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公開日 2023/07/07 06:30
【第70回】ミヤザキタケルの気軽にホームシネマ

「ナメてた相手が実は…」職業、会計士。本業・腕利きの殺し屋。この男いったい何者?

ミヤザキタケル
サブスクで映画を観ることが当たり前となりつつある昨今、その豊富な作品数故に、一体何を観たら良いのか分からない。そんな風に感じたことが、あなたにもありませんか。本コラムでは、映画アドバイザーとして活躍するミヤザキタケルが水先案内人となり、選りすぐりの一本をあなたにお届け。今回は2016年製作の『ザ・コンサルタント』をご紹介します!

『ザ・コンサルタント』(2016年・アメリカ)
(配信:U-NEXT /Netflix)

『ザ・コンサルタント』:U-NEXTにて配信中

大企業からの財務調査依頼を受けた会計士、クリスチャン・ウルフ(ベン・アフレック)。数字に関して天才的な頭脳を持つウルフは重大な不正を見つけるも、なぜか依頼を打ち切られてしまう。その矢先、何者かに命を狙われるのだが、彼には「殺し屋」というもう一つの顔があった…。

(C)2016 Warner Bros. Entertainment Inc. and RatPac-Dune Entertainment LLC.

『イコライザー』『ジョン・ウィック』『Mr.ノーバディ』など、一見平凡に見える人物が、実はとんでもなく恐ろしい人物であったり、卓越した戦闘スキルを持ち合わせたプロフェッショナルであったという類いの映画がいくつかある。大抵は元軍人であったり諜報員であったりする場合が多いが、本作における “それ” は少し特殊な設定が設けられている。そう、ウルフは自閉症スペクトラム症という発達障害を抱えた人物なのだ。

(C)2016 Warner Bros. Entertainment Inc. and RatPac-Dune Entertainment LLC.

強いこだわりや対人関係が苦手といった症状がある中、どのようにして会計士になったのか。ひいては、どのようにして殺し屋になったのか。そんな彼のバックボーンを描きつつ物語は進んでいく。先述した3作と比べると爽快感には欠けるが、自らの弱みを補うこと、弱みと思っていた部分を強みに変えるなど、教訓めいたメッセージ性を宿したウルフの戦いは、一味違った楽しみを感じさせてくれることだろう。続編の噂もあるため、今後に期待!

(C)2016 Warner Bros. Entertainment Inc. and RatPac-Dune Entertainment LLC.
※本稿記載の配信サービスは執筆時点のものになります。

ミヤザキタケル
1986年生まれ、長野県出身。2015年より「映画アドバイザー」として活動を始める。 WOWOW・宝島社sweet・DOKUSOマガジンでの連載のほか、ラジオ・配信番組・雑誌などで映画を紹介。イベント登壇、MC、映画祭審査員、BRUTUS「30人のシネマコンシェルジュ」など幅広く活動中。

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