動画だって高画質!LGの4K有機ELゲーミングモニター「32GX850A-B」を実力チェック
ゲーミングモニターといえば、ゲーム用途に設計されたモニターのこと。しかし、当然ながらその高い応答速度と再現性をゲームのみに使うことを強制されるわけではない。緻密なグラフィックを高フレームレートで描く性能を備えているのだから、PCモニターとしても高いパフォーマンスを発揮するはずだし、映画だって楽しめるはず。
それに、熱心なゲーマーがすべての時間をゲームプレイに費やしているわけではない。YouTubeでゲームの情報を仕入れることもあるだろうし、VODサービスで話題のドラマを見ることもあるだろう。その点からすると、部屋に何台も置けない大きさなだけに、暗に「1台数役」が求められるデバイスなのだ。
ここに紹介するLGエレクトロニクスの4K有機ELゲーミングモニター「32GX850A-B」は、まさに「1台数役」のモニターだ。ゲームだけでなくPCモニターとして、ネット動画観賞用として存分に活躍できる下地がある。本稿では、32GX850A-Bが有する映像コンテンツの再生能力を中心に、その実力を検証する。
有機ELパネルにマイクロレンズアレイを加え、グレアコーティングも搭載
レビューに入る前に、32GX850A-Bの特徴を紹介しておこう。パネルは有機ELグレアディスプレイ「LG UltraGear OLED」で解像度は4K(3,840×2,160)対応、応答速度0.03ms(GTG)にリフレッシュレートは4K/165Hz、フルHD/330Hzと、仕様はゲーミングモニターとしてかなり高い水準といえる。
特筆すべきは「LG UltraGear OLED」の特性だ。その基盤技術といえるマイクロレンズアレイは、わずか5.9μmという微細なレンズを1ピクセルあたり800個以上配置することで光の効率的な出力が可能になり、輝度が前世代パネルより30%向上したという。
ピーク輝度1,300nitsという明るさとDCI-P3を98.5%カバーという色域の広さは、動画再生のクオリティ向上に寄与するはず。1,500,000:1という圧倒的なコントラスト比も、映画のようなコンテンツで力を発揮することだろう。表面にグレアコーティングが施されていることも、引き締まった黒の再現という点で有利だ。
4辺フレームレス・31.5型のサイズ感や可動域の広い角度調整もポイント
個人用にちょうどいい大きさもポイント。31.5型で4辺フレームレス、スタンドは5角形で安定性がある割に設置スペースが少なく、机の上にすっきり置ける。110mmの高さ調整にくわえ、−8゚ - +15°のチルト、左右30゚のスイベル、右90゚回転のピボットに対応するから、着座位置に応じて自由自在に使えるところもいい。
メンテナンス機能も充実。OLEDパネルで発生することがある焼付き予防のスクリーンセーバーにくわえ、残像を電圧調整により補正/解消するピクセルクリーニング機能が用意されているから安心だ。表示性能を長く維持するための、OLEDを知悉したLGならではの心配りといえるだろう。
細かな質感の描写力からHDRの高輝度感までリアリティ高く表現する
32GX850A-Bの視聴には、HDMI接続したストリーミングデバイスを利用した。今回は「Apple TV 4K」を選択したが、NetflixやYouTubeなどの4K対応動画アプリを利用できるデバイスであれば、「Fire TV Stick 4K」のようなHDMIドングルでも同等のクオリティを確保できるはずだ。なお、音声は有線接続のヘッドホンで聴取している。
最初に視聴したのは、Netflixオリジナルの『ウィッチャー』。ダーク・ファンタジーらしい陰鬱な雰囲気が映像のそこかしこに漂う、アクションRPGゲームでも知られる人気シリーズだ。4K/Dolby Visionで配信されており、32GX850A-Bの描画性能を引き出せると判断した。
シーズン1・第1話冒頭の戦闘シーンは、「LG UltraGear OLED」の描写力が存分に発揮される。主人公・ゲラルドとクモ状生物の戦いは薄暗い沼地で行われるのだが、周囲に生える枯れ木の遠近感、手前にある堆積した落ち葉の質感が細かく描写され、黒つぶれした印象がない。
モノクロかと思わせるほど色彩に乏しい映像の中にも、OLEDならではのコントラストを見て取ることができ、ダークな雰囲気の中にリアルさを醸し出す。続く村の居酒屋のシーンも同様に暗いが、テーブルに置かれたロウソクの灯りはあくまで眩しく、HDRならではの高輝度感が印象に強く刻まれる。
