PR 公開日 2025/02/26 10:07

スピーカーケーブルを最高グレードに。NCF搭載、フルテックの最高峰Yラグ&バナナプラグをクロスレビュー

オーディオアクセサリー銘機賞【グランプリ】受賞モデル
福田雅光/炭山アキラ/園田洋世
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パーツひとつひとつの性能を徹底して突き詰め、ハイエンドにふさわしいアイテムを相次いで生み出し、高い評価を得ているフルテック。今回は「オーディオアクセサリー銘機賞2025」で栄えあるグランプリを受賞したNCFの最新・最上位のYラグ、バナナプラグを3人の評論家がレビューする。

左からハイエンド・グレード Yラグ 「FURUTECH CF-201 NCF Plus(R)」 (26,565円・2個 / 税込)、ハイエンド・グレード バナナプラグ「CF-202 NCF Plus(R)」(30,360円・2個 / 税込)

福田雅光 / スピーカーケーブルを最高グレードにする終端アクセサリー


Yラグやバナナプラグが、重要な信号経路の中にあることは読者も理解できることと思う。この品質が、ケーブルの性能を大きく変化させてしまうのだ。

一見すると地味な存在ではあるが、各種の端子をこれまでに試聴してきた筆者の経験からすれば、フルテックの今回の新製品YラグCF-201 NCF Plus(R)とバナナプラグCF-202 NCF Plus(R)の完成度は、見事な性能を達成していた。音質ロスがなく、解像度を強化するようなメリットも感じられる。これは間違いなく、世界一の性能と品質である。その設計姿勢に、オーディオアクセサリー銘機賞2025のグランプリを提案した。

フルテックの今回のPlus(R)シリーズ端子は、2023年に発売されたCF-201 NCF(R)とCF-202 NCF(R)の問題点を対策して、バージョンアップされた改良製品である。音質性能をさらに強化して、同時にワイヤー接続での作業性も改善している。こんな短時間で素早い対応がされたのは素晴らしいことだ。

外観デザインからの違いは、よく観察しなければ見分けはつけにくいが、極性を示す赤と白のリングの位置が異なる。ロジウムメッキとシルバーメッシュの、美しい宝飾品のような豪華な作りが魅力である。

プラグ内部の改良点は幾つかある。純銅ロジウムメッキ・ワンピース構造は、スピーカーターミナルとの接触部分と、ケーブルワイヤー導体の接続部分を一体構造としたもので、構造や厚みが修正された。また、これに装着するダンピングリングを改良。制振効果や静電気の排除のために作用し、材料はセラミックパウダー、NCF液晶ポリマー樹脂などを調合したもので、音質に重要な働きをしている。装着可能な導体の最大径も拡大された。


Yラグ(右)と、バナナプラグ(左)の内部。ボディを2ピースから1ピースとし、ボディ部内径の増加により、中心導体の先端の厚みを変更。ネジ止めまたはハンダ付けの2種の導体固定構造を備え、確実な接触を確保する
同じケーブルの両端に新旧のYラグ、バナナプラグを装着した2種類を用意して試聴した。旧モデルも大きな不満があるわけではない。敢えて難点を探せば中高音が伸びきらない、ややデッドな傾向や全体にぬるさがあるといったことが挙げられる。

新製品にすると、これはあ然とするほどに全体が変化して驚く。変化の大きさは想像以上である。帯域展開が拡大して高域まですっきりと伸びきり、中音高音のトランジェントが冴えて輪郭を明確に表現。キャロル・キッドの「ホエン・アイ・ドリーム」の声は、洗練された瑞々しいものとなった。伴奏のギターの旋律は立ち上がりに優れ、アルペジオが冴える。そして、低音も分解力とダンピングが強化されて低音楽器は明確になり、音の動きがはっきりする。

このようなパーツで圧倒的な違いが発生してくる。最終的な伝送経路の対策に意味があることは覚えておきたい。Yラグやバナナプラグ、スピーカーケーブルの終端アクセサリーに、こんなに技術と情熱を持って取り組むメーカーは現在、世界にフルテックしかない。



特別に設計された止めねじ構造で、ケーブル導体とアルファ純銅導体とをしっかり接触。内径を5.7mm から7.2mm に変更し、取付ワイヤー径を5.5mm から7.0mm に拡大

炭山アキラ / 声、ベースを一聴して違いが分かる


特殊素材NCFというのは本当に不思議な素材で、それが用いられたアクセサリー製品をどれほど大量に使っても、副作用らしきものが出てこないし、次々と追加で導入していっても、効果に飽和点というものが見当たらない。

フルテックでは、超ハイエンドの自作派が愛用、あるいはハイエンド・ブランドのケーブル製品にも採用されるハイエンド・バナナプラグとYラグに、すでにNCFを投入してきた。今作は、そのアップグレード版である。従来品と聴き比べると、一聴して音のバリが取れたことが分かる。バリなんてどこにあったんだ、と驚く半面、NCFらしいなと納得もする。

一聴、サラリとした質感だが、これは音楽に付帯していた重量を取り去ったためであることが分かる。声のあでやかさと言い、魂が吹き込まれたベースの鳴りっぷりと言い、高度なハイファイと絶妙な聴きやすさが同居した表現だ。

園田洋世 / 音像を引き締め、3次元的に定位


前モデルの「CF-201 NCF(R)」「CF-202 NCF(R)」と今回の新しい製品を、同じスピーカーケーブルに装着したもので比較試聴してみた。

試聴曲のアブラス指揮『マルコプーロス:オルフェウスの典礼』(オラトリオ)は、「Plus」がつく新モデルにすると、打楽器の音像がギュッと引き締まるうえに、3次元的にビシッと定位する。ノイズフロアが下がり、音像間に距離が出る。ハープやナレーションの音像の周囲が静か! なおかつ残響音が精密。また、バリトンは音抜け良く朗々と歌い、コーラスとの分離も鮮やか。最強のバナナ、Yラグと言っていい。ハイエンドな完成品ケーブルで採用するブランドが今後増えていくことだろう。

気に入った切り売りケーブルの先端に取り付けることで、劇的にレベルアップができる端子なので、自作派も要チェックである!


本記事は『季刊・Audio Accessory vol.195』からの転載です
(提供:フルテック株式会社)

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