• ブランド
    特設サイト
公開日 2017/01/23 11:28

ハイレゾ新対応のフィリップス「SHE9730」を聴く。高コスパ代名詞“キューナナ”はどう進化した?

従来モデル「SHE9720」との比較も
高橋敦
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
5,000円以下のクラスで高コスパの代名詞として君臨してきたフィリップス“9700シリーズ”。そのモデルにして初のハイレゾ対応機である「SHE9730」が、1月26日についに発売となる。そのサウンドを高橋敦氏がレビューする。

PHILIPS「SHE9730」¥OPEN(予想実売価格5,000円前後)

9700シリーズの最新機種は“ハイレゾ対応”モデル

フィリップス「9700」シリーズは、実売5,000円以下クラスの“ド定番”だ。これほど長らく定番の地位を確保し続けているシリーズはどの価格帯にも多くはない。

さらっと「長らく」と書いたが確認しておくと、初代「9700」の日本登場は2008年初頭。以降2013年に「9710」、2015年に「9720」へのアップデートが行われたが、その内容はショートケーブル+延長ケーブルだったケーブルを普通の長さに、プラグをストレートからL字にという程度のものだった。

しかし、ついにシリーズ最大のアップデートが到来した。今回の「SHE9730」だ。「SHE9720」も併売とのことなので、当面は上位機という位置付けとなる。

外観はSHE9720ではマットな質感だったブラックが、SHE9730では艶有りに、メタリックなリングの部分がシルバーからゴールドに変わった程度の違いしか見当たらない。すなわち相変わらず、初代9700からほとんど変わっていない。

SHE9730

SHE9720

だが、それでよい。このデザインは定着しているし、装着感などの面でも高い評価を受けている。新しさの演出のためだけに変える必要などないのだ。

しかし、では何が「最大のアップデート」なのか? それはサウンドであり、その新しいサウンドの要因は新しいドライバーだ。なんと「レイヤードモーションコントロールドライバー」を搭載してきた。振動板素材を多層ポリマーとし、さらにジェル素材と組み合わせることで、特定の帯域の突出などを抑制し、滑らかでフラットな周波数特性を実現する技術だ。

SHE9730のイヤーチップを外したところ。後述するようにノズルに角度がつけられている

これはフィリップスの上位ライン“Fidelio”のトップエンドヘッドホン「X2」に採用されていたものだが、一気にエントリークラスのSHE9730にその技術を落とし込んできた。

スペックとしては下記のように、再生周波数帯域の高域側がぐんと伸びたことが大きな変化。それに伴い日本オーディオ協会のハイレゾロゴも取得している。

・SHE9720:再生周波数帯域 6〜23.5kHz、感度 103dB、インピーダンス 16Ω
・SHE9730:再生周波数帯域 6〜40.0kHz、感度 103dB、インピーダンス 16Ω

一方で感度とインピーダンスはSHE9720と同等で、初代SHE9700からこのSHE9730まで変化していない。SHE9730のドライバーは完全に新規であり、再生周波数帯域だけでなくあらゆるスペックに変化が出た方がむしろ自然といえるのに、だ。

SHE9730(右)とSHE9720(左)のパッケージ

感度とインピーダンスが同じでその他全体の設計も共通であれば、プレイヤー側の音量設定が同じなら、実際の再生音量もおおよそ揃う。これまで9700シリーズを使ってきた方は、SHE9730にアップグレードしても音量設定の感覚はいままで通りでOKなわけだ。

フィリップスとしては、これまでの9700シリーズの使いやすさを継承したかったのだろう。なので新ドライバーを搭載しても、確保できる音量が変わらないように意図して合わせてきた。実際、スマートフォンに直で接続して使ったときでも音量は余裕を持って確保でき、音量調整もしやすい。

次ページ高い解像感で空間をクリアに描き、中低域もよりパワフルに

1 2 3 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック

クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 女子プロゴルフ「パナソニックオープンレディースゴルフトーナメント」、4/26からの放送・配信予定
2 売価アップも品薄も問題にしないアキュフェーズの強さに感服 <販売店の声・売れ筋ランキング3月>
3 ソナスの新製品スピーカー「Lumina II Amator」が鋭い立ち上がり <ハイファイオーディオ売れ筋ランキング3月>
4 Prime Video、『ゴジラ-1.0』ほかゴジラ邦画実写全30作品や、Prime独占EP配信の『岸辺露伴は動かない』第4期など5月配信
5 ゲオ、43V型で4万円を切る狭額縁デザインの4K液晶テレビ
6 Anker、最大半額セールを楽天で実施中。完全ワイヤレスイヤホンは割引でさらにポイントアップも
7 『鬼滅テレビ -柱稽古編放送直前SP-』5/4 13時25分から無料配信。公開生放送の観覧受付開始
8 KEF、「LS60 Wireless」など一部スピーカー製品を値下げ。4月25日より
9 スカパー!、スティック型ストリーミング端末「スカパー!+(プラス)ネットスティック」を新開発
10 Netflixで「ご利用世帯の登録」画面が表示された場合の対処法は?
4/26 10:36 更新
MAGAZINE
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー192号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.192
オーディオアクセサリー大全2024~2025
別冊・ケーブル大全
別冊・オーディオアクセサリー大全
最新号
2024~2025
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.21 2023 WINTER
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.21
プレミアムヘッドホンガイド Vol.31 2024 SPRING
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.31(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2024年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年冬版(電子版)
DGPイメージングアワード2023受賞製品お買い物ガイド(2023年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2023年冬版(電子版)
音元出版の雑誌 電子版 読み放題サービス
「マガジンプレミアム」お試し無料!

雑誌販売に関するお問合せ

WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX