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公開日 2010/01/14 11:00

ビクターからBluetooth対応“Everio”「GZ-HM570」登場 − プロカメラマン・川村容一氏が速報レビュー

豊富な機能と操作性&画質をチェック
カメラマン・川村容一
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ビクターから64GBの内蔵メモリーとSDカードスロットによる「W(ダブル)メモリー」仕様とし、Bluetoothをはじめて搭載したビデオカメラ“Everio”のニューモデル「GZ-HM570」が発表された。本機のBluetooth関連をはじめとした様々な機能の使い心地や、フルHD撮影の画質などを、プロカメラマンの川村容一氏がいち早くレビューした。


“Everio”「GZ-HM570」
1/2.3型総画素1062万画素センサーを搭載して、こんなに小型軽量なビデオカメラ。それがJVCの“Everio”「GZ-HM570」である。使われているセンサーは上位モデルと同じサイズであり、しかも「B.S.I(裏面照射型)CMOSセンサー」だ。光を高率良く捉える事ができて、今までのセンサーと比べて感度は倍以上。暗いシーンでも明るく写り、ザラザラしたノイズも少ない。それほど暗いと感じない室内や日中の日陰のシーンでも、滑らかで美しい映像が得られる。もちろん1920×1080フルハイビジョン記録である。ボディデザインは、この実力が感じられないほどエレガントで操作ボタンも少ない。誰でも迷わずすぐ使いこなせるだろう。驚いたのはホールディングの良さだ。グリップ側のシルバーのパーツ部が丘陵状になっているため、手に馴染んでしっくり握る事ができる。なお、グリップベルトは片側のロックを外してストラップとしても使用できる。液晶画面脇にあるレーザータッチオペレーションは指で触れれば優しい青色の光が浮かび、未来的でちょっと嬉しくなる。各種設定をするメニューは階層も浅く、目的にたどり着きやすい。

手ぶれ補正がより強力になり、歩きながら撮影する時の大きな揺れも軽減できる「アクティブモード」が新たに搭載された。特に広角側での効果が大きいので、大画面テレビで再生しても見やすい動画が記録できる。肝心の画質は従来より厚みが増した感じだ。色彩はやや濃厚である。黒がキチッと再現されるので気持ちよい。輪郭補正が強くないので、ギラギラ感は感じられない。解像度は充分であり、望遠側での撮影でも細かい部分までしっかり表現している。

本機はBluetooth対応となった点も注目すべきポイント。スマートフォンをリモコンやモニターとして利用できるし、静止画の転送もできる。全て無線で繋がるのはとても手軽だ。その他多くのBluetooth機器との連携が考えられるので楽しみだ。今回はGPSロガーとヘッドセットを試してみた。


Bluetoothで繋がるGPSロガーは是非使いたい
GPSロガーは単体で衛星からの信号を受信し、位置情報を記録できるアイテムで、最近は乾電池1本で駆動できるものが、1万円前後の価格で見つけることもできる。今回使用したのはHolux社の「M-241」でBluetoothに対応しているため、接続の煩わしさはない。首からぶら下げておくだけで、GZ-HM570に位置情報が送られてゆく。実際の用途としては。登山やトレッキングの際のルート確認が良いだろう。サイクリングや街歩きで使ってみてもかなり楽しめる。撮影した素材をPCに取り込み、「GoogleEarth」を利用する事で画像付きで移動したルートを辿りながら、移動に要した時間やルートの距離などが一目で分かるのは感激だ。車やバイクの通勤ルート解析もできる。映像に付加する情報としてGPSによる位置情報はこれから必須になるであろう。もちろん動画と静止画で利用する事ができる。

本機に接続するBluetooth機器を一覧から選択する

カメラ側の設定も簡単。画面に接続状態も表示されるので安心。カメラを再起動させると。再度接続設定をする必要がある。


Everio Media Browser HDの画面。動作が軽く処理時間も短い。シンプルな画面。画像管理はサムネイル画像をカレンダー表示などもできて、楽しく見つけやすい

YouTubeへのアップロードも極めて簡単。ステップも少ない。画質はYouTube再生に適したものに変換されるが、待ち時間は少ない


GPSロガーから発信された位置情報を元にGoogleEarthの地図上に移動ルート(紫の線)と通過時間や距離も表示できる。ビルの谷間やガード下、地下道は受信が不可能なため、ルートが外れる事もある。動画再生との連携はバッチリだ

