公開日 2015/03/13 11:51

【第118回】萌えろ!VUメーター 〜音楽を“目”で体感する素敵アイテムを語りつくす

[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域
■揺れる! VUメーター

VUメーター。その言葉の意味はわからなかった方もその姿を見れば「あれのことか」とわかっていただけるはずだ。なのでまずは見てほしい。

TASCAMのカセットMTR名機「Porta One」は4入力4トラックに対応した4つのVUメーターを備える。かっこいい

V!U!メー!ター!

入力や再生のリアルタイムの音量レベルを示して揺れるアナログ針式メーター。それが「Volume Unit Meter=VUメーター」だ。再生機器においてはもちろん、アンプの再生音量を示してくれる。

ポイントは「リアルタイムの」というところだ。単に再生音量設定ならボリュームノブの位置やボリューム設定の数値表示で確認できる。しかしVUメーターが示すのはその瞬間瞬間の音量であり、その変動だ。VUメーターの針はそれに追随して振れる。なのでVUメーターはいつも揺れている。曲のダイナミクスの変化が激しい場面では荒海のように、静かな場面では湖面のように、VUメーターは揺れる。

■負ける? VUメーター

VUメーターと並んで同じく音量レベルを示す計器としては「ピークメーター」がある。

YAMAHAのカセットMTR「MT50」のピークメーター。針ではなくLEDランプでレベルを表示する。学生時代にお世話になりました!

VUメーターはそもそもの設計意図に加えて、機械的に動作することからの限界もあったのかもしれないが、入力される音声信号への反応速度は300msec(0.3秒)に止まる。そのため本当に超瞬間的な音量変化に追随するものではなく、その0.3秒の間の平均値を示す形になる。

対してピークメーターは反応速度重視で設計されており、表示方法もLEDをぱっと点灯させるだけなので、反応速度は実際に速い。超速い。なので超瞬間的な大音量とかもきっちり把握できる。

さて、録音における基本的な注意事項のひとつは録音レベルの超過を起こさないことだ。特にデジタル録音の場合、録音メディアの限度を超える大きな入力は単に耳障りなノイズとして記録されてしまう。それは絶対に避けねばならない。

という用途で考えると、そこで使いやすいのはピークメーターだ。VUメーターでは瞬間的な過大入力は検知できない。時代は完全にデジタル録音に移り変わっており、そこは大きな弱みとなる。またVUメーターは機械的な駆動部分もあるので、高精度のそれを設計し製造するにはそれなりのコストを要する。しかして現在、録音システムでどちらがより一般的に搭載、利用されているかというとピークメーターの方なのだが…。

しかしVUメーターにも存在意義がある。VUメーターの反応は人間が実際に体感する音量変化とのなじみが良く、また音量変化の概要をより視覚的に把握しやすい。そのためVUメーターの利用にこだわるエンジニアも多いのだ。なおDAW環境だと、VUメーターに近い動作をするRMSメーターがそのおおよその代替になるようだ。

次ページそして高橋敦は語る。萌えろ! VUメーター

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