イマーシブサウンドも拡充

マランツ、一体型AVアンプの最高峰モデル「SR8015」。8K対応&音質強化

編集部:小澤麻実
2020年09月25日
D&Mホールディングスは、マランツブランドの一体型AVアンプ「SR8015」を10月中旬に発売する。価格は37万円(税抜)。2017年12月に発売した「SR8012」の後継機。マランツ一体型AVアンプの最上位モデルとなる。

「SR8015」10月中旬発売/37万円(税抜)



SR8015の概要

マランツのAVアンプ新ラインナップ


3機種の機能比較表

3機種の構造比較表
11ch独立基板パワーアンプや進化した電源回路搭載

13.2chプロセッシングに対応し、11chアンプを内蔵。パワーアンプは11ch全てを1chごとに独立した基板にマウントし、電源トランスの左右に対称配置するシンメトリカル・レイアウトを採用。個々のアンプはフルディスクリート構成で、全チャンネル同一クオリティとすることで各チャンネル間の音のつながりを高めている。新開発のカスタムフィルムコンデンサーのほか、金属皮膜抵抗や電解コンデンサーなどを搭載し音質の向上を図った。


「SR8015」の内部構造

11ch独立基板パワーアンプをシンメトリーに配置している
定格出力は140 W + 140 W(8Ω、20 Hz - 20 kHz、THD 0.05 %、2ch駆動)、実用最大出力は250W(6Ω、1kHz、THD 10%、1ch 駆動)。4Ωまでのスピーカーの接続に対応する。サラウンドバックおよびオーバーヘッドスピーカーを使用しない場合には、5chのスピーカーをすべてバイアンプ接続して高音質化するフルバイアンプドライブにも対応する。

電源部にも注力。ノイズの影響を排除するシールドケース付き大型トロイダルコアトランスに加え、本機専用に開発された22,000μFの超大型カスタムコンデンサーを2基搭載。さらに電源デカップリングに導電性高分子コンデンサーやPMLフィルムコンデンサーを採用することでノイズ低減を図った。これらにより、大音量再生時にも圧倒的な余裕を持った電源供給を実現するとしている。


グレードアップしたHDAM-SA2モジュール

プリアンプ部には、マランツの代名詞ともいえるハイスピード・アンプモジュール「HDAM」を用いた電流帰還型回路を搭載。同ブランドがHi-Fiコンポーネントで培ってきた回路設計のノウハウを投入するとともに、プリアンプの心臓部には「HDAM-SA2」を採用。新たに定電流回路を追加することによりグレードアップ。プリアンプ回路における大幅な低歪化を実現したという。

入力セレクターやボリューム、出力セレクターにはそれぞれの機能に特化した高性能カスタムデバイスを用いることで信号経路を最短化。透明感が高く情報量豊かなサウンド再生が可能としている。


「プリアンプモード」を新搭載

また、既に発表済みの「SR6015」等にも搭載されている「プリアンプモード」も搭載。内蔵パワーアンプを使わない際はオフにすることで相互干渉を排し歪みを改善するというものだが、SR8015は元々のプリアンプ性能が高いため、プリアンプモード時もほぼ特性が変わらないとのことだ。

「プリアンプモード」を新搭載。だが元々のプリアンプ性能が高いためほぼ特性が変わらないとのこと

D/Aコンバーターには、旭化成エレクトロニクス製32bit 8ch DAC「AK4458VN」を採用。D/A変換回路を映像回路やネットワーク回路から独立した専用基板にマウントすることで、相互干渉も排除した。また、ディテール表現力向上のため、出力抵抗には高精度な薄膜型金属皮膜抵抗をして使用。DSPにはSHARC製の最新型デュアルコアDSPを2基採用している。

筐体には同社8000番台のAVアンプやHi-Fiアンプと同様の1mm厚銅メッキシャーシを採用。インシュレーターはリブを多数入れて剛性を高めた高密度樹脂で、下に貼っているフェルトも音質で選んだ高品位なものだという。


