公開日 2011/12/21 10:04

PCオーディオの新スタンダード ー TEAC「Reference01」「S-300NEO」を聴く

上質な音楽リスニングのカタチ
レビュー/岩井 喬
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ティアックのスピーカーの銘機が蘇った「S-300NEO」


スピーカーシステム「S-300NEO」
“Reference 01”シリーズとともにお目見えしたのは、20年以上前に個性的な2ウェイ同軸スピーカーとして登場し、TEACブランドのスピーカーとして広くファンに浸透していた「S-300」を、現代のマテリアルとテクノロジーを使って蘇らせた「S-300NEO」である。

同一価格帯では見かけることのないユニークな形状のコアキシャル2ウェイシステムであるが、MDF製の強固なキャビネットには天然木突板にバフ研磨・多層クリア塗装を施した本格的な仕様となっており、非常にC/Pの高いモデルとなっている。新開発の「Air Dump Center Pole System」を用いた13cmの2ウェイユニットの中央には2.5cm特殊コーティング・シルクドームトゥイーターがマウントされ、不要振動を防ぐ特殊ウレタンでカウリング。ウーファーのコーンも特殊樹脂コーティングが施されるなど、ユニットそのものも刷新された。ネットワークのフィルムコンデンサーも音質の良いものをチョイス。コイルも磁気歪みのない空芯タイプを用いている。

バイワイヤリング対応で、3点式スパイク&ベースも付属。フロントバッフルにはグリル装着用のマグネットが埋め込まれており、仕上げの美しさを尊重したフラットなスタイルとした。

13cmコーン型ウーファーと2.5cmソフトドーム・トゥイーターを同軸(コアキシャル)構造に配置して、音像や音域が自然につながったサウンドを実現した

本機に搭載されたユニットの断面図。新開発の「Air Dump Center Pole System」を採用し、高密度な情報量を持つ音楽ソースも忠実に再現する


スピーカー端子はバイワイヤリング対応。背面にはバスレフポートを設けている

MDF製キャビネットは、天然木突板にバフ研磨・多層クリア塗装を施した


付属の3点支持スパイクを装着して、好みの音質にチューニングすることもできる

着脱可能なスピーカーグリルはマグネット固定式。エンクロージャー側にキャッチピンがないので、取付が手軽なだけでなく、見た目の美しさもレベルが高い

「UD-H01」+「S-300NEO」のセットでハイレゾ音源を聴く

それでは実際に「UD-H01」と「S-300NEO」の組み合わせによるサウンドを聴いてみることにしよう。接続するアンプは今回ティアックにより提供されたものを使用した。

今回の試聴のリファレンスとして用意した音源は、192kHz/24bitのものとして、今年開催された「音展」にて筆者が自身で録音した“長谷川友二氏の弾き語り”(ビートルズ“Get Back”のカバー、アコギとボーカル、そしてウッドベースの生演奏をステレオワンポイント収録。本作では各楽器の質感、音場再現性、定位、位相の確認)と、『Pure2-Ultimate Cool Japan Jazz-』のマスター音源から“届かない恋”(ホーンセクションの立ち上がりと残響感、ウッドベースやドラム、ピアノの質感と定位を確認)、96kHz/24bit音源としては「Suara USBフラッシュメモリカード」の“星座(アコースティックバージョン)”(ピアノとボーカルの質感と音像の存在感を確認)を用いてみた。

CDからのリッピングではクラシックにレヴァイン指揮・シカゴ交響楽団『ホルスト/惑星』から“木星”(音場の奥行きや広さ、管弦楽器の描写と残響感を確認)、ジャズにオスカー・ピーターソン・トリオ『プリーズ・リクエスト』(トラックは“ユー・ルック・グッド・トゥ・ミー”。各々の楽器の質感と倍音感、S/Nを確認)、ロックにパンゲア『RETROSPECTACULAR』(トラックは“Shot”。鮮度の高いバンドの音像の描写力、ギターの音色を確認)を用いることにした。


ティアック本社の試聴室にてリスニングを行った
適度に低域は引き締まり、高域にかけては瑞々しいハリの良いトーンが感じられる。音場の広さもサイズ以上に展開しており、奥行きも十分広がっている。クラシックではティンパニの制動が良く、キレのあるローエンドとなっており、管弦楽器の旋律も規則正しく居並ぶ。『Pure2』では定位感もすっきりと感じられ、ハイレゾらしく音像はスマートに描かれる。ベースはほのかにふっくらとしてバランスが良い。『Suara』のボーカルもほどよい肉付き感で、口元は鮮やかでウェットな粒立ち。長谷川氏による『弾き語り』のギターやウッドベースの艶もクリアで、若々しいハリに満ちたボーカルの立ち上がりがリアルだ。ロックサウンドはシャープで押し出し良く、フラットなボーカルとクリーンなギターのディストーションの鋭利さが際立っている。バランスでいえば96kHz/24bitの音源がちょうど良い弾力感が得られるが、192kHz/24bitになるとソリッドな芯の強いサウンドになっていくようだ。音場の広がりや楽器の定位は「S-300NEO」の同軸ならではの正確さが引き立っており、小音量でも解像度の高いサウンドが楽しめた。


ベイヤーダイナミック「T70」でヘッドホン試聴にも挑戦

続いてはPCとUSB接続している「UD-H01」のヘッドホン出力へ、1テスラ以上の高い磁束密度を誇るドライバーを搭載したbeyerdynamicの最新モデル「T70」を接続し、ヘッドホンでのサウンドを確認してみた。


beyerdynamicの「T70」でヘッドホン再生の実力も確認した
クリアで見通し良く、楽器のハリも伸びやかに再現し、質感をナチュラルに描写。非常に素直な「T70」のサウンドを聴きやすいバランスの際立ちで支えてくれている。ローエンドは程良いキレを見せるが、輪郭はやや甘めのフォーカスとなる。ボーカル描写もスマートだが、口元はウェットかつクールな際立ち感で、清々しい余韻を感じさせる。ピアノのアタックは小気味よく、ギターやウッドベースの弦楽器は艶やかなハリを伸び良く表現。スムーズできめの細かい質感描写はハイレゾならではといえるが、CDリッピングのサウンドも音像をスマートに描き、爽やかで広がり良い音場が展開。アタック&リリースも正確で、音像の輪郭を鮮やかにトレースする。ボーカルの音抜けも十分で、ロックのエレキギターは刻みが穏やかで聴きやすい。



S-300NEO ¥OPEN
【SPEC】●型式:同軸2Way 1スピーカー、リアバスレフ、防磁 ●ユニット:13cmコーン型ウーファー、2.5cmソフトドーム型トゥイーター ●定格入力:50W ●最大許容入力:100W ●インピーダンス:6Ω ●再生周波数帯域:55Hz〜33kHz ●クロスオーバー周波数:3.5kHz ●外形寸法:184W×240H×229Dmm ●質量:4.3kg
>>ティアック「S-300NEO」製品情報ページ
>>製品データベース「S-300NEO」


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