源の優位性を聴き取れると定評のある製品でも、「40kHz以上が再生可能」という条件を満たさないものは多数あるという点だ。この点について尋ねると「たとえば“35kHzまで再生可能”とスペックに表記されている製品の場合、その数値は『確実に保証できる数値』であって、実際にはもっと出ている場合もあるかもしれない。そういった場合、メーカー側の聴感評価委員会等できちんと承認されており、ハイレゾ対応機器としてオーディオ協会推奨ロゴを付与したいという希望があるならば、協会としては“ハイレゾ対応機器”として認める」という回答が得られた。海外メーカーなど非会員企業の製品についても「相談による」という。

※(6月19日12:06追記)日本オーディオ協会から連絡があり「スペック上40kHz以上をクリアしていない製品でも、機器に改良などを加えることによって40kHz以上をクリアしたら、ハイレゾ対応機器として認定する場合がある。あくまで40kHz以上という数値をスペック上でクリアしていることが『ハイレゾ対応機器』認定の条件となる」と、回答内容に対して訂正が入りました。

まとめ:オーディオ協会が認定する“ハイレゾ対応機器”とは

追加取材の結果も含め、オーディオ協会が定める“ハイレゾ対応機器”とは以下のようにまとめられる。

・オーディオ協会が定めているのは“ハイレゾ対応機器”の定義であり、
 ソフトや音源の定義ではない。

・民生用機器については、96kHz/24bitのFLACやWAVに対応していること、
 40kHz以上の再生が可能なことなどが条件。

・音源自体についての基準はJEITAの基準やレコード会社等の判断に準ずる。

・ハイレゾ推奨ロゴを付与するのは、オーディオ協会会員企業の製品であり、
 協会の定める定義を満たすもの。

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック

クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 女子プロゴルフ「パナソニックオープンレディースゴルフトーナメント」、4/26からの放送・配信予定
2 売価アップも品薄も問題にしないアキュフェーズの強さに感服 <販売店の声・売れ筋ランキング3月>
3 ソナスの新製品スピーカー「Lumina II Amator」が鋭い立ち上がり <ハイファイオーディオ売れ筋ランキング3月>
4 Prime Video、『ゴジラ-1.0』ほかゴジラ邦画実写全30作品や、Prime独占EP配信の『岸辺露伴は動かない』第4期など5月配信
5 ゲオ、43V型で4万円を切る狭額縁デザインの4K液晶テレビ
6 Anker、最大半額セールを楽天で実施中。完全ワイヤレスイヤホンは割引でさらにポイントアップも
7 『鬼滅テレビ -柱稽古編放送直前SP-』5/4 13時25分から無料配信。公開生放送の観覧受付開始
8 KEF、「LS60 Wireless」など一部スピーカー製品を値下げ。4月25日より
9 スカパー!、スティック型ストリーミング端末「スカパー!+(プラス)ネットスティック」を新開発
10 Netflixで「ご利用世帯の登録」画面が表示された場合の対処法は?
4/26 10:36 更新
MAGAZINE
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー192号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.192
オーディオアクセサリー大全2024~2025
別冊・ケーブル大全
別冊・オーディオアクセサリー大全
最新号
2024~2025
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.21 2023 WINTER
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.21
プレミアムヘッドホンガイド Vol.31 2024 SPRING
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.31(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2024年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年冬版(電子版)
DGPイメージングアワード2023受賞製品お買い物ガイド(2023年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2023年冬版(電子版)
音元出版の雑誌 電子版 読み放題サービス
「マガジンプレミアム」お試し無料!

雑誌販売に関するお問合せ

WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX