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PCオーディオの新スタンダード ー TEAC「Reference01」「S-300NEO」を聴く

公開日 2011/12/21 10:04 レビュー/岩井 喬
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シリーズの中核機種「UD-H01」「A-H01」に搭載されたオーディオ技術

− 「A-H01」はアンプ回路にICEpower社のクラスDアンプを採用していますね。

小泉氏:はい。「A-H01」はコンパクトなシャーシの中に、いろんなパーツをびっしりと詰め込んでいますので、高効率で発熱の少ないクラスDアンプが候補にあがりました。当然ながら音質は満足できるものにしなければいけませんし、スピーカーを鳴らしきる出力も重要、そしてこのサイズの筐体に組み込めるものいうことで、ICEpowerのクラスDアンプをセレクトしました。



本体にUSB-DACの機能を搭載したプリメインアンプ「A-H01」

アンプ回路にはクラスDアンプ「ICEpower 50ASX2-SE」を採用。40W×2の高出力を、コンパクトなボディながら実現した
− オーディオ面の仕様はどのように固まっていったのでしょうか。

小泉氏:「UD-H01」は、音質を追求する上でデュアル・モノーラル構成、トロイダルコアトランスの採用をひとつのコンセプトとしています。開発時はグループ企業であるハイエンドオーディオブランド「ESOTERIC」の開発担当者にも参加してもらいました。その中で、試行錯誤を重ねながらコンセプトを満たすことができる仕様を固めていきました。バーブラウン製DAC「PCM1795」を各チャンネルに1枚搭載し、アナログ部でも「MUSES8920」オペアンプを各チャンネルに搭載しています。回路レイアウトも、限られたスペースのなか左右対称レイアウトを目指し、左右で可能な限り同一の伝送経路となるよう配慮しました。苦慮したのは電源部で、この筐体にトロイダルコアトランスを収めることが大変だったと開発担当者から聞いています。電源ケーブルもステップアップにあわせて変更できるよう、3Pインレットタイプを採用しています。

“Reference01”シリーズはより広く、一般の方々に購入していただける価格帯に収めるためにも、量産しなければならない製品です。コンパクトサイズにするという条件も踏まえた上で、当初のコンセプトを貫くことにこだわりました。

DAコンバーターにはバーブラウン「PCM1795」を左右チャンネルに配置している

コンパクトながら大容量、高効率で安定した電流を供給するトロイダルコアトランスを搭載


− 確かにこの価格帯の製品では珍しくバランス出力が搭載されていたりと、非常にオーディオへのこだわりが随所にちりばめられていることには驚かされました。

加藤氏:特に「UD-H01」は、発展性・拡張性の豊かな製品にすることを目指しました。高音質なアンプを買って組み合わせ、そうしたら今度はスピーカーに興味を持ってしまった、など、オーディオへのこだわりを深めていく入口になってくれると嬉しいなと思います。


− 筐体がコンパクトなので、デスクトップやプライベートルームのちょっとしたスペースに置くのにも最適ですね。

小泉氏:横幅のサイズは215mmとしています。2台を横並びで置くと、ちょうどフルサイズのコンポーネントと同じサイズになります。PCオーディオを楽しむ際に、パソコンの横に置くにはフルサイズだとちょっと大きいかな、と考えました。かと言って、オーディオ機器の魅力は、製品そのものが持つステータス感的な部分も大事だと思っていますので、適度に存在感を主張してくれて、我が家に良いオーディオ製品がある“喜び”が味わえるサイズとして215mmが相応しいということで、このサイズになりました。

iPadを乗せたときのデザインマッチも工夫を凝らしたという、デジタルドッキングステーション「DS-H01」の本体天面


− スピーカーシステム「S-300NEO」が開発された経緯についてもお聞かせください。


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