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公開日 2026/06/12 13:16
日本ケーブルテレビ連盟が定時総会を開催

ケーブルテレビ業界が抱える課題と展望。「地域課題の解決と収益拡大の両立は十分可能」

編集部:竹内 純

全国一律ではない“あなただけ”“ここだけ”のサービスが提供できる


一般社団法人日本ケーブルテレビ連盟は611日、第54回定時総会 および 第22回日本ケーブルテレビ連盟功労者表彰贈賞式を開催した。


定時総会の冒頭にあいさつを行った今林顯一理事長は、地震・豪雨・台風などの自然災害の頻発化・激甚化や山林火災・熊被害など新たな問題を指摘し、連盟の取り組みとして「災害対応」を最重要課題として位置づけるとともに、「人手不足への対応」「新事業領域への挑戦」の3つを主要課題として取り組んでいくことを明らかにした。



最重要課題と位置付けた「災害対応」では、「平時から備え、発災時に迅速に対応できる体制の構築が不可欠」と述べ、「それには大きな経済的な負担、労力、業界を超えた関係者の皆さんとの協力が求められる」と訴えた。


負担の軽減や平準化へ向けた各所と連携した具体的な対策として、災害時には対策本部への“リエゾン(連絡調整役)”派遣が有効であることに着目し、都道府県などとの連携強化に着手したと説明した。


一方、視聴環境やデバイスの変化による放送サービス収入の伸び悩み、通信サービスの競争環境激化に対し、「築き上げてきた情報通信基盤や地域の信頼の礎の上に、技術革新の成果を乗せ、自治体や地域企業、住民の皆様と連携しながら新事業領域に取り組むことで、地域課題の解決と収益拡大の両立を図ることは十分に可能」との見方を示した。


2021年にはチャレンジを具体化する「2030ケーブルビジョン」を策定。選択と集中、自助・共助・公助の精神のもとにさらに取り組みを深化させていくにあたり、その鍵として「地域密着の上に立った地域を超えた連携」「AIの最新成果をDXに取り込むAXAIトランスフォーメーション)」「業界内連携の枠を超えた新たな連携」の3つを挙げた。


地域を超えた連携では、「ケーブルテレビには、連盟活動を通じた事業者間連携という他の業界にはなかなかない特技がある。自社の取り組みを惜しげもなく披露するとともに、抱える課題を共有し、文殊の知恵で解決してきた共助の精神は、地域を超えた連携サービスのエンジン」と唯一無二の強みを強調。


「地域事情に最も通じる事業体同士が連携することで、全国一律ではない“あなただけ”“ここだけ”のサービスを、地域を超えて提供することが可能になる」と述べた。


AXでは、AIを活用した社内業務改革、人手不足を補う試み、新たな地域サービスへの挑戦などが始められるなか、「経営者の皆さんが正しく理解し、社員が適正に使いこなせる教育環境を整えることが必要。愛と情けのあるAI活用を目指したい」と訴えた。


あいさつの最後に今林理事長は、「ケーブルテレビは若い方々にこの会社で、この業界で働いてみたいと思っていただける魅力のある、将来性を秘めた業界であると私は確信している」とコメント。


「ただ、そのためには地域を超えた連携、業界を超えた連携、新技術や新サービスへの果敢なチャレンジが必要。業界共通課題の解決に向けた活動プラットフォームとして、連盟がその役割を果たしていく」と力を込めた。


自然災害時に必要な情報が確実に届く社会の実現へ


続いて、来賓あいさつで登壇した総務省 情報流通行政局長・豊嶋基暢氏は、「情報空間は非常に多種多様となり、さまざまな価値ある情報が容易に入手できるプラスの面もあるが、玉石混交の空間になってきている」と指摘。放送が果たすべき役割や届け方を改めて正面から議論し、将来を見定める必要があると訴えた。



こうした環境下でのケーブルテレビの存在を、各地域での地域住民の多様なニーズに応えた放送番組の提供をもちろん、「コンテンツ以外にも、地域の貴重で重大な情報通信ネットワークを担っている側面は大きく注目をしていくべき」と述べた。


「持続可能な地域社会を形成し、発展を遂げるという観点から、昨年の6月に『2030ケーブルビジョン』の見直しが行われ、地域の見守り、遠隔医療、スマートシティの推進など、地域DXの担い手として地域が抱える課題の解決に尽力されていることも承知している。こうした取り組みに改めて感謝を申し上げたい」と大きな期待を寄せた。


総務省においては、地域社会のDXを推進して地域社会の課題を解決する「地域社会DX推進パッケージ事業」により、「デジタル人材や体制確保の支援、先進無線システムの実証、地域の通信インフラ整備の補助などの総合的な取り組みを行っている」と説明。


放送分野においては本年5月に「放送ネットワーク強靭化アクションプラン」を策定発表。「強さとしなやかさを兼ね備えた放送ネットワークを構築することで、自然災害時に一人でも多くの人命を守り、国民生活や社会経済活動の維持し、早期復旧を図るために必要な情報が確実に届く社会の実現に向けて全力で取り組んでいく」と訴えた。


「全国のケーブルテレビ事業者の皆様の地域の情報通信インフラを支える不断の努力に改めて感謝を申し上げるとともに、今後の連携を一層強化し、共に課題解決に邁進していきたい」とあいさつを締めくくった。


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