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東芝、経営方針説明会を開催 − 売り上げ好調、計画は1年前倒しに

公開日 2006/05/11 18:36
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西田厚聰 社長
(株)東芝は本日、経営方針説明会を都内で開催した。説明会には同社取締役 代表執行役社長の西田厚聰氏が出席し、現在の経営状況や今後のビジョンについて説明を行った。

まず同氏は05年度の実績について説明。売上高は6兆3,435億円となり、07年度の目標であった6兆6,000億円に近づく結果を残した。これを受け本年度(06年度)は前回公表値を1年前倒しした計画を組むという。同氏は「成長ビジョンと戦略的資源分配による“攻めの経営”を断行する」ことで「利益ある持続的成長」を実現したいと語った。また、全ての事業領域において高成長・高収益を実現することで、2010年には売上高9兆円、営業利益5,400億円、営業利益率6%を目指すとした。


2005年度の実績

2008年度の目標

設備投資計画
08年までの具体的な中期計画の発表では、08年度の目標を売上高7兆8,000億円、営業利益率5%とし、「国内電機メーカートップクラスの利益水準を実現する」と語った。

06〜08年の設備投資は2兆400億円を計画(03〜05年は1兆1,323億円)。NAND(フラッシュメモリ)の投資に第5製造棟の計画も盛り込むほか、「SEDなどの新規事業にも傾斜配分する」とした。またHDD事業への投資も増額し、競争力の強化を図る。

主要事業戦略の具体的な説明としてまず取り上げたのは電子デバイス事業。08年度には2兆6,000億円超の市場となる見込みのNANDフラッシュでは、独自の先進技術、高い生産能力、協業や顧客別のカスタマイズ、インフラの整備などにより、より一層の事業拡大を進めると説明した。


NANDの展開

SEDの展開

映像事業の計画
SEDの展開に関しては、これまで発表してきた通り08年の本格量産を計画中で、「08年の北京オリンピック商戦をターゲットに展開する」とした。現在は生産の合理化などを含めた量産体制を構築中で、07年7月から平塚工場で55インチパネルの量産を開始。08年の初めに1,800億円を投資した姫路工場で本格量産を開始するというのが現在の計画だ。

HDD事業は今後2.5インチ以下のHDDに特化し業界No.1を目指す。さらなる設備投資を行い、08年の生産能力を05年の1.7倍にまで引き上げる予定だ。

映像事業に関しても確実な売り上げ伸長を図る。HD DVD、SEDテレビに注力するほか、液晶テレビ“REGZA”の世界展開にも力を入れていくと説明した。

説明会で行われた質疑応答の主な内容は以下の通り。

Q.NANDの第5製造棟はどこに建設するのか?
A.四日市は第4棟でいっぱいになるため、それ以外に造るが、具体的な場所はまだ公表できない。

Q.08年度までに2兆400億円の投資を行うとのことだが、SED、HDDそれぞれへの投資額は?
A.SEDは姫路工場に1,800億円の投資を行う。HDDは具体的な数字は言えないが、生産能力を1.7倍に上げる。

Q.SEDの姫路工場はいつから建設を始めるのか?
A.時期が来たら発表する。平塚で生産する55インチも姫路で生産可能となる予定だ。

Q.カーエレクトロニクスについてどう考えているか?
A.少し出遅れていると認識している。今後強化していきたいと考えている。

Q.映像事業の黒字化の時期は?
A.07年度に黒字化する。テレビに関しては06年度下期に黒字化したいと考えている。中国、欧州ではプロジェクションテレビの生産を中止し、液晶テレビに注力しているところだ。

Q.NANDに力を入れているが、0.85インチのHDDはどう展開していくか?
A.すでに生産を開始している。ストレージのキャパシティを上げていくことで用途が拡大し、NANDとの棲み分けをできると考えている。設備投資は状況に応じて行っていく予定だ。

Q.NANDの第5製造棟はこれまでのようにSanDiskと共同で稼働するのか?
A.現在のスキーム通りに行う予定だ。


(Phile-web編集部)

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