公開日 2026/06/10 13:26

パナソニックの4Kビエラは“黒の表現”を追求。『沈黙の艦隊』の吉野監督もお墨付き

高画質・高音質技術などを解説する体験会を開催
編集部:長濱行太朗
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パナソニックは、2026年5月14日にリリースした4Kテレビの高画質・高音質技術、ならびに機能面の特徴を、実機を通して解説する「テレビ新製品体験セッション」をメディア向けに開催した。本稿ではその模様をレポートする。

2026年度のビエラが大集結

同社は、2026年度の4Kテレビとして、有機ELモデルの “Z95Cシリーズ”、液晶モデルの “W97Cシリーズ” “W95Cシリーズ” “W93Cシリーズ” “W80Cシリーズ” を展開する。ラインナップと税込の市場想定価格は下記のとおり。

■Z95Cシリーズ(6月下旬発売)
・65V型「TV-65Z95C」 600,000円前後
・55V型「TV-55Z95C」 450,000円前後

■W97Cシリーズ(7月下旬発売)
・75V型「TV-75W97C」 440,000円前後
・65V型「TV-65W97C」 360,000円前後
・55V型「TV-55W97C」 290,000円前後

■W95Cシリーズ(6月下旬発売)
・75V型「TV-75W95C」 360,000円前後
・65V型「TV-65W95C」 300,000円前後
・55V型「TV-55W95C」 230,000円前後
・50V型「TV-50W95C」 225,000円前後
・45V型「TV-45W95C」 220,000円前後

■W93Cシリーズ(7月下旬発売)
・65V型「TV-65W93C」 240,000円前後
・55V型「TV-55W93C」 200,000円前後

■W80Cシリーズ(6月下旬発売)
・50V型「TV-50W80C」 150,000円前後
・43V型「TV-43W80C」 130,000円前後

体験会では、“パナソニックが目指すテレビ” として、「何気ない日常を、かけがえのない一日へ変えていく。」というミッション、そして「進化し続ける創造力で、まだこの世界にないものを生み出す。」というビジョンを掲げていることを明かした。

テレビ事業部としても、テレビを単なる映像機器としてではなく、ユーザーの日常へ役に立てる存在にすることを目指しているという。

そして、エンターテイメントの力で人々に「新しい出会い」と「本物の感動」を届けていくとアピール。

パナソニック株式会社 テレビ事業部 マーケティング部の金澤貞善部長は、「テレビは多くの家庭でリビングの一等地に置かれており、同社はスマホやタブレットでは味わえない感動を、テレビを通してリビングの一等地で体験させていきたい」と強く訴えた。

パナソニック株式会社 テレビ事業部 マーケティング部 部長 金澤貞善氏

現在のテレビ市場環境は大画面化が著しく進んでいると同社は説明。とくに60型以上のテレビの比率が伸張しており、4K液晶テレビの比率も88.0%まで高まっているとのこと。

そして同時に、テレビのネット接続も73.8%となっており、10年前と比較しておよそ3倍に達している。テレビは放送番組だけでなく、VODサービスや音楽配信サービスといった幅広いコンテンツを楽しむハブとしての役割も担うようになったという。

テレビの大型化、テレビのネット接続が着実に進んでいる

視聴スタイルも大きく変化している。動画配信の視聴が急速に拡大し、テレビが4K動画配信の視聴デバイスとして活用されている。一方で、国内ではマンション購入者が増えているとのこと。耐震や安全性能についての関心も向上しているという。

こういった市場環境、ならびに視聴環境の変化に合わせて、同社は「コア技術を活かした画質・音質の追求」と「『変化するくらし』への対応」、この2つの両立を目指すと説明した。

パナソニックは「コア技術を活かした画質・音質の追求」と「『変化するくらし』への対応」を軸に製品開発を進めている

「コア技術を活かした画質・音質の追求」について、ビエラの歴史は「黒の再現性」の歴史だという。プラズマをはじめ、液晶、有機ELといったデバイスで、「黒」を大事にし、高画質を追求してきたいと明言する。

そして「黒の再現性」を一貫して追求することは、「映像制作者の描く理想の色を忠実に再現すること」に繋がるとした。

たんに明るいだけ、また鮮やかなだけというのではなく、「真の美しさは、黒の中に宿る」というコンセプトの基、黒の表現にこだわり続け、豊かな階調表現や自然な色表現を追求してきたのがパナソニックの魅力だ。

画質において、ビエラの歴史は「黒の再現性」の歴史と明言。プラズマ、液晶、有機ELで「黒」の表現を大事にしてきた

ビエラは次なるステージへステップアップするとのこと。これまで培ってきた技術を活かし、今度はMini LEDを搭載した液晶テレビでも「黒の限界」に挑戦するとアピールした。

Mini LEDは高輝度表現に強みをもつデバイスだが、そこにパナソニックが得意とする緻密な光制御技術を組み合わせることで、高コントラストでリアリティに富んだ映像を再現する。

それが “黒のビエラ” としており、没入感のある映像を通して、ユーザーに映像体験から感動を届けていくという。

2026年、パナソニックは “黒ビエラ” をさらに追及していく

“黒のビエラ” を成し得るのは、プラズマや有機ELで培ってきた独自の発光制御技術、ハリウッドのクリエイターとの連携によって映像制作者の意図を汲んで開発を続けてきた歴史、これらの積み重ねが現代のMini LED搭載モデルに活かされている。

そんなMini LEDを搭載したモデルを、2026年度ではW97C/W95C/W93Cの3シリーズまで拡大した。より多くのユーザーに、Mini LEDモデルによる映像体験を楽しめるようにラインナップを広げたようだ。

ビエラで長年培ってきた技術を、Mini LEDに投入

2つ目の「『変化するくらし』への対応」については、地震が来ても倒れにくい安心設計のひとつである「転倒防止スタンド」をはじめ、同社の厳格な出荷基準を満たしたリファービッシュの取り組み、延長保証による購入後の安心なアフターサービス、これらを実現することで安心して使い続けられるテレビを開発していくとした。

安心して使い続けられるテレビとして「Panasonic Quality」のコンセプトを掲げる

「転倒防止スタンド」は、震度7相当レベルまで耐えられる設計となっており、2018年から取り組みを開始して以降、2025年モデルでは14機種に搭載されるまでとなった。

そしてリファービッシュにおいては、妥協のない基準で選ばれたパーツを、再生のプロ集団が実作業を行うシステムを導入。パナソニック検査済み再生品「Panasonic Factory Refresh」によって、高い信頼度を確保する。

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体験会では転倒防止スタンドも設置されており、強度の高さを実感できた。転倒防止スタンドとテレビラックなどの間を真空にする仕組みも公開
厳格な出荷基準を満たしたリファービッシュ品を採用

延長保証については、Fire TVのテレビ向けアプリ「マイビエラ」から商品登録、ならびに申し込みをすることで、保証期間の無料延長に対応する。2026年度モデルのZ95CシリーズとW97Cシリーズは4年間、W95Cシリーズは2年間の延長保証が可能だという。

また、幅広いコンテンツ再生のハブとしての役割をもつビエラには、映像作品の探しやすさを追求し、放送コンテンツとネット動画の最適な融合を目指すべく、引き続きFire TV OSを搭載する。使いやすいUI、音声操作、豊富なアプリによって、観たいコンテンツをテレビの大画面で手軽に楽しむことができる。

体験会では続いて、2026年度の4Kテレビの特徴について、テレビ事業部の沖津大輔氏が登壇。高画質・高音質のポイント、ならびに注目度の高い機能について紹介した。

パナソニック株式会社 テレビ事業部 マーケティング部 国内マーケティング課 沖津大輔氏

液晶モデルのW97Cシリーズには、新世代の高輝度Mini LEDバックライトをはじめ、広色域技術の「量子ドットシート」、その上に「高輝度・広視野角シート」と組み合わせた新たなMini LEDバックライトシステムとして「Bright Black Panel Ultra」が搭載されている。

Mini LEDモデルのW97Cシリーズに採用された高画質技術

最適化された光学設計によって、深みのあるコントラスト、豊かな色を実現。前モデルの「W95Bシリーズ」と比較して、ピーク輝度が約2倍にまで向上していることも特徴だ。また、色再現性を高める技術として、「リアルタイム色チューニングシステム」も導入されている。

パネル制御技術には「Wエリア制御 Ultra」を採用。前モデルのW95Bシリーズと比較して、約2倍のバックライトエリア分割数となっている。

併せて、「バックライトエリア制御PRO+」と「エリアコントラスト制御PRO」によって、従来以上に細密化されたバックライトをしっかりとコントロールすることで、高コントラストな映像再現を成し得ている。

