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公開日 2004/09/28 19:10

東芝、映像事業の戦略説明会を開催 「今年は“映像の東芝”復活元年」

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●(株)東芝は本日、同社の映像事業戦略と新商品の発表会を開催した。発表会では2010年までの中期的な計画が示されるとともに、HDD+DVDビデオレコーダーの新フラグシップ機「RD-X5」や新しい「beatiful face」シリーズ、昨日発表されたgigabeatの新モデルなどが披露された。

同社取締役 代表執行役社長の岡村正氏は、「今後は映像事業を東芝の柱に育てる」とし、「今はデータを中心とした時代から映像の時代への変革期。ハイビジョン、次世代放送、次世代DVD、映像配信、小型HDDなどへの要求が高まっている。我々はこれらの分野で新技術を開発するとともに、SEDではキヤノンと、CELLではソニーと、それぞれ戦略的な提携関係を結んできた」と同社の取り組みを説明した。

岡村正社長

さらに同氏は、「強みを持つデバイス分野とのシナジー効果を生むため、全社的な見地からトップダウンのプロジェクトを進めている」と述べ、「2006年までは基礎固めの時期。それ以降は収益を拡大させ、08年の北京五輪、11年の地上波デジタル放送完全以降などに照準を合わせていく」と語った。

また同氏は、やや唐突に「我々とコンテンツホルダー、プロバイダーとの関係について説明したい」と切り出し、「『共存共栄』が我々のポリシー。映像コンテンツは文化であるとの認識のもと、お互いの主張を納得のいくまで語り合い、様々な共栄のかたちを探っていきたい」と述べた。岡村氏がコンテンツホルダーとの協力体制を重視する背景には、Blu-ray Disc陣営を牽制する意味もありそうだ。

事業戦略の詳細については、同社執行役上席常務 デジタルメディアネットワーク社社長の藤井美英氏が説明。藤井氏はまず、「今年は『映像の東芝』復活元年になる」と述べ、同社が映像事業に注力する姿勢を強調。さらに同氏は「2010年には、テレビやカメラ、DVD、HDDなどすべてが飛躍的に進歩する」と語り、それぞれの具体的な進化の姿を説明した。その予測によれば、テレビでは50mm以下の超薄型、10kg以下の軽量なものが現れ、DVDではHD DVDの普及に加え、テラバイトクラスのHDDを内蔵したものが登場するという。

デジタルメディアネットワーク社社長の藤井美英氏

これらの予測を踏まえた上で同氏は、SED-TVやHD DVDなどの「No.1セット」、DLNAや様々なソリューションでの「No.1ネットワーク機能」、さらに小型HDDやSEDパネル、システムLSI、小型燃料電池、NANDフラッシュメモリなどの「No.1コア部品」の「3つのNo.1」を推進するとし、これらが東芝の映像事業を成長させるエンジンになると説明した。

より具体的な戦略としては、「HD DVDやSED-TVなど東芝の強みを活かした差違化商品を提供する」とともに、「キヤノン、日立、松下、ソニー、IBMなど他社とアライアンス戦略を行うことで成長を加速し、さらにキーコンポーネントの内製化率を上げることにより利益を生み出す」考えが明らかにされた。

さらに同氏は、これらの施策により、同社の映像事業の売上高を、2004年の4,900億円から2010年に1兆5,000億円と、約3倍に引き上げる計画を発表。このうちテレビ事業は1兆円とし、テレビ事業の国内シェアを20%に拡大すると述べた。

2010年の映像事業売上高予測

発表会場に展示されたSEDディスプレイとHD DVD


HD DVDは来年の発売を予定している

発表会の中盤、同社のCFキャラクターとして藤原紀香を引き続き起用されることが発表された。「私もW録のRDやbeautiful faceを使っていますが、私でもかんたんに使いこなせています。1年でこんなに進化するなんて、ホントにすごい。『映像の東芝』、私も期待しています」とにこやかに語った。

このあと、CTV事業部長の江原氏が「beautiful face」の新製品を、デジタルAV事業部長の桐山氏が「RD-X5」を、映像システム事業部 事業部長の萩尾氏がgigabeatの新作をそれぞれ発表。各製品の詳細については別項で紹介する。

会場には、今回発表された新製品だけでなく、モバイル放送の受信端末、SDカードビューワー、5インチQVGAの有機ELディスプレイを搭載した次世代ビューワー、同社が新たに開発をはじめる0.85型HDD、そのHDDを搭載したデジタルカメラのモックアップなど、現在開発を進めている様々な未来商品を展示。「映像の東芝」復権に賭ける同社の強い意気込みが示された。

モバイル放送の受信端末

SDカードビューワー


5インチ有機ELビューワー

gigabeatの音声をブルートゥースで伝送するデモ


小型HDDを内蔵したカメラのモックアップ

以下に、本発表会で行われた質疑応答の模様をすべてご紹介する。

「コンテンツホルダーなどとの共生」という言い方をされたが、ユーザーとコンテンツホルダーにもそれぞれの権利関係の兼ね合いがあると思う。これについてはどう考えているか。
正直に言って、解決すべき問題は山ほどある。コンテンツの使用方法がどんどん多様化してきているので、特に問題が多くなっている。我々としては「こうあらねばならない」と構えるのではなく、幅広いコンテンツホルダーの話を聞きながら、ハードメーカーとコンテンツホルダー、ユーザーがすべて納得のいくような状況を作っていきたい。

HD DVDの進捗状況について教えて欲しい。
来年2月にはRW、R規格とも、すべてDVDフォーラムで承認が下りる予定だ。承認が下りるというのは、ラウンドロビンテストが終了するということだ。あとはアプリ規格を進めて行くが、オーディオ規格とビデオ規格を統合することは決まった。これらの規格は、Blu-ray陣営である13社のうち10社が参加するDVDフォーラムの技術部会で策定を進めてきたものであり、字義通りの「次世代DVD」というものはHD DVDしか存在しない。

2010年に1兆5,000億円の売上げを映像事業で上げるとのことだが、このうちSEDとHD DVDの占める内訳を教えて欲しい。
SEDテレビだが、2010年には単価が8〜10万円になると考えている。300万台を販売する予定だ。HD DVDに関しては、すべてDVDに置き換わるとは考えていない。DVDと合わせて2,500億円を考えている。

SEDとHD DVDがデファクトスタンダードを握れなかったときのリスクについてはどう考えているか?
SEDに関しては、もうこれは勝ち負けというより我々の自信の領域の話で、負けるとは全く考えていない。HD DVDに関しても同様で、負けると考えていたら事業化していない。290社をベースにしたDVDフォーラムと一緒に普及活動を行っていきたい。

2010年にテレビのシェア20%を獲得するとのことだが、ソニー、松下と比べた際の優位な点を教えて欲しい。
映像革命期に対応する技術力、デバイス開発力、画作りの能力の3点だ。

SEDが本格化するまで、40インチ級の薄型テレビはどういう展開を行うのか?液晶でいくのか、プラズマでいくのか?
これが最も難しい質問で、3つを併存させることになる。アメリカではプラズマとマイクロデバイス(リアプロ)、日本では42インチまでは液晶、それ以上はプラズマでいくなど、地域によって展開が異なる。

(Phile-web編集部・風間)

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