公開日 2021/01/25 16:40
オーディオの「低音再生」、そのポイントは「部屋」にアリ! 防音のプロが教える「音のいい部屋づくり」
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プロが教える“高音質な部屋づくり”
アコースティックラボのルーム音響クリニック
音楽を魅力的に楽しむための重要な要素のひとつである「低音再生」。実は、オーディオにおける低音再生の充実に大きな影響を及ぼすファクターが「部屋」だ。“迫真のステレオ音場”をつくるにはどうすればよいのか? オーディオに適した部屋づくりに対する豊富なノウハウを持つ防音のプロ、アコースティックラボによれば、「低音を制することが音質向上の王道」だという。

―― 「低音を制することが音質向上の王道である」というお話しですが、まず、オーディオにおける低音再生の課題とはどんなものが挙げられるのでしょうか?
大きくわけると「低音の響きが足らないように感じる」という悩みと、逆に「低音が響きすぎる」という2点ですね。まず今回は「響きが足らない」ケースについて説明したいと思います。

―― 「低音の響きが足らない」、つまり「低音が物足りなく感じてしまう」というケースですね。
オーディオは機器をグレードアップさせるごとにやはり音への満足度も高まっていきますから、はじめのうちはスピーカーやコンポといった機器そのものが音質的な不満の原因だと思いがちです。
しかし、ある程度のところまで満足できるシステムを組んでも低音が物足りないとなり、じゃあその原因はどこにあるのか、それは部屋なんですよ、ということですね。
実は、防音工事をしたことで、自身のオーディオシステムに感じていた物足りなさの原因が低音の響きが足りないこと、そしてそれが部屋に起因するものであったことに気付くという方が多いんです。

―― 「部屋が低音不足の原因になる」とはどういうことなのでしょうか。
現代の一般的な住宅の部屋では、低音が吸われてしまっているんです。現代建築は壁や床、天井が振動しやすく、その振動によって低音が吸音されてしまうんですね。中高音域よりも低音域のほうが多く吸音されるので、低音が物足りなくなるわけです。
―― なるほど。
下の図は部屋の残響時間の周波数特性グラフです。この測定結果からも、普通の部屋では中音域に比べて低音域の響きが若干短いことがお分かりいただけるかと思います。残響時間は結構フラットで、低音のクセがないという意味で悪くはありませんし、業務用の音楽スタジオでは大きな音で試聴するため問題にはならないのですが、オーディオファンの音楽リスニングにおいては少し物足りなく感じると思います。

―― 一般的な部屋で吸音されてしまう原因はどこにあるのでしょうか。
壁や床、天井が「中空構造」になっていることが原因です。例えば壁であれば外側と内側の間に空気層がありますし、床や天井も同様です。太鼓のように間に空気層がある構造が原因で振動しやすいということで「太鼓現象」などとも呼びますが、この構造によって部屋の表面自体が振動しやすくなっているわけです。そして、この共振が特に50Hz〜100Hzあたりの低音域を吸収してしまうんですよ。
試しに部屋の壁や床を叩いてみてもらうとよくわかるのですが、音が大きく響くと思います。実際に一般住宅の壁や床を叩いた様子が次の動画です。壁の中空構造をわかりやすくしたモデルを叩いた様子も入れていますが、まさに太鼓のような構造が共振しているわけです。高断熱省エネのために、現代住宅ではマンションでも戸建て住宅でも例外なくこのような構造になっています。

―― この問題にはどう対策すればよいのですか?
いろいろありますが、ひとつは壁・床・天井を重くすることです。例えば、通常は下地の石膏ボード1枚のところを2枚、3枚と増し貼したりすると壁が重く振動しにくくなります。表面材が共振しなければ、壁・床・天井も音をちゃんと反射しますので、低音の残響時間も長くなります。その結果、安定感のある充実した豊かで自然な響きになるのです。
そして、こうした防音工事を行った部屋の残響時間周波数特性グラフが次の図の赤い線です。低音をしっかりと跳ね返して残響時間が長くなっていることがわかります。なお、低音の響きがだぶついたりすることもありません
また、当社の防音ショールームの壁や床を叩いた様子も動画に収めました。先ほどの一般住宅との比較も入れていますが、比べていただくと違いは一目瞭然…いや、“一聴”瞭然でしょう。

―― たしかに“一聴瞭然”ですね。防音工事で“おいしい低音”をちゃんと感じられる部屋になると総合的な満足感もアップするというわけですね。
実際、過去に当社が施工したお客様からは「低音が豊かに、楽に鳴り出した」だとか、「アンプやセッティングを工夫しても鳴ってくれないスピーカーが、防音工事後はあっさりと楽に、しかも生き生きと鳴るようになった」などの反応をいただいています。低音の響きが改善すると、このような効果が得られるわけです。
―― ありがとうございます。今回と逆に「低音が響きすぎる部屋」についても次回以降に訊かせてもらえればと思います。よろしくお願いします。
(協力:アコースティックラボ)
アコースティックラボのルーム音響クリニック
音楽を魅力的に楽しむための重要な要素のひとつである「低音再生」。実は、オーディオにおける低音再生の充実に大きな影響を及ぼすファクターが「部屋」だ。“迫真のステレオ音場”をつくるにはどうすればよいのか? オーディオに適した部屋づくりに対する豊富なノウハウを持つ防音のプロ、アコースティックラボによれば、「低音を制することが音質向上の王道」だという。

―― 「低音を制することが音質向上の王道である」というお話しですが、まず、オーディオにおける低音再生の課題とはどんなものが挙げられるのでしょうか?
大きくわけると「低音の響きが足らないように感じる」という悩みと、逆に「低音が響きすぎる」という2点ですね。まず今回は「響きが足らない」ケースについて説明したいと思います。

―― 「低音の響きが足らない」、つまり「低音が物足りなく感じてしまう」というケースですね。
オーディオは機器をグレードアップさせるごとにやはり音への満足度も高まっていきますから、はじめのうちはスピーカーやコンポといった機器そのものが音質的な不満の原因だと思いがちです。
しかし、ある程度のところまで満足できるシステムを組んでも低音が物足りないとなり、じゃあその原因はどこにあるのか、それは部屋なんですよ、ということですね。
実は、防音工事をしたことで、自身のオーディオシステムに感じていた物足りなさの原因が低音の響きが足りないこと、そしてそれが部屋に起因するものであったことに気付くという方が多いんです。

―― 「部屋が低音不足の原因になる」とはどういうことなのでしょうか。
現代の一般的な住宅の部屋では、低音が吸われてしまっているんです。現代建築は壁や床、天井が振動しやすく、その振動によって低音が吸音されてしまうんですね。中高音域よりも低音域のほうが多く吸音されるので、低音が物足りなくなるわけです。
―― なるほど。
下の図は部屋の残響時間の周波数特性グラフです。この測定結果からも、普通の部屋では中音域に比べて低音域の響きが若干短いことがお分かりいただけるかと思います。残響時間は結構フラットで、低音のクセがないという意味で悪くはありませんし、業務用の音楽スタジオでは大きな音で試聴するため問題にはならないのですが、オーディオファンの音楽リスニングにおいては少し物足りなく感じると思います。

―― 一般的な部屋で吸音されてしまう原因はどこにあるのでしょうか。
壁や床、天井が「中空構造」になっていることが原因です。例えば壁であれば外側と内側の間に空気層がありますし、床や天井も同様です。太鼓のように間に空気層がある構造が原因で振動しやすいということで「太鼓現象」などとも呼びますが、この構造によって部屋の表面自体が振動しやすくなっているわけです。そして、この共振が特に50Hz〜100Hzあたりの低音域を吸収してしまうんですよ。
試しに部屋の壁や床を叩いてみてもらうとよくわかるのですが、音が大きく響くと思います。実際に一般住宅の壁や床を叩いた様子が次の動画です。壁の中空構造をわかりやすくしたモデルを叩いた様子も入れていますが、まさに太鼓のような構造が共振しているわけです。高断熱省エネのために、現代住宅ではマンションでも戸建て住宅でも例外なくこのような構造になっています。

―― この問題にはどう対策すればよいのですか?
いろいろありますが、ひとつは壁・床・天井を重くすることです。例えば、通常は下地の石膏ボード1枚のところを2枚、3枚と増し貼したりすると壁が重く振動しにくくなります。表面材が共振しなければ、壁・床・天井も音をちゃんと反射しますので、低音の残響時間も長くなります。その結果、安定感のある充実した豊かで自然な響きになるのです。
そして、こうした防音工事を行った部屋の残響時間周波数特性グラフが次の図の赤い線です。低音をしっかりと跳ね返して残響時間が長くなっていることがわかります。なお、低音の響きがだぶついたりすることもありません
また、当社の防音ショールームの壁や床を叩いた様子も動画に収めました。先ほどの一般住宅との比較も入れていますが、比べていただくと違いは一目瞭然…いや、“一聴”瞭然でしょう。

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