等身大の大画面とかんたんオンオフで家族の一日に寄り添う110型スクリーン・シアター

木材の風合い豊かな和風建築。ゆったりとしたLDKは、キッズサイズのチェアがならぶ家族の空間だ。そんなLDKのリビングにあって、なお美しく調和するホームシアターは、Nさん一家の暮らしに合わせてさまざまに姿を変える。
リフォームを機にいえなかの楽しみをつくった
中古住宅をリフォームして誕生したN邸。家族構成やライフスタイルに合わせて少しずつ家の改築を進めていた折、コロナ禍で子どもたちが家で過ごす時間が長くなった。ご主人はインテリアの配置がテレビ中心になることを、奥様は食事中など常時テレビを見ている状態になることをそれぞれ避けたいと、以前のN邸リビングはテレビレス派。
子どもたちのため「映画でも見られたらいいよね」という奥様の後押しがリビングシアター導入のきっかけとなった。スクリーンを乗降するというワンクッションがあり、つけっぱなしになりにくいからこそ、受け入れやすかったのだという。
インストールを手がけたのは、GLANCEの松阜\志氏(以下、松侮=j。暮らしへ自然に溶け込む、細やかかつ包括的なプランニングが持ち味である。ここN邸では、使う時はしっかりと臨場感のある大画面とサラウンド、使わない時は徹底的に隠蔽され居住空間に調和する、そして家族のだれでも簡単にオン/オフできるシアターを構築した。
機器選定と設置の工夫でクオリティと美観を両立
スクリーンは、リビングとダイニングのゆるやかなゾーニングに収まりつつ、家族がソファ付近に集まって観賞もできる110型をピックアップ。幕面は外光の影響を受けにくいキクチのビーズ系スクリーンを採用し、明るい鮮明な映像と広い視野角を両立する。
プロジェクターはリビングで明るく色鮮やかな描写を保ち、また設置性に優れたエプソンの4Kモデルを採用した。
サラウンドも大画面に見合うクオリティに仕上げた。一般的な埋め込みスピーカーより大型な径8インチのユニットを搭載したTruAudio「PG-8」をメイン5chに選び、Hi-Fiオーディオ志向の高音質でありながら、サラウンドの移動表現も豊かに再現するマランツのAVアンプ「SR8012」で駆動している。
加えて、生活動線との両立を考慮し、サブウーファー以外のスピーカーは、床置きを避けて埋め込みタイプに。天井開口や配管の埋設、配線の隠蔽など建築作業は、上掲のスクリーンボックスと同じく、建築の設計・施工を担当した亀匠が行っているため、見た目にもすっきり。
AVアンプやブルーレイレコーダーなどの関連機器は、ダイニングの家具に収納。オートメーションでiPadにコントロールを一括化しているため、機器本体は視聴位置から離れていても使い勝手に障りはない。
主にアップル「Apple TV 4K」をプレーヤーとして使用しているほか、アンテナ線で地上番組を視聴することも多いそう。実は地上番組は今ほど視聴する想定ではなく、アンテナ線の用意は松侮≠フ提案によるものだった。
仕上がりに大きく関与する埋設配管は、建築構造に応じて適切に対処する必要があるため、工事のタイミングで済ませておくのが吉。リフォームの好機に、インストーラーの提案力が活かされた点である。
ほか1Fと2F間の床に防音シート、埋め込みスピーカー上部(天井裏)には防火/防音カバーを施工し、2Fで子どもたちが眠りについた後、大人がゆっくりと映画や音楽を楽しめるよう配慮している。
家族のだれもがシアターを簡単に使える
機器のコントロールはオートメーションで一括化。ワンボタンでシアターをオン/オフできるほか、プレーヤーの再生/停止などもすべてiPadから操作可能となっている。後々機器を入れ替えたり増やしたりしても、プログラムを変えて対処できるので、操作感は変わりないこともメリットのようだ。
初めの頃は大人が操作していたが、いつの間にかお子さんが操作を覚え、自身でシアターを起動しているのだという。「この前は夕食後から寝る前までずっと『ドラえもん』を見ていました。すごい集中力でこちらが驚かされます」と微笑む奥様に、「朝起きたら、だいたいEテレがついていますね。子どもなりに楽しんでいるようで何よりです」とご主人も頷く。
午前中は地上番組を中心に、必要に応じてシアターは使ったり使わなかったり、それぞれの日中を。夕食後は子どもたちが映画やアニメ、動画など好きなコンテンツを選び、家族の時間を過ごす。たまの贅沢には、子どもたちが眠りについた後、大人だけでゆっくり映画観賞も楽しんでいるという。
家と人に寄り添ってつくられたからこそ、自由に好ましく使える。家族の空間に相応しいリビングシアターだ。
