公開日 2026/06/04 18:00

B&W「800 D5シリーズ」発表、「60年の集大成」。日本では今秋受注開始

様々な新技術でさらなる高みへ

Bowers & Wilkins(B&W)は、同ブランドのハイエンドスピーカーとして、新たに「800 Series Diamond D5」(800 D5シリーズ)を発表した。ウィーンで行われているオーディオ展示会「HIGHEND」で行われた、B&W 60周年記念イベントにあわせて発表された。

 B&W 800 D5シリーズ

現行の800 D4シリーズは、2021年9月下旬に発売された。その前の800 D3シリーズは、創業50周年モデルとして2016年に登場した。今回の800 D5シリーズも、ちょうど5年でのアップデートとなる。

800 D5シリーズは「60年の集大成」を謳っている。これまで800シリーズが確立していたパフォーマンスをさらに高みへ引き上げるため、多岐にわたる音響・機械・電気的改良を施したという。

なお800 D5シリーズの国内販売は、同じHARMANグループの(株)ディーアンドエムホールディングスが行う。日本での正式発表時に、さらなる詳細が明らかになるものと思われる。

D&Mによると、日本国内での受注開始時期は、2026年秋を予定しているとのこと。正式な受注開始日、出荷時期および希望小売価格などは、確定してから改めて告知するとしている。

なおD&Mによると、既存の800 D4シリーズと801 D4 Signature・805 D4 Signatureについては、すでに生産を終了している。生産済み在庫が今後国内に入荷される予定はあるが、早期販売終了が予想されるものもあるため、早期検討を呼びかけている。

製品のラインナップと海外での販売価格

まず、800 D5シリーズのラインナップと、海外での販売価格を列挙しよう。

・「801 D5」£43,000 / $65,000 / €50,000(2台1組) フロアスタンディングスピーカー
・「802 D5」£32,500 / $45,000 / €37,000(2台1組) フロアスタンディングスピーカー
・「803 D5」£25,500 / $35,000 / €30,000(2台1組) フロアスタンディングスピーカー
・「804 D5」£16,500 / $25,000 / €18,000(2台1組) フロアスタンディングスピーカー
・「805 D5」£10,000 / $15,000 / €12,000(2台1組) スタンドマウントスピーカー
・「HTM81 D5」£10,000 / $15,000 / €12,000(1台) センタースピーカー
・「HTM82 D5」£8,000 / $12,000 / €10,000(1台) センタースピーカー
・「FS-805 D5」£1,600 / $2,000 / €1,800(2台1組) 805 D5専用スピーカー・スタンド
・「FS-HTM D5」£1,100 / $1,500 / €1,300(1台) HTM81 D5 / HTM82 D5専用スピーカー・スタンド

ラインナップの構成は、Signatureモデルがないことを除けば、現行の800 D4シリーズとまったく同じ。スピーカーは全7モデルで構成されている。リプレースの検討が行いやすい構成と言えるだろう。

そして以下の画像が、現行の800 D4シリーズの価格表だ。

トップエンドモデル同士の価格を比べると、現行の「801 D4 Signature」の日本価格がおよそ850万円、「801 D4」がおよそ700万円程度(いずれもペア)であるのに対して、「801 D5」の43,000ポンドを本日の為替レートで計算すると、920万円程度となる。

後述するように、800 D5 シリーズには、801 D4 Signatureのために開発された技術の多くが盛り込まれている。それだけに、国内での販売価格がどう設定されるか注目が集まる。

デザインと仕上げが大幅に進化した

800 D5では、800シリーズの外観のイメージを引き継ぎ、ダイヤモンドドーム・トゥイーターを筐体上部に搭載する特徴的な意匠を継続しながら、デザインも質感も進化させ、ラグジュアリー感や美しさをさらに高めた。

具体的には、新たなトッププレート、背面部のスパイン、台座、改良されたドライブユニット・ポッド、トゥイーター・ボディ、トリム・リング、グリルなどを最適化した。

トッププレートの内部構造もやキャビネットの仕上げも刷新した

さらに、キャビネットの仕上げも最適化した。本体色は801 Abbey Road Limited Editionからインスピレーションを受けたという「ダーク・ウォールナット」と、新色「ステルス・ブラック」、前世代のホワイトモデルから進化させた「ウォーム・ホワイト」、「ライト・ウォールナット」を用意している。

それぞれメタル部分のカラーリングやトリムの色合いを最適化している。塗装の品質や工程も改良し、特にステルス・ブラックのキャビネットは、これまで以上に豊かで深く艶やかになったという。

なお、800シリーズはこれまで、国内の展開モデルは他国と異なる場合があったので、国内でどの色が展開されるかはまだ未定だ。これも続報を待ちたい。

D5ではさらに、質感をさらに高めるため、製造公差をより厳格に設定した。パーツ間の継ぎ目やパネルの隙間などをより小さくした。

背面にもアルミブレーシング。様々な工夫で剛性を高めた

今回のD5シリーズの、音質を高める技術的な工夫は、その多くが、様々な手法を用いて徹底的に不要振動や共振を抑え込むことをねらったものだ。

キャビネットについては、サウスウォーター・リサーチ・エスタブリッシュメント(SRE)の研究チームによる綿密な測定とシミュレーションの成果として、「画期的な強化方法」を採用したという。

エンクロージャーの剛性を飛躍的に高めるため、数々の工夫を盛り込んだ

まずはキャビネット背面に、まったく新しい「Space Frame Bracing(スペースフレーム・ブレーシング)」を搭載したことが大きな進化点だ。

これまでスピーカー前面にはアルミ製ブレーシングがあったが、D5シリーズでは、背面にもアルミ製ブレーシングレールを搭載。

これをキャビネット内部のMatrixに直接ボルトで固定したことで、エンクロージャー内部の剛性を飛躍的に高め、不要振動によるサウンドへの悪影響、キャビネットの共振をさらに抑制できたという。

また筐体内部の剛性を高める「Matrix」ブレーシングシステムは、さらに進化を遂げ、「Enhanced Matrix」として採用。

これをキャビネット前面の各ドライブユニットを収めた開口部を囲むように精密に成形し、背面についてもラジアルリブで補強された肉厚のアルミセクションを採用した。

トッププレートも、801 D4 Signatureにおけるモデリングとシミュレーションの成果を活かし、大幅な再設計を施した。

肉厚なアルミ製リブで剛性を高めたほか、エンクロージャー上部との結合を最適化する機械的接点も増やした。

またタービンヘッドやトゥイーター・アセンブリを支えるためのデカップリングマウントも改良することにより、キャビネット上部の音質向上対策を飛躍的に向上させたという。

トッププレート自体はアルミ製だが、コノリー社製レザーで仕上げの美しさも担保。800 D4 Signatureでも使用された素材を用いてダンピングを行い、接合部からの共振も抑えている。

「HIGH END Vienna」で披露された800 D5シリーズ

フロアスタンディングモデルについては、台座部分もそれぞれのモデルのフォルムに合わせて再設計。大きくアップグレードしたアルミ製台座が採用されている。これにより不要振動を徹底的に排除したという。

また、スピーカーを支える脚部には上質な金属製トリムをあしらい、台座を下ろすことによってキャスターやスパイクを見えにくくする工夫も盛り込んだ。内部に収まるよう設計されたスタビライザー(アウトリガー)も追加されている。

磁気回路やクロスオーバーも工夫。804 D5には「最も重要な新技術」

ドライバーユニットや磁気回路、クロスオーバーなどについても見ていこう。

まず、シリーズのすべてのミッドレンジ、バス/ミッドレンジ、バスドライブユニットには、Signature仕様のコンポーネントに基づく低歪みの磁気回路を導入。解像度が上がり、過渡特性も良くなり、ダイナミクスも向上したという。

そしてこれも全モデルを対象に、Signatureモデルから受け継いだ改良型クロスオーバー・コンポーネントを搭載。内部配線についてもより品質を高めたほか、ワイヤーハーネスもターミナルポスト・リンクを用いたまったく新しいものとし、「かつてないほどの高解像度を実現」(B&W)したという。

クロスオーバーのマウント方法にも配慮。クロスオーバーは、総アルミ製のプレートに、M8およびM4ボルトで固定。これによってキャビネット本体と、背面のスペースフレーム・ブレーシングの両方に強固に結合され、キャビネット全体の剛性をさらに高めた。

なお、この固定ボルトはブランドやモデルネームを表示するプレートの裏側に隠されているという凝りようだ。

フロアスタンディング型の中でもっとも安価な「804 D5」には、コンティニューム・コーンFSTアセンブリを格納する、内部アルミニウム製エンクロージャーが新たに搭載された。

これについてB&Wは「D5シリーズにおける最も重要な新技術の1つ」としている。これは上位機種のタービンヘッド構造から派生したもので、ミッドレンジユニットを音響的に隔離し、ドライブユニット自体を極めて安定的にデカップリングする。

これによりミッドレンジの音がより自由に開放的になり、B&Wによると「803 D5のような独立したヘッドを備えたモデルの空間表現能力に肉薄する」という。

「804 D5」。ミッドレンジの内部エンクロージャーを大幅に進化させた

また800 D5シリーズの全モデルに、801 D4 Signatureのために開発された、ダイヤモンドドーム・トゥイーター用の最新世代のトゥイーター・グリルメッシュを採用。ドームを保護する高い剛性を維持しつつ、音響的な透過性をさらに高めているという。

ウィーンで行われている「HIGHEND」の目玉である本シリーズ。当サイトでは、今後も現地から続報をお届けする予定だ。

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