公開日 2014/05/02 14:28

【レビュー】ヤマハ新Hi-Fi「CD-S2100」「A-S2100」を大橋伸太郎が徹底解剖

フラグシップ“S3000”と異なる個性をレポート
■ヤマハの新Hi-Fiコンポーネント“S2100”シリーズを大橋伸太郎が徹底チェック!

昨年秋に登場したSACD/CDプレーヤー「CD-S3000」とプリメインアンプ「A-S3000」のコンビは、2chピュアオーディオのヤマハの技術力と鋭い感性を遺憾なく知らしめる傑作だった。

CD-S3000はESS SABRE DACの最上位「ES9018」のポテンシャルに限りなく寄り添い始めて開花させた製品といっていい。一方のA-S3000は、CD-S3000の研ぎ澄まされた刃のうかつに触れたら切れそうな出力を「何も足さない、引かない」一点の曇りもない文字通りのニュートラルサウンドで受け止めハイレゾ時代の音を実感させた。パッケージメディアからPCからのUSB入力まで心地よい「厳しさ」を感じさせる清々しい音質は2014年に登場したオーディオ機器中の白眉といってよく、筆者に最も強い印象を残した。事実、量産開始後すぐにCD-S3000を購入、視聴室のプレイバックリファレンスとして現在稼働中である。

大橋氏の自宅システム。S3000を使用中

それから半年が経過し、ヤマハからSACD/プレーヤーとプリメインアンプの早くも新製品が発表された。「CD-S2100」と「A-S2100」である。S3000コンビの衝撃覚めやらぬ内に早くも登場した新世代の第二弾。興味深いではないか。試聴の機会を得たので早速紹介しよう。

CD-S2100

A-S2100

■フラグシップ“S3000”シリーズとの比較

両機は2007年発売の「CD-S2000」と「A-S2000」の後継という位置付けである。しかし両機のデザインはS3000系と共通でありつつ、どちらもややコンパクト。SACDプレーヤーのCD-S3000とCD-S2100を比べてみると、CD-S3000が全高142mmに対しCD-S2100は137mmである。

上段がS2100シリーズで、下段がS2000シリーズ

外観だけではない。構成と内容は限りなくS3000に近い。サイズ差が生まれた理由に、CD-S3000が新規にシャーシを起こしたのに対し、CD-S2100はCD-S2000のシャーシを流用していることが挙げられる。

CD-S3000のフロントパネル

CD-S2100のフロントパネル

また、CD-S3000では文鎮を介してCDメカユニットをシャーシに固定したのに対し、CD-S2100は同じメカを1.6mm厚のアンカープレート上にマウントする手法を取っている。CD-S3000ではデジタルノイズの飛び込みを避けるためにアナログ系電源部をケースに入れて固定したが、CD-S2100はこの部分を省略。CD-S3000ではアナログ/デジタル用共にトロイダルトランスを使用したが、CD-S2100の場合、デジタル系にEIトランスを採用した。構成部品と組み上げで全高が抑えられたわけである。後述するが、これが両機の音質の方向性の違いと対照を生み出している。

CD-S3000の内部構造

CD-S2100の内部構造

CD-S3000との違いについてもう少し触れておくと、搭載DACが、CD-S3000の場合ESS SABLE DACの最上位「ES9018」を採用するのに対し、CD-S2100は次位の「ES9016」になる。ただしDAC基板は同一で、USB入力で最大DSD 5.6MHz、PCM 192kHz/24bitのハイレゾファイル再生が可能だ。DSDの伝送にはASIO2.3またはDoP方式を採用する。

プリメインアンプA-S2100も、シャーシはA-S2000のそれを流用している。しかし、全高はS2000(137mm)から20mm増しの157mmである。ちなみにA-S3000は180mm。A-S3000がトロイダルトランスを使用するのに対し、A-S2100はA-S2000と同じ大型EI型を採用した。共通部分が多いのにA-S2100がA-S2000から大型化した理由は、主に放熱対策とPEAK/VU切替え式メーター搭載のため前面パネルに面積が必要だったためである。A-S3000はブロックケミコンの脚をネジ止めしていたが、A-S2100ではこの部分を省略。しかし、ローインピーダンス設計という点はA-S3000と共通で、内部配線は全てネジ留め結線とし、大電流が流れる箇所は太い銅線を使用。グランドを落とす箇所に銅プレートを介する工夫を凝らしている。

A-S3000の内部構造

A-S2100の内部構造

逆にA-S3000との共通部分を見ていくと、全段ディスクリート構成バランス伝送で、増幅に±同一極性のMOS FET素子(サンケン製)を採用したフローティング&バランス構成としている。JRC製電子ボリュームや、ヘッドホン&MCフォノイコライザーを搭載する部分もA-S3000に準じる。真鍮製削り出しスピーカーターミナルはA-S3000のそれと形状は同じだが一回り小さい。PEAK/VU切替え式パワーメーターはA-S3000とサイズメーカー共に異なる。

A-S3000のフロントパネル

A-S2100のフロントパネル

次ページS2100の実力は?− フラグシップS3000と異なるキャラクターをレビュー

1 2 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 まさに「これが、次の色。」!RGB Mini LEDテレビの先駆者、ハイセンス「RGB UXS」の画質真価に迫る
2 W杯、日本代表の次戦チュニジア戦は6/21日曜13時。日テレ・NHK BS・DAZNで生中継
3 <HIGH END>オーディオノート、ユニットから自社設計したブックシェルフスピーカー「菫」を初披露!
4 【ミニレビュー】ネットワークアクセサリーの新星誕生!S/Nの劇的な向上をもたらすUnioのオーディオハブ
5 マイケル・ジャクソンの超人的パフォーマンスを映像で楽しむ。ブカレスト&ウェンブリーのライブ映像は必見!
6 Eversolo、フラグシッププレーヤー「DMP-A10」などが特別価格になる「夏のキャンペーン」。8/31まで
7 水月雨、S.M.S.LとコラボしたDAC内蔵ヘッドホンアンプ「DHA15」。平面磁界ヘッドホンも駆動するパワフル設計
8 ADONN、DSPコントローラー機能搭載の車載USBプレーヤー「DSD-Z100」
9 映画『Michael/マイケル』、公開3日で興収10.9億円突破。2026年実写映画No.1スタート
10 【OTOTEN2026】 山口ちなみ・MAYA・ウィリアムス浩子・井筒香奈江サイン会開催!音元出版物販ブースにて
6/16 11:29 更新
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー 201号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.201
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
特別増刊
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
最新号
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.23 2025冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.23
プレミアムヘッドホンガイド Vol.33 2025 SUMMER
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.33(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • プレミアムヘッドホンガイド
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • analog Grand Prix