W97Cシリーズには「Bright Black Panel Ultra」を採用。大幅に進化したバックライト技術「Wエリア制御 Ultra」を搭載する

体験会の会場では、W97Cシリーズの「Wエリア制御 Ultra」によるバックライトの駆動を確認できた

前モデルよりも分割数が増え、バックライト駆動の精密さも進化していることがわかる

加えて、独自のMini LEDバックライト制御技術である「ミニマムルミナンスコントロール」も投入。

一般的なMini LEDバックライトのモデルでは、暗いシーンを映した際、映像の光り出しを制御しきれずに黒が潰れてしまうことが多いが、「ミニマムルミナンスコントロール」搭載のビエラなら、超低輝度まで緻密にコントロールし、深みのある「黒の美しさ」を表現できるとしている。

「ミニマムルミナンスコントロール」によって超低輝度まで緻密にコントロールすることができる

W97Cシリーズと前モデルのW95Bシリーズの画質比較も実施。圧倒的に輝度がアップしている

「ミニマムルミナンスコントロール」は、Mini LED搭載の最上位モデルであるW97Cシリーズのほか、ミドルクラスモデルのW95Cシリーズ、そしてスタンダードクラスのW93Cシリーズにまで技術展開されている。

また、W95CシリーズはMini LEDバックライトと高輝度・広視野角シートを組み合わせた「Bright Black Panel」、W93CシリーズはMini LEDバックライトによる「Black Panel」を搭載。パネル制御技術「Wエリア制御」をはじめ、バックライト制御の「バックライトエリア制御」と「ミニマムルミナスコントロール」、信号処理技術の「エリアコントラスト制御PRO」は両シリーズに採用されている。

明るいだけでなく、明暗のコントラストがスムーズで、人肌の表現もナチュラルな印象

量子ドット技術も組み合わさったことで、艶やかな発色も成し得ている

高音質技術は、実用最大出力70Wのアンプによって、スピーカー+ウーファー/イネーブルドスピーカーを駆動する「360立体音響サウンドシステム」を搭載。

独自音声アルゴリズムを用いることで、クリアで音抜けの良い音を再現し、声の定位をはじめ、映像と一体となった自然で臨場感のあるサウンド再現を可能とする「フロントファイアリングエミュレーター」も備えている。

W97Cシリーズには、「360立体音響サウンドシステム」を採用

音質アップの効果を体験できるよう、W97CシリーズとW95Bシリーズの音質比較ブースも展開

2026年度の有機ELモデルは、ハイエンドモデルのW95Cシリーズのみ発表されているが、ビエラ史上最高峰の高画質と高音質を実現させていると説明。有機ELデバイスに「新世代プライマリーRGBタンデム」を採用することで、マイクロレンズ有機EL搭載モデルよりも高輝度、さらに色輝度もアップさせている。

有機ELモデルのZ95Cシリーズに搭載された高画質・高音質技術

Z95CシリーズとZ95Bシリーズの画質比較ブースも公開。輝度がアップし、色の明暗も緻密にさらに描かれていた

加えて、パネルの表面処理として「低反射ブラックフィルターPRO」を投入することで、映り込みを大幅に低減しており、従来以上に引き締まった黒、明るい部屋においても高コントラストな映像表現が可能となっている。

音質面では、実用最大出力170Wのアンプで、多数のスピーカーユニットを前向きに設置して解像感の高さと厚みのある音を両立するラインアレイスピーカーとウーファー+パッシブラジエター、ワイドスピーカー、イネーブルドスピーカーを駆動させる「360立体音響サウンドシステム」を搭載。

Z95Cシリーズは、ラインアレイスピーカーを導入した「360立体音響サウンドシステム」を内蔵

最新モデルでは頭部伝達関数を活用した新アルゴリズムによって、セリフなどの声の位置をリフトアップさせることで、画面中央から自然に聴こえる技術を採用している。

また、新フィードバック処理で低音残響成分をリアルタイムで生成する「レゾナンスベース」機能で、豊かな低音の響きも成し得ている。

機能面では、Fire TV OSのホーム画面を刷新。映画/TV番組/アニメ/ライブといったタブの位置を 画面左上に変更したり、横スクロールによって多くの登録アプリを表示可能にしたほか、画質・音質などの調整用ショートカットパネルも追加するなど、利便性に富んだブラッシュアップを実施した。こちらは、7月以降のソフトウェアアップデートによって順次対応するという。

7月以降のアップデートによってFire TVのホーム画面がブラッシュアップ

また、リモコンを無くしたときに音でリモコンを探せる「見つかるリモコン」も採用。そのほかにも、Auracast対応、ゲーミング機能での音声モードに「レース」モード追加、VRR再生時のバックライト分割駆動カバーなど、多数の新機能が盛り込まれている。

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「見つかるリモコン」の機能をオンにしたとき、付属リモコンの底面部から探知音が発生する

