PR 公開日 2024/07/11 10:00

シンプル&コンパクトで圧巻のサウンド!オーディオテクニカの「AT-SP3X」でレコードを楽しみ尽くす

アナログレコード再生時の出音を追求

■サイズ・価格感を忘れさせる出音。ワイヤレス再生のクオリティも担保



「Bluetooth送信機能を持つプレーヤー」「フォノイコライザー内蔵機」という組み合わせで試聴を行うべく、オーディオテクニカの「AT-LP120XBT-USB」(オンラインストア限定モデル/税込49,500円)と、「AT-LP7」(税込98,868円)のグレードの違う2つのプレーヤーで現代のポップスやジャズを再生し、クオリティチェックを行った。

設置準備(音を出すまでの作業)の容易さはアクティブスピーカーが持つ大きなメリット。手順としては、AT-SP3Xの左右のスピーカーを付属ケーブルで接続して、右側のスピーカーにACアダプターを接続。あとはスピーカーをスマホやレコードプレーヤーなどとBluetoothもしくは有線で繋ぐだけである。たったこれだけでいい。

まずは安価な方のモデル「AT-LP120XBT-USB」と組み合わせた。本製品はダイレクトドライブ駆動方式を採用し、北米を中心に全世界で大きく販売実績を伸ばしている「LP120」シリーズの最新モデルだ。

まずはBluetooth対応モデルの「AT-LP120XBT-USB」との組み合わせをチェック!

高トルクのモーターや制振設計を施したキャビネット、アルミニウム合金ダイキャスト仕上げのプラッターを採用し、さらにUSB出力とアナログ出力に加え、Bluetooth接続(送信)機能を備えている。スピーカーと合わせて10万円でシステムが組めるし、有線/無線の2つの接続方式を選択できるのもいい。

まずはプレーヤーとスピーカーをRCAケーブルで結ぶ有線接続で試聴する。テイラー・スイフトのアルバム『Tortured Poets Department』(2024年/33回転/輸入盤:5893331)をターンテーブルにセットし、そのリードグルーブに針を落とす。

このスピーカーの音質的な特徴として、まず高音域に独特の透明感があり、クリアーな質感を持つことが挙げられる。また、見た目より低音域のボリュームがしっかりと出ており、アンプの性能と絶妙なチューニングにより重量感のあるエレクトリックベースを秀逸に表現する。

ロックも聴いてみた。日本のクイーンファンが選んだ、同アーティストのベスト・アルバム『グレイテスト・ヒッツ・イン・ジャパン』から、トラック2の「Don't Stop Me Now」を再生する。中高音域のディテールが良さはスピーカーの価格感を良い意味で感じさせない。フレディ・マーキュリーのハイトーンでメロディアスなボーカル、ブライアン・メイのギターソロもセンチメンタルな旋律もしっかりと表現してくれた。

続いてBluetooth接続で聴く。AT-SP3Xの電源ボタンを押してBluetoothモードにした後、本体裏のペアリングボタンを押すと青色のLEDが点滅し、ペアリングモードに移行する。レコードプレーヤー側もペアリングモードにすれば、スピーカーからペアリング完了の通知音が出て完了を教えてくれる。

接続状況は右スピーカーに備えられたLEDインジケーターで確認可能。緑がライン入力モード、青がBluetoothモードとなっており、1ボタンで切り替えが可能

LEDの点灯状態と通知音でガイダンスされるのでスムーズに設定が終わった。ちなみに、スピーカー側のLEDは赤(電源OFF)、緑(ライン入力モード)、青(Bluetoothモード)の3色で状態を確認することが可能だ。

ここで改めてテイラー・スイフトを再生して音質を比較する。音の違いとして、オーディオ的な表現をするならば絶対的な情報量は有線接続に若干のアドバンテージがある。しかし帯域バランスや質感が大きく変わることもなく、一定以上の音質を担保している。

クリアーで余裕の感じられる音の出方は一緒で、タイトで引き締まった力強い低域、ボーカルは適度な音色の良さがあり、音像は前に出しつつも音場の広さには不足はない。クイーンでも同様だが、特に中低音域の表現が良く、ジョン・ディーコンの分厚いベースの再現性が高い。つまり、アナログ盤が持つグルービーな音がしっかりと表現できているのだ。流石に多数のアナログ機器を出すメーカーのスピーカーだと感じた。音作りがこなれている。

