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公開日 2026/06/13 00:00
イヤホンはESTとBAの14ドライバー

オリオラス、イヤホンと専用アンプがセットの「Oriolus Traillii Ultra IEM System」。約159万円

編集部:小野佳希


オリオラスは、静電ドライバー4基とBAドライバー10基によるインイヤーモニター(IEM)と専用アンプで構成されるシステム「Oriolus Traillii Ultra IEM System」を6月13日から発売する。オープン価格だが1,593,900円前後での実売が予想される。


片側14基のハイブリッドドライバー構成を採用するイヤホンと、それを駆動する専用アンプ「DPA10」とのセット。従来のパッシブ型マルチドライバーIEMとは異なり、帯域分割と駆動をアンプ側で能動的に制御することで、各ドライバーをより理想に近い条件で動作させることを目指したという。「イヤホン単体では到達しにくい領域へ踏み込んだリファレンスIEMシステム」だとしている。


同社では、マルチドライバーIEMの音楽信号処理過程について次のように言及する。従来のマルチドライバーIEMでは、多くの場合DAPやアンプから出力された信号をイヤホン内部のパッシブネットワークで分割し、各ドライバーへ送るようになっているが、この方式は小型化と汎用性に優れる一方で、帯域間の相互干渉、インピーダンス変動、位相の乱れ、ドライバーごとの駆動条件のばらつきが発生しやすくなると指摘。これらにより、時には意図しない過度な変質を起こしてしまうと説明する。


これに対して今回のTraillii Ultra IEM Systemは、信号をイヤホン内部で分けるのではなく、専門のDSPにより精密に分割された低域・中域・高域を、それぞれ専用のアナログアンプ回路で独立して各ドライバー群へ届ける仕組みを採用。これによってそれぞれのドライバーを理想的な条件で制御し、強調を抑えた音楽の構造、定位、階調、余韻をそのまま耳に届けるとアピールしている。


上述のとおりイヤホン本体にはEST×4、BA×10の片側14基のドライバー群を搭載。高域にはESTドライバー4基とBAドライバー2基。中域にはBAドライバー4基。低域にはBAドライバー4基という構成を採用している。


そして各帯域に求められる役割に合わせてドライバー構成を最適化し、低域・中域・高域それぞれを独立した増幅回路から駆動。帯域ごとの負荷特性に合わせて制御することで、各ドライバーの能力をより自然なかたちで引き出すことを狙っている。


専用アンプDPA10内部には、32bitオーディオ専用DSPによるデジタル3ウェイクロスオーバーを搭載。3.5mm/4.4mm/RCA(LR)で入力されたアナログ信号を、増幅される前の段階で低域・中域・高域へと分割する。


この処理を専門の32BitDSPのデジタル領域で行い、クロスオーバーポイント、フィルター特性、帯域ごとの出力バランス、位相整合を高い精度で管理するとのこと。


これによって帯域分頻点の正確性、スロープの再現性、位相整合を理想値に近い形で制御すると同社は説明。±0.2dB以内のフラットな帯域特性と、ほぼゼロに近い位相ズレを目指したという。


そしてDSPによって分けられた低域・中域・高域の信号を左右それぞれに分け、合計12系統のアナログ信号として出力する。


その信号は2段構成の完全独立アナログ回路へ送られ、各帯域は専用のアナログ増幅回路とバッファ回路を通過し、それぞれのドライバー群をまったく別のパワーアンプで駆動する。これにより高いダイナミックレンジを確保し、低歪みな再現を実現したとのこと。


また、OPアンプ+BUF634バッファ構成にすることで各ドライバーにかかる負荷を低減。これによって、音量の大小だけでなく、微細な強弱、立ち上がりや余韻の消え際まで、より余裕を持って描き出すことができるようにしたという。


微小音量時の特性や自然な音量変化を求めて、ALPSのアナログ音量制御ポテンションメータを採用している。


DPA10には低域・中域・高域それぞれに対応する3つのゲイン調整トグルを搭載。これによって、接続するDACやDAP、入力レベル、ユーザーの特性やリスニング環境によって生じるわずかなバランスの違いを微調整し、本来目指す理想的な再生状態へ近づけることを狙っている。


RCA/3.5mm入力は最大2.0Vrms、4.4mmバランス入力は最大4.0Vrmsに対応。ポータブル環境だけでなく、据え置きのリファレンスクラスDACと接続しても利用できるようにしている。


低域・中域・高域を独立して伝送するために、イヤホン側には専用の6ピンコネクタを採用。ピンは伝送能力と接続安定性を重視した太めの仕様とし、接触面積、保持力、信号の安定性に配慮した。



一方のアンプ側には、プロフェッショナル機器の分野でも実績があるヒロセコネクタを採用。確実な接続、堅牢な固定、長期使用における安心感を提供できるよう配慮したという。


6000mAhのリチウムポリマーバッテリーを搭載し、約9時間の連続使用に対応。充電時間は、急速充電時で約3時間、通常充電時で約5時間。12ch独立アンプ駆動という構成を採りながら、携帯運用にも十分な実用性を確保したとしている。


購入者向けサービスとして、購入後にイヤホン本体部分の色や模様などのデザインを無料で変更することができる。また、パッケージには日本の漆工が幾重にも塗り重ねた朱色の紀州塗りを施している。


イヤホン部の再生周波数帯域は10Hz-40kHzで、音圧感度が109dB。帯域別インピーダンスは高域4Ω、中域64Ω、低域36Ω。ケーブルの線材には単結晶銅カスタムケーブルを使用している。


アンプ部の入力レベルはRCAおよびライン入力時に2.0Vrms以下、バランス入力時に4.0Vrms以下。出力レベルが20Vrms ± 0.5dB(32Ω負荷時)。全高調波歪率は0.005%未満(1kHz)で、S/N比は106dB。


イヤホンおよびアンプ本体のほか、スタック用バンド、専用クリップ、L字型4.4mm接続ケーブル、アンプ用レザーケース、Oriolusイヤピース各サイズが同梱される。

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