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公開日 2019/08/22 06:15
【特別企画】アトモスのバーチャル再生にも対応

パイオニアのミドル級AVアンプ「VSX-LX304」レビュー。精緻な音場再現と“音楽力”を備えたIMAX Enhanced対応機

大橋 伸太郎

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パイオニアのAVアンプ「VSX-LX304」が、8月1日に実施されたファームウェア・アップデートでIMAX Enhancedに対応した。本機は今年4月の発売以来、バランスに優れた音のいい正攻法のアンプと評価され、VGP2019 SUMMER(AVアンプ12万円以上15万円未満)金賞を受賞した。

「VSX-LX304」(¥120,000/税抜)

このアップデートでは同時に、「Dolby Atmos Height Virtualizer」機能も実装され、本機本来の多才さ、持てる魅力が今着々と整いつつあるわけだ。

IMAX Enhancedの詳細については後述することにして、まず本機のプロフィールをみていこう。9chパワーアンプを内蔵し、ドルビーアトモスおよびDTS:Xの7.1.2/5.1.4再生に対応する。なお、同社アンプはSC”型番モデルがクラスDアンプを搭載するのに対し、本機のような“VSX”で始まるモデルは、ディスクリート構成のアナログアンプ搭載となる。

パイオニアのAVアンプは、上位モデルから下位モデルに至るまで独自の「ダイレクトエナジーデザイン」思想の元に設計されているが、それは本機も同様だ。具体的には、信号の伝送経路の短縮化、グランド(アース)のクリーン化、内部配線の線材の選定などだ。定格出力は90W/ch(20Hz〜20kHz、THD 0.08%、8Ω、2ch駆動時)となる。

ディスクリート回路を搭載するシリーズながら、上級機のエッセンスを組み込んだ9chパワーアンプ搭載モデルに仕上がっている

パイオニアのAVアンプの大きな特長が、精密かつ広範囲な音場調整機能「Advanced MCACC」である。AVアンプが多機能を求められ、他社の音場調整機能が簡略化されている現状で、中堅価格帯ながらAdvanced MCACCが搭載されているのは、本機の強みにして魅力といえよう。

本機のAdvanced MCACCについて少し詳しくみてみよう。サラウンド再生時の各スピーカーの音量、距離(耳への到達時間)、周波数特性を適正化して繋がりをよくし均一な音場に近づけていく補正機能は各社のAVアンプに搭載されているが、パイオニアのAdvanced MCACCは他社の先を行く。具体的には、各スピーカーのクロスオーバー周波数と位相の一致まで認識。その上でシステム全体のキャリブレーションを行う。

パイオニアAVアンプの大きな特徴のひとつである、高精度な音場補正機能「Advanced MCACC」を搭載

他にない武器として「オートフェイズコントロールプラス」も挙げられる。コンテンツに含まれているLFEの遅れを、聴感上のマニュアル調整でなく、コンテンツ個々の信号のリアルタイム分析による遅延の抜本的な解決を図ったのが同機能だ。オートフェイズコントロールプラスの導入で、LFEの遅延に由来する旧態依然のドロドロした“映画音響”は過去のものになった。さらには「Reflex Optimizer」において、フェーズコントロールの適用範囲をイネーブルドスピーカーにまで広げている。

リスニングルームそれぞれの伝送特性の違いによる音質の変化を補正する「定在波制御」も加わり、トータルな音場補正改善能力においてパイオニアは依然先頭をいく。中堅価格帯にありながら、同社フラグシップ機で練り上げられたAdvanced MCACCが搭載されていることは、本機の大きな魅力だ。

付属のマイクを視聴位置に固定し、画面の指示に従ってスピーカー構成などを設定していけば、調整用テストトーンの再生が開始。補正は自動で行われる

「Dolby Atmos Height Virtualizer」で、イマーシブサウンド再生に柔軟に対応

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