続いてトークセッションには、Prime Original『沈黙の艦隊』シリーズの監督を務める吉野耕平さんが登壇。

吉野監督は、『沈黙の艦隊』など、潜水艦ものは劇場と相性が良く、劇場の暗闇と音というなかで最大の効果を発揮すると、昔から言われているという。その分、日常の明るい空間で、テレビで鑑賞するとなると、パワーダウンは避けられないものだったとのこと。

しかし、今回実際にW97Cシリーズで『沈黙の艦隊』を視聴した際、試写や映像チェックなど劇場で観ていた印象とほとんど変わらずに観ることができ、「テレビのクオリティってここまできているんだな」と実感したことを明かしてくれた。

Prime Original『沈黙の艦隊』シリーズの監督を務める吉野耕平さん

また、「公開後に作品を観ると、ミスやアラを探してしまう癖があるのですが、W97Cシリーズで視聴したとき、このクオリティで一般の家庭に届けられるようになったことが嬉しい反面、すこし怖さも感じました」と、話してくれた。

『沈黙の艦隊』は、艦内のシーンも暗くて静かであり、海の中も暗い、そのため暗部シーンでのコントラスト表現が重要だという。艦内であれば、周りは暗いけれどモニターやボタンなどの発光は明るく表現し、海の中であれば漂うマリンスノーの見え方など、陰影のニュアンスが求められる作品。

そのため通常は、暗部が潰れたり、逆に見え過ぎてしまったりするが、映像でこだわった部分を、テレビがしっかり拾ってくれるので、作り手として嬉しいと語ってくれた。

また、『沈黙の艦隊』は、吉野監督自身も学生時代から長年読んでいた本当に好きな作品だったという。

「『沈黙の艦隊』は非常に完成された作品。ポリティカル・アクション・サスペンスの大きなドラマがあるもので、取り掛かるのも走り切るのも大変な作品です。現場の人間全員が登り切るのが難しい山に立ち向かっている状況であり、楽しくもあり、苦しくもあるところを頑張っています」と、作品の実写化について明かしてくれた。

体験会の会場でも、W97Cシリーズによる『沈黙の艦隊』の画質・音質体験が実施された

映像面で難しかったシーンについて 吉野監督は、第二作『沈黙の艦隊 シーズン2 【北極海大海戦】』の中盤のひとつの山場を挙げた。北極の氷山を突き破り、そのあとに海江田四郎がオーロラの下で演説する、原作の中でも非常に重要なシーンだ。

「北極のど真ん中でライトとなるものは一切なく、上空のわずかなオーロラの光、白夜と雪の照り返し、舞う粉雪、そして海江田の表情といった、さまざまな要素があるなかで、良いバランスを見つけるのは、やればやるほど難しいシーンでした」と、とても難所であったことを解説してれくれた。

そしてそのシーンを、W97Cシリーズで観た印象について、空のオーロラのニュアンスをはじめ、フレームで止めると見えないが流れでは見える、風を感じさせる粉雪のわずかな表現も再現してくれいたという。

また、画のバランスが少しでも崩れると潰れて見えなくなってしまう、少しだけ出ている海江田の肌色も丁寧に拾ってくれていると説明する。

音質面では、BGMにクラシックが掛かる中で激しいバトルが行われていたり、その中で専門用語が飛び交う戦いであったり、音楽/効果音/セリフの要素が入り乱れているのが作品の名物。

音のバランスが悪いと、全てがまとまってしまって、どの音も立たなくなってしまう場合があるが、W97Cシリーズではどの音もストレスなく聴けて、観客の心に届くように作ってくれている印象だという。

吉野監督は「“黒のビエラ” というように、暗部シーンが中心となる『沈黙の艦隊』と非常に相性がよいと感じました」とコメント。

「最近、父が外出しづらく劇場にいけない状況なのですが、新型ビエラなら画質と音質が担保されているので、父にも画と音で力を入れたシーンを、胸を張って見せられます。また、子供も小さく、作品を家で確かなクオリティで見てもらえるのは、大変ありがたいです」と、ビエラの魅力を話してくれた。

なお、『沈黙の艦隊』シリーズは続編制作が決定したこと、および原作の最後まで撮ることが決まったと先日アナウンスされた。

「撮影も終盤になり、このあとまさに“黒との格闘”と言いますか、暗闇とCG、色と合成の調整などが待っています。その長い闘いを経て、皆様に届けられる日を、そしてビエラで届けられるのを楽しみにしています」と、作品の今後についてもコメントしてくれた。

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