【HAAショウ】B&Wスピーカーによるウィリアムス浩子さん生ライブ&MAYAさんとアクセサリー聴き比べ!
音元出版主催による「ハイエンドオーディオ&アクセサリーショウ」2日目。本日のRoom5では、ジャズシンガーのMAYAさんをお迎えしたアクセサリーの聴き比べイベントと、ウィリアムス浩子さんによるトーク&ライブパフォーマンスが行われた。
アクセサリーによる音の違いを的確にコメント
13時からの林 正儀先生の講演には、“オーディオ大好き女子”MAYAさんが登場。MAYAさんのアルバム『Billie』と『LATINA』を活用しながら、さまざまなケーブルの聴き比べを実施した。
MAYAさんも、「私のレーベルであるAMBIVALENCEレーベルでは、とにかく音にこだわった作品作りを行っています」と強くアピール。特に『Billie』というアルバムは、MAYAさんが敬愛するビリー・ホリディのカバー作品集。アナログテープによる一発録りという、音質のために手間暇をかけた作品となっている。
イベントでは、アキュフェーズのCDプレーヤー→プリアンプ間のRCAケーブルについて、ティグロンの“青龍”こと「Azure Dragon」とケーブル工房TSUKASA「Rio Grande」の2機種を聴き比べ。
オーディオアクセサリーが大好きだというMAYAさん、それぞれのブランドの音作りのこだわりをすらすらと解説するマニアっぷりを炸裂。「ティグロンでは語尾が鮮明になって、楽器の見通しの良さを感じました。一方のTSUKASAは、低域の土台が安定したイメージを感じましたね」と違いを的確にコメント。
林氏も、「アクセサリーによってここまでの音の違いがあるのは面白いですね!」と大興奮。会場からは、「ティグロンのケーブルの方が声が前に出てきた」「TSUKASAは繊細さがあってしっとりした曲にはあってそう」という声も。
後半は、MAYAさんも愛用しているという金井製作所KaNaDeアクセサリーをテスト。金井製作所は、自動車のブレーキの開発によって培った技術をもとに、オーディオや楽器用のインシュレーターを開発しているという異色の経歴のブランド。インシュレーターには十字のスリットが刻まれているが、これもブレーキの鳴きを止める技術が応用されているという。
イベントでは、CDの盤面に貼る静電気防止の銅箔シールのありなしや、インシュレーターも各種聴き比べ。独自のアイデアによるアクセサリーが引きだす、オーディオ沼の深みをたっぷり味わっていた。
レコードと生歌の貴重な聴き比べ
イベントのトリは、ウィリアムス浩子さんのトーク&デュオライブ。音楽ソフトの再生と、ライブパフォーマンスを同じシステムで体験するというスペシャルなイベントである。通常のライブではPA用の機材を用いるところを、アキュフェーズの「C-3900S」と「P-7500」、B&Wの「802 D4」という、オーディオファン憧れのシステムを使用する。
前半は、小原由夫氏のナビゲートによる浩子さんのトークショウ。2012年にニューヨークで収録され、今年初レコード化されたバラード集『time for Ballads』の制作の裏話を語りつつ、1曲目「モナ・リサ」をレコードにて再生。その素晴らしい音質に、再生後には思わず会場から拍手が起こり、小原氏も「母性的な包容力を感じるヴォーカルですね」と大絶賛。
また、オーディオルームにて収録され、音質クオリティにも定評のある「My roomシリーズ」。歌とギターだけ、マイクもシンプルな構成で収録されており、これまでに、クリスマスアルバムも含めて全6作がリリースされている。かぎりなくライブに近いリアルな音を伝えたい、という思いで制作されたそうで、浩子さんの体温までも感じられる生々しい音にじっくりと耳を傾ける。
16時45分からは待望のライブパフォーマンス。先ほどレコードでも再生した「モナ・リサ」を藤本一馬さんのギターとのデュオにてしっとりと歌い上げる。包み込まれるような優しさと柔らかさ、生音ならではの豊穣な世界にすっかり引き込まれてしまう。
浩子さんも、「普段のライブでは戻しのイヤモニなどを使っているのですが、今回は真後ろにある(B&Wの)スピーカーから音がでるので、いつもと少し勝手が違いますね」と難しさを語りながら、「どのようにみなさんに届くか、英語のアクセントなどもさらに丁寧に歌ってゆきます」とこの特別な時間をとても楽しんでいる様子。
ギタリストの藤本さんは、オーディオショウでのパフォーマンスは初とのこと。さまざまなシステムを見て、「思わず(オーディオの世界に)誘われそうです(笑)」と関心を寄せてくれた。藤本さんは、林 正樹さんとのデュオアルバム『Unfolding in Time』が11月に発売になったばかり。実は来年にアナログ盤も予定しているそうで、先日はラッカー盤の音質を体験して驚いたばかりだという。
浩子さんも、「ミュージシャンにももっとオーディオに興味持って欲しいと考えています」と思いを語る。「制作時にPCなどで音をチェックすることもありますが、やはりきちんとしたスピーカーで聴くことで、音の余韻などをより深く感じることができるんです」と、音楽家の音作りや技術向上においても役に立つ面があるのではないかと指摘する。
ライブでは、小原氏もフェイバリットな楽曲だという「タイム・アフター・タイム」から、佐野元春の「グッドバイからはじめよう」と日本語楽曲も披露。
自宅ではELACのスピーカーシステムとAURAのアンプでオーディオを楽しんでいるという浩子さん。ラストナンバー「A Wish」とともに、「一期一会のライブパフォーマンスも楽しんでいただき、レコードやCDは、ぜひご自宅で繰り返し楽しんでください!」と締め括った。


