筐体には1mm厚銅メッキシャーシを採用
スピーカー端子は全ch同一のスクリュー式で、バナナプラグにも対応。11ch分が水平に配置されており接続しやすいとしている。


スピーカー端子は全ch同一のスクリュー式で、11ch分を水平に配置

DTS:X再生時もハイトスピーカー6chの使用が可能に

イマーシブサウンドフォーマットはDolby Atmos、DTS:X、Auro-3Dに対応。パワーアンプの追加なしにに[5.1.6]、[7.1.4]やフロントワイドを含む[9.1.2]システムを構築できる。

さらに13.2chプロセッシングに対応しているため、2chパワーアンプを追加すれば[7.1.6]および [9.1.4]までシステムを拡張可能だ。ただし現状、DTS:X再生時は[7.1.4]、[9.1.2]までとなるが、今年10月に「DTS:X Pro」へのファームウェアアップデートを予定。これにより[7.1.6]、[9.1.4]再生が可能になるとのことだ。


2chパワーアンプを追加すれば最大 [9.1.4]までシステムを拡張可能に。
そのほか、IMAX EnhancedやMPEG-4 AACにも対応。また「Dolby Surround」「Neural:X」により、ステレオや5.1ch、7.1chの信号を立体的な3Dサウンドにアップミックスすることもできる。さらに「Dolby Atmos Height Virtualizer」「DTS Virtual:X」にも対応。ハイトスピーカーやサラウンドスピーカーがない環境でもイマーシブサウンドを楽しむことが可能だ。

自動音場補正機能は、SR8012から引き続き「Audyssey MultEQ XT32」を搭載。2台のサブウーファーを個別に測定して補正する「SubEQHT」にも対応する。SR8012からの進化点は、スピーカーの構成やAudysseyによる測定・補正データ等を含むスピーカープリセットが1つから2つ設定可能になった点。スクリーンの上げ下げやカーテンの開閉等、異なる音響特性に合わせたスピーカー設定を簡単に切り替えられるようになった。


8K/60pに対応

HDMI端子は入力8系統、出力3系統を用意。うち入力1系統と出力2系統が8K/60pおよび4K/120p映像信号のパススルーに対応するほか、全ての端子が著作権保護技術「HDCP 2.3」に対応。8Kアップスケーリング出力や、本機がスタンバイ状態でも入力信号を出力するHDMIスタンバイスルーにも対応する。


8K対応のHDMI端子を搭載する
またHDR10/Dolby Vision/HLG/HDR10+/Dynamic HDRの映像規格や、ゲーミングやVRで役立つALLM/VRR/QMS/QFT規格などにも対応する。


HDMI入力やHEOSの音質も強化

D&Mのワイヤレス・オーディオシステム「HEOS」のテクノロジーによるネットワーク再生機能を搭載。192kHz/24bitのWAV、FLAC、ALACや5.6MHz DSDの再生に対応し、ギャップレス再生も可能だ。同様のフォーマットをUSBメモリーから再生することも可能で、HEOS対応システムへの配信やマルチルーム再生も行える。そのほか、AirPlay 2にも対応している。

なお2020年のマランツAVアンプ開発のテーマのひとつはHDMI入力およびネットワークオーディオの音質向上とのこと。コンデンサーや抵抗など様々なパーツの品種や定数の見直し、基板上のパターンの強化やクロックモジュールの振動対策など、時間をかけ入念なサウンドチューニングを実施したという。

HDMI系は今回の8K対応を受け、今後のユースケースとして全体的な見直しを実施。またHEOSモジュールは従来のままだが、入出力信号まわりや電源回路などをチューンナップしノイズ対策を施すことで音質を向上させたのことだ。

Bluetooth、および2.4GHz/5GHz対応のデュアルバンドWi-Fiも内蔵。新たにBluetoothの送信機能も備え、本機で再生中の音楽をBluetoothヘッドホン等で楽しむこともできるようになった。

電源ケーブルは着脱式。消費電力は780W(待機時最小0.5W)で、外形寸法は440W×248H×460Dmm(アンテナを立てた場合)で、質量は17.6kgとなる。

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