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公開日 2014/10/25 19:09

【ヘッドホン祭】ティアック、DSDネイティブ再生対応のポタアン/プレーヤー「HA-P90SD」

これまでないスタイルのオールラウンドプレーヤー
ファイル・ウェブ編集部
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ティアック(株)は、本日からあす26日まで東京・中野で開催されている「秋のヘッドホン祭2014」において、製品発表会を開催。DSDネイティブ再生に対応したポータブルヘッドホンアンプ/プレーヤー「HA-P90SD」を12月に発売すると発表した。価格はオープンだが7万円前後での販売が想定される。

「HA-P90SD」(ブラック)

「HA-P90SD」(レッド)

同社は先週末に開催された「オーディオ・ホームシアター展2014」(音展)において、本機を参考出展。年内発売を予定しているとアナウンスしていたが、本日正式発表を行った格好だ。これまで発表されていた情報をさらにくわしく紹介したことに加え、本体色としてブラックのほかにレッドが用意することも明らかにされた。

斜めから見たところ

ディスプレイはモノクロの2.7インチ有機EL

高品位なポータブルヘッドホンアンプとDSDネイティブ再生に対応したポータブルプレーヤーを掛け合わせたのが製品コンセプト。ポータブル用途だけで無くデスクトップでの利用も想定した仕様を備えるなど、様々な音楽リスニングスタイルに対応できる、これまでにないスタイルの製品だ。また、シンプルな操作性にもこだわった。

HA-P90SDの3つの特徴

筐体はフルアルミで、トップパネルはヘアライン仕上げだが、サイドパネルはブラスト仕上げ。ボリュームノブと端子類を保護するガードも前面に設けている。

ポータブルヘッドホンアンプとしての「HA-P90SD」

まずはDAC内蔵ポータブルヘッドホンアンプとしての「HA-P90SD」の特徴を見ていこう。

DACにはバーブラウンの「PCM1795」を搭載。本製品の商品企画を担当した同社 企画販売促進課の吉田穣氏は、「ティアックとして、様々な製品に搭載して使い慣れたDAC。音質にも定評がある」と、採用した理由を説明する。

ティアック(株)企画販売促進課の吉田穣氏

DACはバーブラウンの「PCM1795」を搭載

クロックは44.1kHz系と48kHz系それぞれの音源のため、専用マスタークロックを搭載。USB接続時だけでなく、SDカード内の楽曲再生時にも内部クロックを同期し、ジッターノイズを低減している。

パワーアンプ部はディスクリート構成。プッシュプル回路とバーブラウンの高品位なオペアンプ「OPA1602 SoundPLUS」を搭載した。パワーアンプ部の出力は170mW+170mW(32Ω)で、同社のポータブルヘッドホンアンプ専門機「HA-P50」の160mW+160mWに比べて高いだけでなく、他社の代表的な製品に比べても大出力であるとアピールする。

バーブラウンの高品位なオペアンプ「OPA1602 SoundPLUS」を採用した

パワーアンプ部の出力設計は、4段階の最大出力アッテネーター(-0dB、-10dB、-20dB、-30dB)と、2段階の出力ゲイン(HIGH/LOW)の切り替えが可能。組み合わせると計8段階の設定が行え、様々な機器に対応できる。

4段階の最大出力アッテネーターと2段階の出力ゲインを組み合わせ、計8段階での出力設定が可能だ

また回路はデジタル部とアナログ部を分離したレイアウトとし、ノイズの混入を抑制。さらに高品位なオーディオ用チップフィルムコンデンサーの採用、電源の低インピーダンス化などにより高音質化した。

回路の高音質化にもこだわった

入力端子や接続できる機器群の幅広さも特徴だ。ヘッドホン出力端子は8〜600Ωまで対応し、端子形状は3.5mmステレオミニ。またOPTICAL入力とCOAXIAL/LINE入力兼用端子も3.5mmミニジャックで装備した。USB MicroB端子では、Mac/Win/Android(OTG)からの入力に対応。またUSB A端子はiOSデバイス向けで、Lightning-USBアダプターを介すことなく、DSD 5.6MHz音源や192kHz/24ビット PCM音源などのハイレゾ音源をiOSデバイスから受け、出力することが可能だ。

前面にはヘッドホン端子やデジタル/LINE兼用入力端子を備える

背面にはUSB microB端子とUSB 端子を装備。ACアダプターからの給電/充電にも対応

再生ソフトは、Mac/Windows用の「TEAC HR Audio Player」を無償提供。またiOSアプリもすでに提供している再生アプリが利用できる。さらに今回、Android向けアプリも初めて開発し、提供する。一般的にAndroid機器とポタアンをOTGケーブルで接続すると、Android機器のバッテリーが速く消耗するが、このアプリには「V BUS給電制御機能」が搭載され、デバイスのバッテリー持続時間を延ばすことができるという。

様々なデバイスと接続できる点が本機の大きな特徴だ

ハイレゾ対応プレーヤーとしての「HA-P90SD」

続いて、本機のプレーヤー機能を見ていこう。まず本機は内蔵メモリーを持たず、microSDXCカードスロットのみ装備する。再生したい楽曲を最大128GBのmicroSDカードに入れ、差し込むことで再生できる。オートプレイリスト機能も搭載している。本体収録可能数は最大9999ファイル/メディア、3000フォルダ/メディア。

対応しているファイル形式はWAV、MP3、AAC、WMA、FLAC、DSF、DSDIFF(DFF)。ただしFLACの176.4kHz/192kHz再生は、発売後のファームウェアアップデートで対応する。ALACとAIFF再生には対応していないが、ファームアップで対応する可能性もあるという。

発売時のプレーヤー機能。今後ファームアップで対応フォーマットや機能が増える可能性がある

DSDネイティブ再生ができることが本機の大きな特徴だ。吉田氏は、ティアックとDSDの歴史が長いことをアピール。「TASCAMブランドから、2001年にDS-D98という製品を出しました。これが最初のDSD対応機器で、120万円くらいしました。その後様々な製品を投入してきましたが、最新の「DSD-3000」ではDSD 5.6MHzに対応し、10万円を切る価格設定もあって、非常に人気の製品となっています」。

単体で5.6MHz DSDの再生が行える

コンシューマー機器については、「2012年にDSD 5.6MHz、384kHz PCMという、当時最高スペックを備えたReference 501シリーズを投入しました。そして今年春には、Reference 301シリーズを市場投入しています。これらで培った技術的な蓄積があって今回の新製品が生まれました」と紹介した。

今回、単体でDSD 5.6Mネイティブ再生を実現できた背景には、Analog Devices社製の「Blackfin BF606」という高性能プロセッサーを搭載したことが大きいのだという。同社説明員によると「非常に頭の良いプロセッサーなので、今回発表した仕様でも、能力を全く使い切れていない。たとえば11.2MHz DSD対応など様々なアップデートの余地がある」とのことだ。

さらに本機のユニークなフィーチャーとして、同軸デジタル出力端子からのDSD 2.8MHz信号のDoP出力に対応したことが挙げられる。「さらに上位の単体DACやDAC内蔵アンプなどに接続する用途を想定している」(吉田氏)という。発売後のファームアップで対応する予定だ。

同軸デジタル出力端子からのDSD 2.8MHz信号のDoP出力に対応

ディスプレイはモノクロで、サイズは2.7インチ。有機ELを採用している。メニューは英語で、タグ情報はMP3 ID3 v1/v2、WMA Tag、FLAC Tag、DSDIFF EmChunk、DSF ID3v2.3、AAC MP4。英語および西欧諸言語のほか、日本語と中国語にも対応している。データベース管理は楽曲、アルバム別、アーティスト別、ジャンルベル、プレイリスト別、フェイバリットの各項目で行える。レジューム機能やプレイリスト機能、リピートモードも搭載している。

シンプルな操作性にもこだわった。ディスプレイ下にはMENU、再生/一時停止、曲送り/曲戻しボタンを装備。また、本体右側面にはマルチウェイスイッチを備え、同一階層のアイテム間を移動する際に利用する。

体右側面にはマルチウェイスイッチを備える。タイムラグのない素早い動作が可能だ

本体右側面にmicroSDカードスロットやマルチウェイスイッチを装備

内蔵バッテリーは3,460mAhで、iOSデバイスと接続しているときは7時間、SDカード内部の楽曲を再生しているときは6時間の連続使用が可能。

また、急速充電が行えるACアダプター端子も搭載。たとえば自宅でUSB-DACとして使っている時も充電が行える。

周波数特性は10Hz〜100kHz、S/N比は105dB以上(AUDIO IN時、100mW、32Ω)。全高調波歪率は0.004%(最大入力時LOW GAIN、100mW、32Ω)。外形寸法は69.6W×21.5H×123Dmm、質量は280g。

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