Bluetooth接続でも質感やバランスが大きく変わること無く、安定した再生音を楽しめた

一言でいうなら楽曲に音がサイズ負けしてない。コーラスの広がりも良く感じたが、ここはトゥイーターのディフューザーが効いているのであろう。正面方向以外の場所でも空気感をしっかりと表現してくれる。

正直な気持ち、Bluetooth接続での音質には一抹の不安があったが、必要十分な音が出ていることに安心した。プレーヤーとスピーカーを繋ぐケーブルがないと、視覚上はスッキリとするので、ワイヤレス接続でもちゃんと一定の音質を実現してくれているのは嬉しい。

■プレーヤーのグレードの違いを描き分ける表現力に圧巻!



最後はプレーヤーをAT-LP7にチェンジして、AT-SP3Xの表現力の上限を確かめてみた。しっかりとしたエンクロージャーとベルトドライブ方式を採用し、20mm厚の切削ポリオキシメチレン(POM)製プラッターや、ヘッドシェル付きVMカートリッジ「VM520EB/H」も特徴のグレードの高いレコードプレーヤーで、見た目にも高級感がある。まずはテイラー・スイフトから試聴したが、予想以上の音質向上効果が聴き取れた。高音域から低音域にかけて音のフォーカスがグッとあがり、より重心の低い安定感のあるサウンドになる。

「AT-LP7」でも再生音をチェック。ラックに収められたレコード盤が今回の試聴盤だ

ここで感心したのが、AT-SP3Xがしっかりとアナログプレーヤーのグレードの違いを描き出す素性の良さがあるということ。

カマシ・ワシントンのアルバム『Fearless Movement』(2024年/33回転/輸入盤:YO350LP)からトラック1「Lesanu」に針を落とした。現代ジャズ・シーンを牽引するサックス奏者のアルバムだが、ここでAT-SP3Xの次なる魅力が判明した。イントロのコーラスがホログラフィック状に眼前に出現するのだ。ステージの表現もなかなか秀逸だ。

低域が力強く、中音域が抜けていないから、ジャズとの相性も良い。小音量でも聴いてみたが、低音域の痩せが少なくバランスが崩れない。これはDSP側で音量による帯域バランスを補正しているためで、その効果がしっかりと聴き取れた。

スピーカーセッティングも変えてみたが、内ぶりと外ぶりで音像の密度やサウンドステージの広がりも好みに合わせられる。セッティングに素直に反応するタイプとみた。

AT-SP3Xと2台のアナログプレーヤーによる再生音は大変満足できる仕上がりに達していた。最も感銘を受けたのは「アナログ再生との相性の良さ」というコンセプト通りの音が確認できたことだ。

アナログプレーヤーのグレードの違いを描き出す、巧みな再生表現を確認できた

これを成し得た理由について、オーディオテクニカの開発陣は、プレーヤー側、さらにいうなら針先から拾われた音を忠実に再生するために、まずは物理的に忠実な設計を進め、ユニットとエンクロージャーのチューニングを徹底したという。

さらにそれだけでは補いきれない部分について、DSPを用いて中高域とのバランスが取れない部分の周波数特性に数dB単位で調整/補正したそうだ。



オーディオというと、最初に機材を集めて配線と設置を行い……、音が出るまでも一苦労(僕などはそれが好きな人種だが)だし、さらに場所も取ってしまう、と踏ん切りがつかない方も多いと思う。だが、アクティブスピーカーはそれらの懸念点を解消する選択肢の1つだ。

デスクトップや自室にオーディオシステムを入れようと考える新規参入層に加え、意外にも機材のリプレイスを考えるベテランオーディオファイルにも注目できる存在だろう。

ここだけの話だが、AT-SP3Xはスマホなどを利用するストリーミング再生時の音質調整も徹底的に行ったとのことなので、まずは手持ちのスマホと組み合わせて、音の良さを楽しんでもらってもいいだろう。そして、満を持してアナログシステムを購入してAT-SP3Xの持つ音の封印を解いていただきたい。


(企画協力:オーディオテクニカ)

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