公開日 2026/05/25 06:30

ネットワークアクセサリー、導入の指針(2) -光アイソレーター、ハブ、ルーター、DC電源

ノイズ対策アイテムを徹底紹介

「ネットワーク」オーディオの音質を高めるためには、当然ながら “ネットワーク環境” の改善が必要だ。ネットワークオーディオの盛り上がりに伴い、数多くのアクセサリー製品が市場に登場してきている。

アクセサリー導入の指針を2回に分けて紹介していくこのコーナー。1回目の「LANケーブル」「アイソレーター」「空き端子挿入アイテム」に続き、ここでは「光アイソレーター」「スイッチングハブ」「ルーター」、そしてその大元として大切な「DC電源」について解説していこう。

光アイソレーター -電気的な絶縁でノイズの伝播を防ぐ

LANケーブル経由のノイズをシャットアウトするうえで非常に強力な効果を発揮するのが「光アイソレーター」だ。LAN(RJ-45)で入力された電気信号を内部でいったん光信号に変換し、その後再び電気信号に戻してLAN(RJ-45)で出力する。これにより、導体が金属のLANケーブルでは困難な「接続機器間の電気的な絶縁」を実現して、ノイズの伝播を防ぐのである。

驚異の低価格と高い性能を両立させて爆発的にヒットしたのが、トップウイング「OPT ISO BOX」だ。通信速度切替機能を搭載しているのでネットワーク環境によって好ましい速度を選べる。

SilentPower「LAN iPurifier Pro」もいい。iFi audioからスピンアウトして誕生したアクセサリー専門ブランドで、光ガルバニックアイソレーション技術による完全な信号分離、アクティブ回路による信号再生成、ジッター除去、の3段構えである。

ちなみにこの2機種はACアダプター電源である。一方のEDISCREATION「FIBER BOX3 JPSM」は低ノイズのリニア電源を搭載している。OCXOクロックを採用するが、後述する同社のネットワークハブ「SILENT SWITCH OCXO 2」とのクロック同期も可能で、クロック同期したときの定位のシャープさは特筆に値する。

スイッチングハブ -ポートの数と種類、クロック品質がポイント

ご存知の通り、ルーターだけでは有線接続しきれない数のネットワーク機器を使用する場合に、LANポートを増設する機能を果たすのがハブだ。しかしハブには音質向上効果も期待できる。オーディオ再生に必要な通信をハブ内で完結させて、無線LANなどのその他の通信をひとまずは切り分けることで通信の集中を解消できるからだ。

オーディオハブは国内外多くのブランドから登場してきている。音質はもちろんだが、機能面では以下の点に着目して選択するとよいだろう。

  1. LAN(RJ-45)ポートの数
  2. SFPポート搭載の有無
  3. クロックの品質、外部クロック入力端子の有無
  4. 電源クオリティ(リニア電源/スイッチング電源)

以下におすすめするハブはどの機種も、ハブにつきまとうポート間の干渉と高周波ノイズの問題にはそれぞれのやり方で厳重に対処している。

DELA「AS-001」は、バッファロー製品をカスタマイズして低価格ながらオーディオ用途を追求したハブとなる。RJ-45を8基、さらにSFPポートを2基搭載するので、光アイソレーションが可能である。電源もACアダプター電源ではなく内蔵電源で、電源接続端子は3ピンインレットなので、電源ケーブルによるグレードアップも可能と、かなり価格破壊的な内容である。

 DELA オーディオ専用ハブ「AS-001」(61,050円/税込)※LANケーブル「C100」(2.0m)1本付属

いま最も注目を集めているハブがトップウイング「OPT REF SW」だ。RJ-45×5、SFP×3、SFP+/SFP×4と発展性抜群。二段構成のクロックシステムを採用し、外部クロック入力も搭載。電源はACアダプターである。

TOPWING オーディオ専用ハブ「OPT REF SW」(220,000円/税込)
 
