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無線アクセスポイントの追加が鍵

70万円の“オーディオ専用”ルーターがヤバい!音質改善の最後のピース、導入のポイントを解説

公開日 2026/03/13 06:30 園田洋世
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「二重ルーター」が音質改善に効く!

家庭ではネットワークオーディオ機器と同じネットワークにスマートフォン・タブレット、ゲーム機、パソコン等々さまざまな機器が接続されているので、基幹のルーターにオーディオとは関係のない負荷がかかっている。

ネットワークオーディオの音質の向上のためには、それらの家庭用機器とオーディオ機器との分離が効果的である。「分離」とは具体的には、オーディオ専用ルーターを導入し、二重ルーター化・セグメント分離をして家庭内のネットワークに混在する通信を遮断し、オーディオ専用のLANを構成する、というものだ。

ことに、発売以来ネットワークオーディオ界隈で大いに話題を呼んでいる米名門アクセサリーメーカー・Synergistic Researchのオーディオ専用ルーター「Network Router UEF」導入による二重ルーター化は、効果が桁違いに大きい。

Synergistic Reserachのオーディオ用ルーター「Network Router UEF」(左・726,000円/税込)とオーディオ用ハブ「Ethernet Switch UEF MKII」(右・682,000円/税込)

70万円超という価格も驚きだが、そもそも市販の汎用品ルーターとはモノが違う。ボディは航空機レベルのアルミ削り出し素材で、天板とインシュレーターはドライカーボン製。ともに不要振動吸収・電磁波遮蔽性能に優れた素材だ。そしてよくあるACアダプター電源ではなく上質な電源部を内蔵しており、IECインレットを装備しているうえ、同梱される電源ケーブルがこれまた同社製の「SR」と大変高品質なもの。

それだけではない。Network Router UEFにはSynergistic Researchの独自技術であるUEF(Unified Electromagnetic Field)技術やULF(Ultra Low Frequency)技術が搭載されている。

UEF技術はさまざまな回路上で発生する異なる電磁界をひとつの理想的な電磁界で包み込みこむことにより音の雑味を排除する。またULF技術はシューマン波を生成することにより、人間にとってより自然な音を作り出すという。

ルーターの導入には「無線アクセスポイント」が必要

Network Router UEFの繋ぎ方は簡単だ。既存のルーターあるいはスイッチングハブとNetwork Router UEF背面の「IN」と書かれているLANポートの間をLANケーブルで繋ぎ、他のポートにネットワークオーディオ機器を繋ぐだけ。

ここで、別途「無線アクセスポイント」の用意が必要になるのでご注意いただきたい。無線アクセスポイントは、スマートフォン等で操作アプリを活用するために必要となるものだ(2台目のルーターにネットワークオーディオ機器を接続すると、1台目のルーターすなわち上流の既存ルーターの無線アクセスポイントが使えなくなる)。

Network Router UEFを快適に使うためには、別途「無線アクセスポイント」が必要となる。無線アクセスポイント(右下)と、Network Router UEFをLANケーブルで接続

アクセスポイントはTP-Linkなどの汎用製品から、トップウイングのオーディオ専用アイテムまで幅広く登場してきている。「2台目のルーターとなるNetwork Router UEFと」アクセスポイント(今回はTP-Linkの「EAP613」を使用)をLANケーブルで接続し、操作端末(スマートフォンやタブレット)を無線Wi-Fi接続する、というセットアップが必要になる。

Network Router UEFの下流に設置したアクセスポイントに、操作端末(スマートフォンやタブレット等)のWiFiを接続する

言葉にすると若干複雑に思えるが、ネットワークオーディオを一人で問題なくセットアップできる、という方にとってはそれほど難しくないだろう。

一連のセットアップはものの数分程度で完了した。思っていたよりずっと簡単であった。 

S/Nが根本的に改善し雑味が取れる

今回、輸入元のアイレックスから、背面のトグルスイッチでUEFおよびULF機能をオンオフできる特別なデモ機をお借りして試聴した。

まずはいずれもオフの状態から。Qobuzで配信されている楽曲を試聴してみると…S/Nが根本的に違う!

クルマで例えるなら、車内の遮音性能が高まっただけでなくそもそものノイズの主たる発生源であるエンジンの静粛性が圧倒的に高まった感じとでも言えようか。

セグメント分離自体の効果と、筐体・電源の質向上がもたらす効果だけでも非常に大きいようだ。

各楽音が秘め持っている情報量・エネルギーも断然大きいことを感じさせる出音で、Yosi Horikawaの「Bubbles」はさまざまなモノが床に落ちては弾む音に生気が強くみなぎっている。

次にいよいよUEF・ULF機能をオンにすると、ノイズフロアがさらにガクン!と下がり、1音1音にまとわりついていた雑味がスッキリと解消する。

エッタ・キャメロン「You Are My Sunshine」は金属パーカッションの音色が耳に不快な金属感を強調せずに美しく澄み、音場に3次元的に展開する各音像は特に左右・前後方向の定位の精度をビシビシビシッ!と高めている。

スイッチングハブの併用も効果倍増

ちなみにSynergistic Research社ではNetwork Router UEFの下流に設置するスイッチングハブ「Ethernet Switch UEF MKII」も用意しており、最大限の音質を確保するにはNetwork Router UEFとEthernet Switch UEF MKIIの併用を推奨している。

「Network Router UEF」(上)と「Ethernet Switch UEF MKII」(下)の背面端子

Ethernet Switch UEF MKIIもNetwork Router UEF同様のボディ構成で、UEF・ULF両技術も搭載している。

Network Router UEFとEthernet Switch UEF MKIIをLANケーブルで繋ぎ、ネットワークオーディオ機器をEthernet Switch UEF MKIIに繋ぎ換えて聴いてみよう。我慢できないのでこちらはもう最初からUEF・ULFをオンにして聴き始める。

Yosi Horikawaもエッタ・キャメロンも音楽の背景がまさに漆黒の闇。S/Nが極限まで高められている。シーン!と静かな背景と、より雑味が消えより生気がみなぎる楽音とのコントラストはまさに圧巻!目の前で演奏しているとしか思えない実在感である。

初めて聴こえる音がたくさん。タン・ドゥン『交響曲1997「天、地、人」』は鐘の倍音描写が断然精緻さを増し、太鼓群のアタックは深く強く、余韻が空気の動きとしてふわっと聴き手の身体に伝わってくる…。

試しにアクセスポイントをTP-LinkからトップウイングのOPT APに換えてみたところ、音像の彫りが深くなり鮮度も上がったうえ、立ち上がり立ち下がりが俊敏になった。アクセスポイントでも変わるのか!…新しい分野をこれから開拓できる喜びで胸がドキドキする。

トップウイングの無線アクセスポイント「OPT AP」に繋ぎかえるとさらに効果倍増!

今度はトップウイングの無線アクセスポイントにWiFiを接続

なおアイレックスでは2026年3月31日まで、オーディオ用ルーター「Network Router UEF」またはオーディオ用スイッチングハブ「Ethernet Switch UEF MKII」を購入者向けのキャンペーンを実施している。

LANケーブル「Atmosphere SX Ethernet(1m)」と空きLAN端子に差し込むアクセサリー「UEFパフォーマンスエンハンサー」を1つずつ、合計291,500円相当のアイテムをプレゼントするというものだ。

二重ルーターは「設定が難しい」という声もある。だが、ある程度ネットワークオーディオに慣れている人ならばそれほど難易度は高くないし、サポート体制のしっかりした専門店のスタッフの知恵を借りるも良い。ぜひこの機会にNetwork Router UEF販売特約店でご試聴いただきたい。 

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