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公開日 2026/05/01 19:16
関係者が詳細を解説

TCLの「SQD-Mini LED」が高画質化に有利な理由とは? RGB Mini LEDと何が違う?

編集部:小野佳希


TCLは、同社が開発した新たな高画質化技術「SQD-Mini LED」の詳細について説明会を開催。既存のRGB Mini LED技術との差異などについて、同社が主催するイベント「TCL GPC(Global Partner Conference)2026」に集まった世界各国のプレス関係者に向けて解説した。


SQD-Mini LEDが高画質化に有利な理由とは?


「SQD-Mini LED」の「SQD」は “Super Quantum Dot” を意味しており、従来の “Quantum Dot”(量子ドット、QD)技術をさらに進化させたもの。同技術を搭載したフラグシップ4Kテレビ「X11L」が中国などで展開されており、TCLの関係者によれば「日本市場への投入も近いうちに正式発表する予定」だという。



近年、テレビの高画質化技術については、R(Red/赤)、G(Green/緑)、B(Blue/青)の3色それぞれのLEDをバックライトに使うRGB Mini LEDがトレンドになりつつある。TCLでも同技術を採用したテレビを展開しているものの、上記のとおり最上位モデルはSQD-Mini LEDを採用する「X11L」だ。


つまり、TCLとしてはRGB Mini LEDよりもSQD-Mini LEDのほうが画質的優位性を持っていると考えていることになる。その理由とはどんな部分にあるのだろうか?


その大きなポイントは、RGB Mini LEDではひとつの調光ゾーンを構成するためにRGBそれぞれの光源が必要になることだとTCLは説明。RGB Mini LEDは、3色それぞれでLEDを使うため実装スペースが多く必要になり、その結果、エリア駆動の分割ゾーン数を増やしにくい。また、コスト増にもつながると同社は説明する。



さらに、複数色が同一領域に表示される際にはバックライトが白成分を帯びやすく、色のにじみ(クロストーク)や色純度低下が発生しやすいとも同社は解説。RGB Mini LEDは色域の面では優位性があるものの、コントラストや安定した色再現という点では課題を残す技術だと指摘した。


これに対し、SQD-Mini LEDを採用するX11Lでは、新構造の量子ドットと20,736分割という細かさのLEDエリア駆動技術、傘下のパネル製造会社CSOTによる最新の液晶パネル「WHVA 2.0 UItra Panel」という3つを組み合わせて高画質化を図っていると説明。


純度の高い量子ドット発光によってBT.2020を100%カバーする広色域を実現するとともに、昨年モデルの倍以上となる2万超の細かなローカルディミングによって暗部の沈み込みと明部のピーク輝度を両立。最大10,000nitの輝度したことに加えて、複数色が重なるシーンでも色が濁らず、常に正確な色再現を維持できるようになったという。



バックライトのエリア制御数の違いを見せるデモ。写真中央が今回の新モデルのもの 


“スーパー” 量子ドットは何が進化した?


その新たな量子ドット技術「Super Quantum Dot」では構造を進化させ、粒子サイズを精密制御することで性能を大幅に向上させていると同社は説明。従来の量子ドット技術と比較して、色域33%拡大、色純度70%向上、ブルーライト45%低減といった進化を実現させたという。


従来の量子ドットは2層構造だったが、Super Quantum Dotは複雑な多層構造を採用。発光波長を決定するコア層、電子をコア内に閉じ込めるための層、結晶の不整合を低減するための合金バリア層、そして、表面からの水分や酸素を遮断して素子を守る保護層という構造になっている。量子ドットは湿気や酸素に弱いため、ライトシールド技術による保護も行い寿命を改善している。



なお、このSuper Quantum DotはNanosys社と共同開発したもので、内部に新たな化学成分を投入しているとのこと。TCLとNanosysでは350種類以上の異なる配合をテストし、ベストな配合を見つけたという。



また、最新液晶パネル「WHVA 2.0 UItra Panel」では、新しいカラーフィルター技術によって従来よりも色純度が向上するとともに、独自の視野角拡張技術によって広視野角も実現したと紹介。狭額縁設計も可能になったとのことで、ベゼル幅も35%削減されているという。



将来的には他社への技術提供予定も


SQD-Mini LEDはTCLの独自技術であり、これを搭載したモデルは今のところX11Lのみ。「もしかすると、我々とは異なるアプローチでSQDと同様の機能を実現しようとしているメーカーもあるかもしれない。しかし少なくともこのSQD-Mini LEDはTCL独自のエクスクルーシブな技術だ」と関係者は語る。



画質比較デモ。左が今回のSQD-Mini LEDを搭載する「X11L」


さらには、「将来的には他社に技術ライセンス供与する可能性もある。SQD-Mini LEDと命名したのは、他社への提供も視野に入れていることも理由にある」とのこと。


少なくとも当面はX11L、そしてTCL製テレビへの投入からということになるだろうが、もしかすると他社製品にSQD-Mini LEDが広がる未来もあるのかもしれない。


別記事でレポートしているように、X11Lは日本市場への導入も近いうちに発表される見込み。正式発表の際には当ファイルウェブでも続報をお届けする予定だ。ご期待いただきたい。


 

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