マニアックな造りと内容がオーディオファイルの心をくすぐるハブがEDISCREATIONの「SILENT SWITCH OCXO2 JPSM」だ。RJ-45×5、SFP×1。OCXO(恒温槽付)クロックを内蔵し、上述の通り「FIBER BOX 3」とクロック同期できる。超低ノイズのリニア電源を搭載している。さらにグランドアイソレーション・スイッチを全入出力に装備、接続機器間のノイズの回り込みを防ぐことができる。
 
究極を目指す方には韓国のハイエンドメーカーaurenderの「NH10」がおすすめだ。6基のRJ-45には最大7重にもなる絶縁フィルタを実装。SFPは2基。クロックは超高精度OCXOで、外部クロック入力も装備している。なんと全回路に独立リニア電源を搭載する。
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Silent Angel「NX」(550,000円/税込)、SOtM「sNH-10G」(308,000円/税込)など、ネットワークオーディオ関連ブランドからもハブは多く登場している。

ルーター -オーディオ専用のネットワークを構築

もし以上でご紹介した製品群をもってしても満足いく音が得られなかった場合には、オーディオ専用ルーターをご検討いただくとよいだろう。

家庭ではネットワークオーディオ機器と同じネットワークにスマートフォン、ゲーム機などさまざまな機器が接続されているので、基幹のルーターにオーディオとは関係のない負荷がかかっている。しかし上述のハブだけでは「完全隔離」が難しい。そこで一部のネットワーク知識豊富なマニアは、二重ルーター化やセグメント分離をして、家庭内のネットワークに混在する通信を遮断してオーディオと「完全隔離」を実現。純粋にオーディオ専用のLANを構成し、音質向上効果を享受しているのである。

なお、オーディオ専用ルーターを追加で投入する場合、iPad等のスマートデバイスで操作するためには、別途無線アクセスポイントが必要になるので注意してほしい。

安価なものでお探しなら迷わずトップウイング「DATA ISO BOX」である。ハードウェアもソフトウェアも音質を最重要視して設計・構成されている。RJ-45はオーディオ用×3、無線AP用×1、上位ルーター用×1。

DATA ISO BOXより高価にはなるが、ACアダプター電源でなく完全リニア電源を搭載するEDISCREATION「NET SILENT JPSM/JPEM」は最近発売されたばかりの話題作だ。RJ-45×3、SFP×1を装備する。各RJ-45はグラウンドをアイソレートできるのが最大の特徴だ。高精度OCXOクロックも内蔵する。

同じくリニア電源を搭載するSynergistic Research「Network Router UEF」は、RJ-45×5。独自のUEF(Unified Electromagnetic Field)技術やULF(Ultra Low Frequency)技術を搭載する。小手先のノイズ対策では到底不可能な、きわめて静かな音場を現出させるオーディオ専用ルーターである。

DC電源 -電源のノイズ対策が最後の鍵

今回取り上げた光アイソレーター・ハブ・ルーターだけでなく、ネットワークプレーヤーにもACアダプターを用いたDC入力で動作する製品が非常に多い。しかしACアダプター電源は強烈なノイズ源だ。そこで、ノイズに配慮したリニア電源を元々内蔵する製品を選ぶか、あるいはオーディオ専用に設計開発された以下に紹介するDC電源を導入すると、ネットワークオーディオの音質は飛躍的に向上する。

SilentPower「iPower2」(出力電圧別に5V/9V/12V/15Vモデルを展開)は、姿形はACアダプターそのものなので、改めて設置場所探しをする必要がないのがいい。内蔵するActive Noise Cancellation IIがすべてのEMI(電磁干渉)とRFI(高周波干渉)ノイズをキャンセルする。

トップウイングの「DC POWER BOX」(5V/12V/19V)も大人気だ。写真からイメージするよりずっと大きくて重い本機は応答性に優れ、低歪みな大容量Rコアトランスを搭載する。

Ferrum Audioの「HYPSOS」も忘れてはならない。5V DC - 30V DCを可変して設定可能という、独自の技術を搭載する。ACアダプター電源を採用するネットワークオーディオ関連機器のほとんどにHYPSOSから給電できるのである。

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