公開日 2020/11/19 06:40

オーディオ評論家が、薄型AVアンプからマランツ「SR6015」に買い換えた理由

【特別企画】1年も経たずに更新を決意させた魅力とは
生形 三郎
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昨年、マランツの薄型AVアンプ「NR1710」を自腹購入した評論家・生形三郎氏。ところが1年も経たずに新モデル「SR6015」を、またしても自腹購入したというニュースが飛び込んできたのだ。多くの製品を知る評論家に、早くも買い換えを決意させた「SR6015」の魅力とは何なのか? そこを辿っていくと、AVアンプ選びのポイントから、マランツのAVアンプがプロに高く評価される理由までが見えてきた。

自腹購入した「SR6015」とオーディオ評論家・生形三郎氏

オーディオ評論家、さらなる上位AVアンプを買う。

昨年、マランツの薄型AVアンプ「NR1710」を自腹購入したという記事を書かせていただいた。そこから1年も経たずに、この9月に発売されたばかりの新機種「SR6015」を購入してしまった…。

生形氏に早くも買い換えを決意させてしまったAVアンプ「SR6015」(税抜148,000円)

なぜ新たに上位機を購入したのかと問われると、やはり「NR1710よりもさらに音が良かったから」というシンプルな答えに辿り着く。実際、設計者に音作りの狙いを改めて訊いてみると、購入に至ったのはやはり必然だったと思わざるを得なかった。

今回ここに書かせて頂くことは、

・これからAVアンプを買おう、もしくは買い替えようと思っている人
・オーディオを始めようと思っている人


の双方の方々にとって参考になるかも知れない。よって、ここでは、オーディオ評論を主とする筆者の立場から、AVアンプの要でもある「音質」に焦点を当てて、導入のエピソードをご紹介したい。従って、詳しい製品仕様の紹介などは他の記事に譲ることとする。


そもそも「NR1710」を自腹購入した理由とは

まず、そもそも以前「NR1710」を購入したのは、これからオーディオを始める方にとって、極めて強くオススメできる機器だと思ったからだ。また、様々な機器を自宅で試聴する都合もあり、それらと組み合わせる際の基準の一つとしても最適だと思ったことも大きい。だが実際には、そういった仕事的な意味合いもさることながら、単純に「音が好きだったから」というのが一番の理由だった。

昨年自腹購入した薄型AVアンプ「NR1710」(写真中央)。音の良さに惹かれて購入。これからオーディオを始める方にとっても強くおすすめできる製品だ(が、SR6015の魅力はそれ以上だった…!)

省スペースで、なおかつ一般的なテレビのあるリビングでオーディオとサラウンドを含むAVが共有できること、ストリーミングからネットワーク、Bluetoothまで、実に多機能で、AV用途は勿論のこと、本機の他にスピーカーさえ用意すればすぐに音楽再生を楽しめることなど、NR1710がオススメな理由は山ほどある。

だが、そういった利便性や機能性よりも、やはり一番重要なのは「音が良いこと」だ。ここでの「音が良い」とは、ある意味で、より「ハイファイ・オーディオ」らしい音作り、ということになるだろう。マランツのAVアンプのサウンドは、迫力重視で派手な音作りというよりも、あらゆる種類のソースを美しく奏でること、再現することを念頭に置いた音作りだと私は理解している。

勿論、映画などにおいては、時として効果音などを派手に聴かせる音作りも有用であろう。また、それらを多チャンネルで同時再生するアンプの基礎体力も重要となってくる。しかしながら音の質感に関しては、再生するコンテンツの音質自体が良質なものであれば、そもそも無理に派手に再生する必要も無いはずである。むしろ、その良質な音をナチュラルに届ける方が、刺激やストレスがなく、結果的にコンテンツがさらに高い浸透力で鑑賞者に伝わってくると実感する。だからこそこの「NR1710」が、市場や、プロと言われるレビュワーや評論家達にも圧倒的な支持を得ているのではないのだろうか。

実際、マランツブランドのサウンドマネージャーである尾形好宣氏にお話を伺った際、最終的な音の質感や方向性決めに関しては、映画のサウンドなどで十全に検討しつつも、やはり音楽再生にも大きな軸足を持って調整しているというエピソードを耳にし、非常に合点がいった次第である。筆者が同社のAVアンプに共感した理由も、やはりそこにあったのである。さらに、NR1710のユーザーも、AV用途の他に、純粋な音楽再生用にこのアンプを活用している方々が実に多いそうだ。

そして、前置きが長くなったが、そんな音質的な魅力がさらに高まったのが、今回の「SR6015」なのである

次ページNR1710に感じていた魅力が一層進化したのが「SR6015」だった

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