歩きながらの移動で空が開けていると、かなり正確に撮影地点が特定できる。静止画でも記録できて、地図上にピンが立つ。なんかすごい作戦をたてている気分だ

Bluetoothヘッドセットは録画中、マイクとしてカメラ内蔵マイクとのミックスした音声を記録でき、再生では音声モニターとしても使用できる。離れた人の声をはっきり収録したい時に便利だ。

ハイスピード撮影は120fps、300fps、600fpsが可能。瞬間の動きがスローモーションで再生できるので、見慣れたスポーツシーンや瞬間の自然現象に感動する。高感度なB.S.I CMOSセンサーが搭載された事で、撮影できるシーンも増えるだろう。また、面白い機能として1秒から80秒間隔まで選べるタイムラプス撮影もできてしまう。定点観測で移りゆく光景が撮影できるだろう。内蔵メモリーからSDカードへのリレー録画は大変便利だ(逆方向も可能)。また切り替わる際の時間差も少なく快適であった。

カメラ単体でプレイリストを作ったり、シーン結合、コピー、ムーブ、分割、トリミングなどもできてしまう。そのうえ、添付されるソフトウェアが秀逸。Everio Media Browser HDであるが、ソフトウエア自体が軽い。起動も速く、各種動作もきびきびしている。機能も十分であると感じた。画像の管理方法がよく、撮影した映像も探しやすく、編集も簡単である。BDやDVDを作成したり、YouTubeアップロードや画像共有も簡単。GPS情報を利用し、地図ファイルも作成できる。こんなソフトが欲しかったという感じだ。今まで編集ソフトを嫌っていたのがウソのように、今回は楽しく短時間で使うことができた。撮影した映像を楽しむ事までを、簡単にできる事はとても重要だと思う。とても小さな本機であるが、活用の範囲は広い。

筆者はカメラを毎日持って移動している。以前は重く大きな一眼レフだった。それから動画も撮ることができるコンパクトカメラに変わったが、正直ものたりない。ムービーカメラは大きいし、静止画の画質が貧弱であった。GZ-HM570は多くの不満を解消してくれそうだ。本機を上着のポケットに入れ、首からGPSロガーを下げて行動すれば、どんな被写体に出会っても安心して対応できるだろう。記録した映像や写真は、さまざまな媒体に残して配布できる質を保っていると感じた。

銀座のスナップ。広角側と望遠側で撮影

手ブレ補正があるといえ、しっかりムービーを構えたい。望遠側でここまでしっかり写るハンディムービーカメラは珍しい


暮れゆく都心の景色はどんどん明るさと色彩が変わる。ノイズが少なく、階調が豊かなので空のきれいなグラデーションが表現できた。必要以上に明るくしないAGCの効きは好ましく、自然だ。風が強かったが、望遠側でもブレ補正が効果を発揮している。この写真は900万画素の静止画記録

光と色彩をうまく捉えている。日向、日陰、逆光、全てその雰囲気を上手に出している。難しい花の紫色が見た感じに近く写っている


コニカミノルタレンズのズーム比は光学10倍だがオートフォーカスの追随も良く、普段はこれで十分

動画撮影モードならダイナミックズームで15倍(アクティブモード時)まで画質劣化無く迫力ある映像が撮影できる
【GZ-HM570のスペック】
●動画記録方式:MPEG-4 AVC/H.264 ●音声:Dolby Digital 2ch ●撮像素子:総画素数1062万画素1/2.3型高感度B.S.I. CMOSセンサー ●レンズ:光学10倍 コニカミノルタHDレンズ ●最低被写体照度:4ルクス ●液晶モニター:2.7型(12.3万ドット) ●記録メディア:64GB 内蔵メモリー、SDHCカード/SDカード ●入出力端子:USB、HDMI出力、コンポーネント出力、AV出力 ●消費電力:3.2W(XPモード時) ●外形寸法:55W×62H×115Dmm(撮影時) ●質量:約300g(撮影時)

【製品の問い合わせ先】
日本ビクター お客様ご相談センター
TEL/0120-2828-17

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