公開日 2021/05/10 11:14

ゼンハイザー、コンシューマー事業譲渡に「心配はない」。今後もワンブランドで展開

Sonovaはドリームパートナー
編集部:押野 由宇
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
ゼンハイザージャパンは、5月7日に発表された、同社コンシューマーエレクトロニクス事業のSonova Holding AG(ソノヴァ)社への譲渡について、メディア向けの説明会を開催した。

ゼンハイザーは今年2月、今後は「プロフェッショナル事業に注力する」と発表。コンシューマー事業については「パートナーを探している」としており、今回その相手と具体的な移行時期などが明らかになった。

ゼンハイザーがコンシューマー事業譲渡を発表

Sonovaは補聴器や人工内耳などの聴覚ケア事業を手がけている。この事業ポートフォリオに、ゼンハイザーのヘッドホンやイヤホン、サウンドバーを加える。また、Sonovaがゼンハイザーのブランドを使用するライセンス契約も結ぶ。なお、ゼンハイザーのコンシューマー事業には、約600名の従業員がいるが、これらの従業員はSonovaへ移籍する。

Sonova CEOのArnd Kaldowski氏

Sonovaへの事業移行は2021年末までに完了予定。ゼンハイザーは今後、リソースをプロオーディオ、ビジネスコミュニケーション、ノイマンの各事業分野に集中させていく。

ゼンハイザー共同CEOのダニエル・ゼンハイザー氏とアンドレアス・ゼンハイザー氏

ゼンハイザーではコンシューマーとプロオーディオの判断が難しいような製品もラインナップされているが、DJヘッドホンやモニタリングヘッドホン/イヤホンがプロオーディオとして位置づけられることとなる。「HD 25」や「HD PRO」、「IE PRO」シリーズなどが該当する。マイク製品もすべてプロオーディオ領域だ。

「HD 25」

完全ワイヤレスイヤホン「MOMENTUM True Wireless 2」や、ハイエンドヘッドホン「HD 800」シリーズ、「HD 600」シリーズなどはコンシューマーモデルとして今後、Sonovaが手がけていく。

完全ワイヤレスイヤホンなどコンシューマー製品も、変わらず「ゼンハイザー」ブランドとして展開していく

「HD 820」

ただし、ゼンハイザージャパンは「Sonovaにコンシューマー事業が譲渡されても、ゼンハイザーとしてブランドが分かれるといったことはない」と説明する。あくまでもワンブランドとして展開していくため、サポートについても従来通り、問い合わせ先がコンシューマー用とプロオーディオ用では違うものの、その対応レベルなどに変更はないとのことだ。

また、今後の製品開発においても「ライセンスだけではなくファクトリーも含めた事業部の完全譲渡であり、音が変わってしまうといった心配は限りなく低い」とコメント。加えて、「事業譲渡によって開発が止まることはない。2023年までのロードマップを掲げており、それに変更が入ることはない」とも述べられた。

製品の販売ルートについては、「Sonovaはコンシューマー事業を展開していないので、ディストリビューションのネットワークはゼンハイザーのものを活かすことになると考えられる」としており、価格についても大きく変更されるようなことはないという。

同社は「今回のパートナーは “ドリームパートナー” であり、ゼンハイザーの音質、Sonovaの補聴器におけるテクノロジーといった、お互いの強みをかけ合わせることで、競合に対して差別化も図っていけることが、事業譲渡の大きな理由のひとつ」であると説明。

そして「サポート体制や販売ルートなどは、これから詳細を詰めていく段階であり、まだ確定的な内容は伝えられない」と前置きしつつ、「ゼンハイザーが提供してきたクオリティが下がることはない」と強調した。

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック

クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 レコードの音楽を読み取って光るターンテーブル。オーディオテクニカ「Hotaru」一般販売スタート
2 ダイソンとPORTERがコラボした特別デザインのヘッドホンとショルダーバッグ。全世界380セット限定販売
3 LUMINの進化は終わらない。初のディスクリートDAC搭載「X2」の思想を開発担当者に訊く!
4 Spotif、2025年に最も聴かれた邦楽は「ライラック」。国内外で最も聴かれた楽曲・アーティストの年間ランキング発表
5 DUNU、7ドライバー/トライブリッド構成を採用したイヤホン「DN 142」
6 カセットテープとともに過ごすカフェ「CASSE」。12/17渋谷でグランドオープン
7 Vento、3次元特殊メッシュを採用したハイブリッド拡散パネル「DAP180 / DAP120」
8 AVIOT、最大120時間再生と小型軽量を両立したオンイヤー型Bluetoothヘッドホン「WA-G1」
9 サンワサプライ、省スペース設置できる木製キャビネットのサウンドバー「400-SP120」
10 アイレックス、ALBEDO/AUDIAブランド製品の価格改定を発表。2026年1月1日より
12/5 10:47 更新
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー199号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.199
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
特別増刊
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
最新号
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.23 2025冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.23
プレミアムヘッドホンガイド Vol.33 2025 SUMMER
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.33(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • プレミアムヘッドホンガイド
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX