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公開日 2026/06/18 06:35
ロングセラーとなったスピーカーケーブルが刷新!

音が良いケーブルは、音楽を深める。ゾノトーンの最新スピーカーケーブル「Grandio SP-07」速報レビュー!

井上千岳

ゾノトーンのミドルクラス「Grandio」シリーズに、新たなスピーカーケーブル「Grandio SP-07」が加わった。実に13年ぶりの刷新となるGrandio SP-07は、長年培ってきた技術とノウハウに加え、新線材など最新の知見も投入。井上千岳氏が、その実力を聴き解いた。



ZONOTONE スピーカーケーブル「Grandio SP-07」(235,400円/税込・2.0mペア完成品、19,800円/税込・1.0m切り売り)



C1011を開発の中心に独自の黄金比からなる導体



ベーシックなGransterシリーズのラインケーブルを一新し、また同じシリーズのスピーカーケーブル「SP-8800」が発売されるなど、このところのゾノトーンではエントリークラスの充実に力が注がれてきた。

その勢いをそのままに、今回は久々に上級モデルとなるGrandioシリーズのスピーカーケーブルが登場した。「7NSP-Neo Grandio 07Hi」の後継となるモデルで、新たな導体も取り入れるなど大変意欲的な内容だ。


試聴には同社代表の前園 力氏にもご同席いただいたので、開発経緯なども伺いながらご紹介することにしたい。


前モデルの7NSP-Neo Grandio 07Hiは2013年の発売。導体に高機能純銅HiFCを採用し、他にも特殊合金線や7Nクラス銅など合わせて5種の線材による2芯構成としていた。音像のくっきりした音質で、これはHiFCによる部分が大きいと力氏は言う。また合金線の存在も、それをより助長する傾向があったそうである。



前作の7NSP-Neo Grandio 07Hi


それから13年が経つから、かなりのロングセラーである。既にHiFCはなくなり、またゾノトーンの音質傾向もオーディオ界の流れも少しずつ変化してきた。新しいGrandio SP-07にも、そうした事柄が反映されているのは当然だ。実際にどう進化したのか、具体的に見ていきたい。


線材ではここ数年大きな成果を挙げているC1011が、開発の中心になっているという。電子管用無酸素銅という、OFCでも最高クラスの銅材である。またPCUHDも前のモデルにはなかった線材だ。伸展性が高く、加工によるストレスが少ない。これに7Nクラス銅、モダーン錫メッキOFC、高純度OFCという5種が選ばれた。


構造は引き続きDMHC-Duo。全体としてはプラス/マイナスの2芯だが、各芯はさらに7本の芯線で構成され2重の2芯構造となっている。それがDuoという意味だ。またその他にPEの中空パイプを2本配置しているのも、振動対策として重要なポイントである。


しかも7本の芯線は全て中身が違う。中心の1本は単線だが、それを取り巻く6本は線材も線径も異なるハイブリッドになっている。この混合の仕方については、既に独自の黄金律が確立しているという。そのうえこの数年は、力氏自身が試作を行って音質を調整しているそうだ。そのこともいっそう充実度向上に貢献しているように思える。なお端末はYラグだが、交換用のバナナプラグも付属する。



厳選された5種類による異種線材、異種線径を独自の黄金比でハイブリッドさせたストランドによる完全独立異種7芯構造を採用する







標準完成品は両端シングル仕様(アンプ側:Yラグ、スピーカー側:Yラグ)。さらに、先端交換用バナナプラグ(8個)も付属するので、使用環境に合わせて付け替えて使用できる







堅牢なつくりの分岐端子は、単体でも購入が可能(SP-BNK17B/12,650円・税込)


楽器だけでなく音場全体がそっくり見える


ちょうどいい機会なので、先にエントリークラスの「Granster SP-8800」も聴かせてもらった。4種線材によるハイブリッド構成だが、ここでもC1011とPCUHDが使われている。




ゾノトーンのスピーカーケーブルラインナップ(Grandio SP-07・切り売り品を除く)。写真左上から時計回りに、7NSP-Shupreme X(550,000円/2.0mペア)、Grandio SP-1(286,000円/2.0mペア)、Royal Spirit SP-1(242,000円/2.0mペア)、Granster SP-8800(132,000円/2.0mペア・Y×2 B×2、148,500円/2.0mペア・Y×2 B×4)


バランスが非常に均一に取れているのがなによりの特徴だが、まず感じるのは鮮度の高さ。バロックなど古楽器の艶と輝きが瑞々しさをいっぱいにみなぎらせながら描き出されている。ちょっとエントリーとは思えない。


ピアノは重心が安定し、厚手のタッチに肉質感豊かな余韻が乗って表情が緻密だ。力強さと同時にスピードにも富んで、対応力の多彩さを感じさせる。


コーラスやオーケストラは実に中庸を極めた感覚で、全てが円満に調いハーモニーがふっくらと透明に描き出されている。澄み切った響きが空間にしみわたってゆくようで、遠近や位置感も安定して全てに目配りの行き届いた再現になっている。


万全という印象だが、それならGrandio SP-07はどうだろうか。音が鳴ると、いきなり空間が見えてくる。楽器だけでなくその音場全体がそっくり見えている。いままでになかった出方と言ってもいいように思える。



バロックは古楽器のタッチが、実に繊細で瀟洒に捉えられている。瞬発力も峻烈だがそれが耳障りになることはなく、逆に表現の多彩を高めるのである。そのデリカシーと豊かな変化は実にきめ細かく、ディテールの隅々にまで及んで彫りが緻密だ。楽器同士も明瞭に分離して混濁することがなく、それぞれの実体感が高いためアンサンブルがより立体的に聴こえてくる。


ピアノは厚手の響きをそのままに、表情が非常に細密になっている。フォルテの躍動感はより凄絶だが、弱音部の風が吹き抜けるような涼しさと寂しさの混じった感触がものの見事に描き出されているのには驚嘆せざるを得ない。音がきれいなのだ。


コーラスではS/Nの高さが際立つ。ハーモニーが本当にきれいに澄んで、汚れがどこにも見えない。柔らかな響きと旋律線の絡む、美しさが堪能できる。


そしてオーケストラは柔らかなハーモニーが、これこそ弦楽器という印象だ。フルートやクラリネットの繊細な音色も金管楽器の柔和な輝かしさも、まったく雑味なく驚くほどの透明度で描かれる。またその起伏が大きく、瞬発力と大きなうねりがスケールに富んだ再現を実現するのである。


ケーブルが変わるとこうも音が変わるのか。音がいいだけでなく、音楽が深まるのだ。今回はその事実を強く実感した。


(提供:前園サウンドラボ)

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