公開日 2019/10/23 06:30

デザインも音質も、お値段以上。House of Marleyのレコードプレーヤー「STIR IT UP WIRELESS」を聴く

ワイヤレス再生にも対応し利便性も向上

エントリー価格ながら本格サウンド。初心者でも使いやすい操作性も◎

まず試聴するレコードは、最近ヘビロテで聴いているマーカス・ミラーの新譜「レイド・ブラック」(45rpm)である。スーパーベーシストであるマーカスが世界中のアーティストとコラボしたクールなアルバムで、45回転の2枚組で音質も良い。本機はアームを動かしリードグルーブに近づけると回転が始まり、ホルダーに戻すと回転がストップする。これはアナログ初心者には優しい設計だ。

アームを動かすことで回転開始、ストップが自動的に。アナログ初心者にも使いやすい仕様

そして感心するのは、スタイリッシュな外観に加えて本格的な音質であること。ビートの効いたマーカスのベースはグルーヴのあるリズム感を持ち低域も出してくるタイプで、しっかりとしたダンピングでシェイプされて、全帯域とも緩んだ表現にならない。明るい音色は楽曲の持つ旨味を高い音楽性で聴かせてくれる。また、音像や空間表現も価格の割にとても鮮明である。

次に聴いたジャズボーカルのダイアナ・クラール&トニーベネット「Love Is Here to Stay」(33rpm)は、色彩が豊かで明るいピアノと朗々と歌う二人のボーカル表現に感心した。またボリューム調整はプレーヤー上部のボリュームコントロールノブから行えるのだが、本機はハウリングマージンも予想以上に高く、音質を上げても音滲みが少なかったことも特筆しておきたい。

マランツ「M-CR612」、モレル「VARIO X」と組み合わせた環境で試聴

Bluetooth環境で再生。最小限システムでもリアルな表現力を発揮

STIR IT UP WIRELESSの単体性能をチェックした後は、目玉機能ともいえるBluetooth接続によるワイヤレスレコード再生を試してみた。先述した通り、Bluetoothスピーカーやヘッドホンなどを組み合わせるだけの最小限のシステムで、ワイヤレスのレコード再生環境を構築できるのだ。

Bluetooth環境を活用した最小限のワイヤレスシステムで再生を試す

今回は、同ブランドのBluetoothスピーカー「Get Togetheri」とBluetoothヘッドホン「EXODUS ANC」と組み合わせ、デザイン意図を合わせたシステムを構成した。まずは「Get Together」と組み合わせる。両者のBluetoothボタンを長押しすると数秒後にペアリング作業が完了。この簡単さもありがたい。

House of MarleyのBluetoothスピーカー「Get Together Mini」とBluetoothヘッドホン「EXODUS ANC」を組み合わせ

この状態でブルーノートJAZZの名盤、ケニー・バレル「ミッドナイト・ブルー」のステレオオリジナル盤を再生した。先ほどの本格的なシステムの音には及ばないものの、Bluetoothスピーカーとして外観から受ける印象よりはるかにダイナミックな表現力だ。リアルな表現のギターとベースのおかげで、筆者は仕事であることを忘れるくらい気持ち良くなった。

次に組み合わせたBluetoothヘッドホン「EXODUS ANC」も好印象。色艶の良い中高域を核とした音楽性の高い音で、実体感のあるギターサウンドを十分に満喫できた。それにしてもレコードプレーヤーとスピーカー/ヘッドホンだけでシステムが完結してしまうことは、普段本格的なシステムが多い筆者からするとかなり新鮮である。



巷では若者のアナログレコード人気が沸騰中である。「レコード盤をプレーヤーに乗せて針を置く」という視覚や触覚に訴えるそんな動作が、スマホなどで手軽に音を出す事が普通の世代には新鮮なのかもしれない。

また、改めてアナログ再生にチャレンジする往年のオーディオファイルも多いと聞く。それに呼応するように、国内外の人気アーティストから新譜のアナログ盤が沢山発売されているし、音楽ジャンルに関わらず往年の人気タイトルのオリジナル盤を探すファンも多い。コレクション要素が高いことも、デジタルファイル再生やストリーミングにはないレコード再生だけが備える要素だ。

そんなレコードをスタイリッシュなボディで手軽かつ良い音で楽しめるのがSTIR IT UP WIRELESSだ。じっくりと美しいボディの上で回るレコード盤を眺めながら音楽を楽しめるし、奏でる再生音は、筆者の期待を上回るものだった。また、本機はカートリッジを交換できる上、上級機のようにフォノイコライザーをバイパスすることも可能。より音質の高いカートリッジを使用すれば大幅な音質アップも期待できるなど、購入後の楽しみもある。

デザインから音質まで価格以上の魅力を感じる、素晴らしいレコードプレーヤーだった。こんなプレーヤーを導入してどんどん良い音楽を聴いてもらいたい。きっと素晴らしいライフスタイルが手に入るだろう。

(土方久明)

前へ 1 2

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 女子プロゴルフ「ブリヂストンレディスオープン」5/21から4日間の放送・配信予定
2 アンプ内蔵ネットワークプレーヤー5機種一斉試聴。デノン/マランツ/ROKSAN/ARCAM/HEGELの注目機をチェック!
3 Nintendo Switch 2、マイニンテンドーストアでの販売を一時停止へ。値上げ前日5/2419時半から翌5/25午前中まで
4 ソニー、最上位ANCワイヤレスヘッドホン「1000X THE COLLEXION」。約9万円
5 ソニー「1000X THE COLLEXION」の実力は? AirPods Max 2やB&W「PX8S2」と比較レビュー
6 テクニクス、DJターンターブル「SL-1200MKシリーズ」に新作「SL-1200MK7W」
7 Google、 AIグラスを今秋発売。サムスンと共同開発
8 口紅のような外観をした完全ワイヤレスイヤホン「Lunisse」
9 テクニクス、"Hi-Fiエントリー”ターンテーブル「SL-1500CW」。税込13.5万円前後
10 Google Pixel 10aに日本限定色「Isai Blue」。シリーズ初の日本語由来カラー名
5/21 10:03 更新
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー200号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.200
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
特別増刊
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
最新号
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.23 2025冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.23
プレミアムヘッドホンガイド Vol.33 2025 SUMMER
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.33(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • プレミアムヘッドホンガイド
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • analog Grand Prix